イスラエル博物館所蔵
印象派・光の系譜
2021年10月15日〜22年1月16日
三菱一号館美術館
印象派・ポスト印象派の展覧会。
エルサレムのイスラエル博物館からの69点(うち59点が初来日とのこと)。
このご時世でありながら、海外からの、その多くが初来日の、明るく屈託のない印象派の優品たちに囲まれる。それがどれほど恵まれたことなのか、改めて認識しながら鑑賞する。
(株)ウィンダム様から案内を受けた10/21開催のブロガー内覧会に当選し、参加する。
展覧会・内覧会関係者の皆様に感謝しつつ、特別な許可を得て撮影した写真とともに、幸せな時間を振り返る。
モネ
《睡蓮の池》
1907年、101.5×72.0cm
イスラエル博物館
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/5e/19/3210c7654a413cd2ad48c3063107dcb4.jpg)
本展のメインビジュアル。
1907年、モネは、睡蓮のほぼ同一構図の縦長の連作を15点制作する。
そのうち13点を、1909年にパリのデュラン=リュエル画廊で開催した個展「睡蓮:水の風景連作」展に出品する。
同展には、1903-08年に制作した「睡蓮」全48点が出品。モネの「睡蓮」の発表は、その個展が2度目になる。
右手に枝垂れ柳、左手にポプラの樹の影が水面に映る。
流れ落ちる陽光が、午後(遅く)から日没(直後)へ、時間の経過による水面の変化を表現する13点の連作が並ぶ様は、さぞ素晴らしかったであろう。
その13点の所蔵者は次のとおり。
・ヒューストン美術館
・DIC川村記念美術館
・イスラエル博物館
・和泉市久保惣記念美術館
・マルモッタン・モネ美術館
・アーティゾン美術館
・イェーテボリ美術館
・個人蔵 2点
・現所在不明 4点
日本になんと、3点!も所在するのが凄い!
そして、そのうち2点、DIC川村記念美術館所蔵作品と和泉市久保惣記念美術館所蔵作品が、本展にあわせて「特別展示」されている。
この3点が並んで展示されているならば、1909年の個展には及ばないとしても、非常に見応えがあるだろう。
しかしながら、日本所蔵の2点は、イスラエル博物館所蔵作品とは別の展示室、しかもフロアまで変えて離れた展示室に置いて、連続して観ることができないようにしている。当然にコレクション展であることを優先。
なお、1908年に制作された別構図の「睡蓮」で、1909年の個展にも出品された東京富士美術館所蔵作品も11/30から「特別展示」されるとのこと。
本展には、モネ作品は3点の出品。
もう1点、記載する。
モネ
《ジヴェルニーの娘たち、陽光を浴びて》
1894年、65.0×99.5cm
イスラエル博物館
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/7e/e1/e2fb46e898937a64e7584e15a0ff7ddf.jpg)
「ジヴェルニーの娘たち」?
どこに人物が描かれているの?
解説によると、「悪天候に備えるため一時的に築かれた藁の束が女性の姿に見えることに由来している」とのこと。
悪い質の画像だけど、女性の姿に見えるだろうか。
【参照】
安井裕雄『図説モネ「睡蓮」の世界』
2020年4月、創元社刊
モネのすべての「睡蓮」全308点を掲載。このようなマニアックな書籍は大好物。
(つづく)