レオナルド×ミケランジェロ展
2017月6月17日〜9月24日
三菱一号館美術館
イタリア・ルネサンスのビッグ2、レオナルド・ダ・ヴィンチとミケランジェロの素描を中心とする展覧会である。70点ほどの出品。
レオナルドの素描はトリノの王立図書館から、ミケランジェロの素描はフィレンツェのカーサ・ブオナローティからの出品である。
特にトリノからのレオナルドおよびレオナルド関係素描の出品が、結構な点数となっている。
油彩画作品は数点出品されているが、本人作ではなく、他画家による模写作品、レオナルド派の作品、ミケランジェロの肖像画となる。
彫刻作品は、近年、ミケランジェロ作と認定された大型の大理石彫刻作品が7/11から出品される予定。
本展は、三菱一号館美術館のあと、岐阜市歴史博物館に巡回する。
1 本展の構成
序章:レオナルドとミケランジェロ-そして素描の力
1章.顔貌表現
2章.絵画と彫刻:パラゴーネ
3章.人体表現
4章.馬と建築
5章.レダと白鳥
6章.手稿と手紙
終章:肖像画
2 出品予定作品《美しき姫君》が展示中止。
6/7にHP掲載。レオナルド真筆作品の可能性のある(本展では「帰属」と表示)《美しき姫君》が「都合により展示を見送らざるを得なくなりました」。残念である。
近年真筆が提起された作品で、日本でもテレビ番組が放送されたりマーティン・ケンプ氏による書籍が出版されたり一時期話題となっていた作品である。
展覧会図録には掲載されているから、急な決定だったのだろう。
「出品中止」ではなく「展示中止」という言い方には、何か意味するところがあるのだろうか。
3 ミケランジェロの大型大理石彫刻作品の展示は、7/11から。
これも近年ミケランジェロの作品として認定された作品。
ミケランジェロ(未完作品、17世紀の彫刻家の手で完成)
《十字架を持つキリスト(ジュスティニアーニのキリスト)》
1514-1516年
バッサーノ・ロマーノ、サン・ヴィンチェンツォ修道院付属聖堂
大きさは2500mm(キリスト像だけで2010mm)と、「我が国で、これほどまでに大型のミケランジェロの手による大理石彫刻を展示するのは初めて」という作品。
現在、ロンドン・ナショナル・ギャラリーでの企画展「Michelangelo & Sebastiano」にて展示中であり、その展覧会終了(6/25)後に日本に移送し、7/11から展示公開する運びとのこと。
展示予定場所は3階、2階ではなく、1階。
それまでの間の本展来訪者に対しては、1階展示室のみ後日入場可の彫刻鑑賞券が、1階の展示予定場所の前で配付されている。
4 参考書籍コーナー
3階の休憩室には、過去のレオナルド、ミケランジェロ関係展覧会の図録が置かれている。私の訪問日には、次の5展。
1)1996年「ミケランジェロ展」新宿・三越美術館ほか
2)2013年「ミケランジェロ展」国立西洋美術館ほか
3)2016年「ミケランジェロ展」パナソニック汐留ミュージアムほか
4)2015年「レオナルド・ダ・ヴィンチと「アンギアーリの戦い」展 」東京富士美術館ほか
5)2016年「レオナルド・ダ・ヴィンチ -天才の挑戦」展、江戸東京博物館
(たぶん)続く。
おそらく、所有者は、「帰属」や「?」ではなく、「レオナルド真筆」の表記を条件にしたのでしょうね!
今回の展示は、
「レオナルド派」「レオナルド工房」「弟子」「合作」
「~~による」が多過ぎるうえ、ファックスコピーだらけ。
拍子抜けしました。
「アルチンボルド展」の方が、レオナルドの真筆素描があったかもしれないですね。
コメントありがとうございます。
アルチンボルド展は凄い展覧会ですね。
レオナルドの素描が、ウィンザー城・イギリス王立コレクションやロンドン・大英博物館からやってきて、参考作品的扱いで展示されるという、これまでの経験ではあり得ない事態!