東京でカラヴァッジョ 日記

美術館訪問や書籍など

東山御物の美(三井記念美術館)

2014年11月10日 | 展覧会(東洋・アジア美術)

東山御物の美-足利将軍家の至宝-
2014年10月4日~11月24日
三井記念美術館


 本展で初めて「東山御物」という言葉を知る。
 頭の中では「ひがしやまぎょぶつ」と読んでいたが、いざ口に出そうとすると抵抗感があり、「三井記念美術館の、あの・・・」で誤魔化す。
 後で確認すると、「ひがしやまごもつ」。口に出さずによかった。

 第5週に訪問。
 想像より観客が少ない。
 訪問時間帯のためなのか、それとも、会期後半に訪問するなら国宝≪桃鳩図≫が出品される第7週(最終週)と決めている人が多くて、今は端境期なのだろうか。それとも、もともと観客数を多く望めない高度専門的な展覧会なのだろうか。
 おかげで混雑なしで鑑賞することができる。

 主に、展示室4の中国絵画19点、展示室7の中国絵画16点、展示室2の国宝≪油滴天目≫を中心に観る。
 もともと中国絵画・美術に無関心でいる私には、ありがたさなどわからないし、どの作品にもピンとこない状態である。
 重文≪茉莉花図≫((伝)趙昌筆)の、反時計回りに、蕾、開花、満開の花が描かれている様とか、国宝≪夏景山水図≫((伝)胡直夫筆)や国宝≪秋景山水・冬景山水図≫((伝)徽宗筆)の、渓谷や高士とか、やはり反応しない。
 
 本展を楽しめる人、東山御物としての中国絵画を味わえる人は、相当高度な美術ファンなのだろうなあ。

 そんな私なので、10年振りの公開という国宝≪桃鳩図≫を見に行く気は今のところない。


<公式サイトより>
 唐物が崇拝された室町文化において、その頂点に君臨したのが義満らによって収集された将軍家のコレクション「東山御物」でした。それらは当時の中国的な感性を代表したのみならず、当時の日本人が受容し、変容させることで日本的なものの基礎ともなりました。その後の日本人にとって「東山御物」に見える美意識は絵画・工芸を鑑賞する一つの規範となり、桃山・江戸時代、さらには現代に至るまで「古典」として理解されてきたのです。その意味で、「東山御物」 はまさに中世以降の美の規範といえるでしょう。
 本展覧会では、現在「東山御物」と伝称される多くの作品群から、絵画・工芸各々のジャンルで当時から極めて高い評価を受けてきたもの、足利将軍家が確実に所有していたものを中心に抽出して構成いたします。

 東山御物の絵画は、大きく二種類に分けることができます。
 ひとつは、李迪や馬遠、梁楷といった中国皇帝の愛した宮廷画院画家の精緻な作品。
 北宋第八代皇帝の徽宗は、みずからも詩書画にすぐれました。
 もうひとつは、牧谿と玉澗に代表される禅宗の絵画です。
 おおらかでかつ繊細な水墨表現は、日本の絵画に大きな影響を与えました。



 といいつつイベント好きな私、国宝≪桃鳩図≫前の盛り上がりを見に、訪問する気になるかもしれない。



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