女が家を継ぐとき―東北・北関東に見る女性の相続前田 卓関西大学出版部このアイテムの詳細を見る |
1992年10月初版 関西大学出版部
著者は前田 卓。
相続について調べていた時に読んだ本。
日本の相続制度は大きく分けて4つあった。長男相続、末子相続、選定相続、そして姉家督相続。最後の姉家督相続とは、長子相続のことで性別にかかわらず第一子が家を相続した。
相続制度は地方によってこれと決まっていたわけではないようで、例えば大阪の泉州地方の農村には長子相続であった記録があるし、泉州の隣の紀州の漁村では末子相続だった記録もある。
北関東から青森までの一帯は姉家督相続の習慣を持っていた。長子が女性だった場合、一家の長を女性が勤めるわけだ。当然、子を残すために婿をとる。婿を三人変えると蔵が建つといわれた。婿は嫁と同じく調子が悪ければ取り替えられる存在だった。
この本とは関係ないが、江戸の商家では息子には跡をとらせなかった。娘に飛び切り優秀な婿を向かえ家を継がせた。江戸ほどではないが大阪の商家にも多い。息子に跡をとらせた商家には、誰も金を貸さなかったそうだ。日本に数百年続く企業が多いのは、この相続方法によるものだろう。
以下メモ
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p60 奈良県古野郡大塔村の昭和33年の風景写真
中国の雲南だといわれても信じてしまう風景
p84 栃木県上河内村の昭和30年頃(?)の写真
本家と分家が写っている
分家は掘っ立て小屋・・・・
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