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まさか、ベルリン国立美術館所蔵のフェルメール作品が2点とも同時来日するとは。
当初発表の出品作4点のなかに初来日となる《ワイングラス》があったので、残り4点予想の候補から完全に外していた《真珠の首飾りの女》。発表に驚き喜んだ。
フェルメールのベスト1作品とする人が少なからずいる《真珠の首飾りの女》。そんな凄い作品を、日本で、《牛乳を注ぐ女》と見比べ鑑賞ができる幸せ。
また、少女が着る黄色いガウンはフェルメールのお気に入りで6点に登場するらしいが、そのうち3点が本展に出品という幸せ。
この辺りの事情について、2018年のフェルメール展にあわせて刊行された、本展企画者である秦新二・成田睦子著『フェルメール最後の真実』文春文庫では、
ベルリン国立絵画館は、なんと所蔵するフェルメールを2点とも貸し出してくれることとなった。(中略)もともとベルリン側は「フェルメールの真珠」をテーマにした展覧会を日本に提案していたのだが、それが頓挫し、ベルリンにある17の国公立美術館・博物館の総館長が、我々の展示に協力してくれることになった。
その辺りの事情はよく分からないけれども、「フェルメールの真珠」をテーマにした展覧会とは何だったのか気になる。
2012年の東京/福岡のベルリン国立美術館展以来、6年ぶり2回目の来日。
前回鑑賞時。
熱心に装い中の少女の表情。視線の先にある小さな鏡。窓枠には何故か卵型の小さな白い物体。黄色いカーテンと黄色いガウンの対照。真珠。オレンジのリボン。テーブルの上の光に照らされている場所に置かれた静物、小さな椀、刷毛、そして薄くて白い物体(紙片らしい)。
見どころは多いが、何よりも「白い壁」。少女と鏡の間に大きく広がる「白い壁」。見飽きない。素晴らしい作品。
1950年以降は長く展覧会出品はなかったようだが、1995-96年ワシントン/ハーグの歴史的回顧展を皮切りに、2003年マドリードの回顧展、2009年ローマの館所蔵17世紀フランドル・オランダ美術名品展、2012年の東京/九州の館所蔵名品展、2017-18年のパリ/ダブリン/ワシントンの回顧展と、国外出張が続いている。
フェルメールのパトロンであったファン・ライフェンが所蔵し、ディシウス・コレクションを経て、1696年のアムステルダムにて競売にかけられた21点のうちの1点。
1700年代は売買記録がないようだが、1809年から登場、何度か所蔵者が変わり、一時期はフェルメールの「再発見者」トレ・ビュルガーが所蔵。1874年。現所蔵者であるベルリン国立美術館(当時は違う名前)がアーヘンのズアモンドコレクションの一部として取得している。
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素晴らしい作品であることは2012年の国立西洋美術館で経験済み、今回は《牛乳を注ぐ女》ほか計8点との比較鑑賞、どう感じるか楽しみである。