投錨備忘録 - 暇つぶしに借りた本のメモを残すブログ

世界の帆船模型

朝日新聞社編 「世界の帆船模型」

1978年発行の模型の本である。

これを昨年だったか一昨年だったか、その前の年だったか、とにかく今世紀に入ってから読んだ。船(帆船)についてのウンチク多し。模型マニアは、そのモデルとなる実態の細部まで知ろうとするから、その運用まで語ることになる。

以下メモより。

--↓-----------------------------------------

P89:石井謙治氏が書いている「帆かけぶね」は良い。
    朱印船 日本前=大型航洋ジャンク
        和船+ジャンク+ガレオン
        帆装は中国式の網代帆にガレオンの帆装を折衷したもの。

新綿番船、新酒番船 ⇒ 新年の行事
    1790年(寛政2年)新酒番船は西宮と江戸をわずか58時間で走破。
    平均6.7ノット。普通は5日程度かかる。

--↑-----------------------------------------

日本の船(帆船)は、江戸時代より朱印船貿易の頃の方が進んでいたんだよね。船主は日本人、船長はスペイン人、船員は中国人やフィリピン人というのもあり。鎖国していないから国際色豊か。日本は大航海時代の一歩手前だった。

ところが徳川の時代の初期から国外への渡航を禁じたため、一気に外洋船を造る技術が衰退。ついでに航海術も衰退。それまでの技術は忘れ去られた。我々が即思いつく日本の帆船の姿は弁財船と言う船型で、江戸時代に出来上がった新しいモノなのだ。それでも「新綿番船、新酒番船」で兵庫から江戸まで58時間の速さは立派。造船・航海の技術も自力で復活。この58時間という速さは黒潮のおかげもある。
名前:
コメント:

※文字化け等の原因になりますので顔文字の投稿はお控えください。

コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

 

  • Xでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

最新の画像もっと見る

最近の「本のメモ」カテゴリーもっと見る

最近の記事
バックナンバー
人気記事