東京でカラヴァッジョ 日記

美術館訪問や書籍など

【後期】Kawaii 日本美術(山種美術館)

2014年02月28日 | 展覧会(日本美術)

Kawaii 日本美術 -若冲・栖鳳・松園から熊谷守一まで-
2014年1月3日~3月2日
山種美術館


 後期を訪問。

 目的はもちろん、若冲の≪樹花鳥獣図屏風≫(静岡県立美術館)。
 本作を見るのは、2010年千葉市美術館「伊藤若冲アナザーワールド」展以来2度目。
 1度目は、若冲満載の状況下、展示環境に恵まれず、その存在を確認したにとどまった。
 今回は、じっくりと見る。
 やはり観客が多く、全体像を見渡すことは難しく、最前列に並んでの間近での鑑賞が中心となった。

 カラフルを楽しむ。
 右隻は白象を中心に動物尽くし、左隻は鳳凰を中心に鳥尽くし。
 「Kawaii」というテーマにぴったりの作品である。

 ≪樹花鳥獣図屏風≫に専念し、他の作品はさらっと、前期にも展示されていたか、後期からの登場作品かを当てて遊んだという程度(勝率は記載しない。出品リストによると、全94点の展示で、前期のみ11点、後期のみ7~8点、巻替6点)。

 例外が巻替対象である≪藤袋草紙絵巻≫(サントリー美術館)。後期公開の
・通りかかった猟師が娘を助け出し、代わりに犬を籠に入れる。
・外出から戻った猿たち、娘を籠から出そうとすると犬が飛び出し、犬は猿を襲う。
 の場面を楽しんだ。


以下、静岡県立美術館HPより抜粋

<「枡目描き」って?>
 まず、淡墨で縦横約1cm間隔の線を引き、画面全体に方眼を作ります。その上から、絵柄に合わせたごく淡い色を薄く塗って下地を作ります。次に、方眼一つ一つを先ほどよりやや濃い目の色で正方形に塗り込めます。その正方形の隅にもっと濃い色を小さく付け加えて、ようやく方眼一つの出来上がりです。必要なところにはさらに色をつけたり陰影を施したりして全体の調子を整え、完成。実に根気のいる、気の遠くなるような作業です。伊藤若冲が発明したと考えられる独自の描法です。

<こんな絵が他にもたくさんあったの?>
 ≪鳥獣花木図屏風≫(プライス コレクション)、現在額装になっている「白象群獣図」(個人蔵)がありますが、現存が確認されるのはこの3点のみです。昭和8年のある展覧会図録には同様の描法による「釈迦十六羅漢図屏風」の写真が掲載されていますが、残念ながら現在は行方不明になっています。



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