「東京国立近代美術館傑作展」を空想企画する。
1年・1作品・1作家。
かつ、日本人により制作された油彩画作品とする。
対象期間は、1906年から1952年までとし、年代順に並べる。
1906年はヨーロッパ(主にフランス)でフォービスムが台頭した年(注1)、1952年は東京国立近代美術館が開館した年である。
47作家の47作品による日本近代美術の47年間である。
以下、出品作品(注2、注3)。
1890〈特別出品〉
原田直次郎《騎龍観音》
1902〈特別出品〉
菱田春草《王昭君》*
1904 〈特別出品〉
青木繁《運命》
1906 該当なし
1907 和田三造《南風》
1908 和田英作《おうな》
1909 該当なし
1910 荻原守衛《女》*
1911 小杉放菴《水郷》
1912 萬鉄五郎 《裸体美人》
1913 藤島武二《うつつ》
1914 柳敬助《白シャツの男》
1915 満谷国四郎《行水》
1916 河野通勢《好子像》
1917 村山槐多《バラと少女》
1918 岸田劉生《麗子肖像(麗子五歳之像)》
1919 関根正二《三星》
1920 中村彝 《エロシェンコ氏の像》
1921 吉田博《牧場の午後》*
1922 村山知義《あるユダヤ人の少女像》
1923 小出楢重《ラッパを持てる少年》
1924 十亀広太郎《御茶之水ニコライ堂》*
1925 前田寛治《裸婦》
1926 横山潤之助《裸婦》
1927 佐伯祐三《ガス灯と広告》
1928 長谷川利行《カフェ・パウリスタ》
1929 古賀春江《海》
1930 伊藤廉《リューマチの労働者》
1931 椿貞雄《髪すき図》
1932 須田国太郎《法観寺塔婆》
1933 津田青楓《犠牲者》
1934 安井曽太郎《金蓉》
1935 野田英夫《帰路》
1936 福沢一郎《牛》
1937 坂本繁二郎《水より上る馬》
1938 小磯良平《練習場の踊子達》
1939 吉岡堅二《馬》*
1940 桂ユキ子《作品》
1941 香月泰男《釣り床》
1942 宮本三郎《山下、パーシバル両司令官会見図》
1943 松本竣介《Y市の橋》
1944 靉光《自画像》
1945 藤田嗣治《サイパン島同胞臣節を全うす》
1946 恩地孝四郎《あるヴァイオリニストの印象(諏訪根自子像)》*
1947 該当なし
1948 岡本太郎《夜明け》
1949 北脇昇《クォ・ヴァディス》
1950 植田正治《妻のいる砂丘風景》*
1951 海老原喜之助《殉教者》
1952 古沢岩美《餓鬼》
以上。
該当なしの年が3年(1906、1909、1947)もある。その分、1905年以前の作品を3点特別出品とする。
また、油彩画以外を選択の年が6年(1910、1921、1924、1939、1946、1950)。
20世紀において重要な意味をもつ1945年についても、作品を選択した。戦争記録画だが。
選択基準は、私が実物(あるいは図版)を見たことがあって、知名度がありそうな作品かどうか。つまり、深い考えは全くない選択である。
展覧会を現実化しようとしたら、自館開催でない限り、出品作品の制約は厳しくなるから、何を何によってどこまで提示できるかの闘いになるのだろう。
(注1)東京国立近代美術館は、主に1900年頃からを対象としているとのことなので、1901年からとしたかったが、「該当なし」の年が増えるだけなので、1906年からとした。
(注2)出品作品は、前述のとおり油彩画を基本とするが、油彩画の選択が困難な年については、彫刻・日本画・版画・写真なども対象とする。油彩画以外の作品には*印を付す。
(注3)写真付きの作品は、2016年6月時点で東京国立近代美術館にて展示中であることを示す。
所蔵作品展
MOMATコレクション
2016年5月24日〜8月7日
企画展
近代風景~人と景色、そのまにまに~
奈良美智がえらぶMOMATコレクション
2016年5月24日〜11月13日