東京でカラヴァッジョ 日記

美術館訪問や書籍など

【再訪】90分の入場待ち列に並ぶ&入場者数 ー ミュシャ展(国立新美術館)

2017年06月04日 | 展覧会(西洋美術)

ミュシャ展
2017年3月8日~6月5日
国立新美術館

 

   会期最後の週末、ミュシャ展に向かう。
   16時過ぎに到着、90分待ちとの案内にびっくり。

 

   会期初日に訪問して以降、全くフォローしていなかったが、さすが「ミュシャ」、たいへんな人気なんですね。


3月27日(18日目)10万人
4月28日(45日目)30万人
5月22日(67日目)50万人
6月02日(76日目)60万人
6月05日(79日目、最終日)?(←確定後、更新予定)

(追記)
・朝日新聞社発表によると、入場者数は、661,906人。
   1日あたり入場者数は、8,378人の計算となる。
   最後の4日間は、6万人超(1日あたり1.5万人超)!

 

   まあ、90分といいつつ実際は60分で入場を期待しつつ、チケットを入手し、美術館の外にあるという最後尾に向かう。

 

16:20   美術館建物の外の列の最後尾につく。日差しがきつい。途中に熱中症対策の給水コーナーが用意されているが、私のような一人客は列を離れづらい。列まで持ってきてくれると有難いのだが。


17:02   美術館建物内部に入る。


17:35   エスカレーターで2階に上がる。グッズの精算も長蛇の列となっている。


17:40   入場。

 

   結局80分と、概ね案内どおりの待ち時間。
   普通の待ち行列だと、立ち止っている時間が長く、動きがあるのはたまに、一度に動く距離も少しだけという印象。
   ここでは、立ち止まっている時間が少なく、常時は言い過ぎだろうが、常時動きがあり、かつ、一度で動く距離が大きい。どういう仕掛けなのだろう、ひょっとすると会場内の立ち止まり鑑賞を禁止しているのかとも思ったが、特に仕掛けらしいものには気づかなかった、本来の閉館時刻18時が近づいているので会場内の循環が早かったということかなあ。


(*)ネットで本展の担当主任研究員のインタビュー記事を読む。「国立新美術館は、ほかの美術館だったら行列となるような人数でも、1時間に1000人くらいは入場できるので、今のところ(注:4月中頃)チケットを事前に購入していれば、あまり時間はかからないようです。」どうやらキャパシティが違うということらしい。あと、作品が大きいので、鑑賞列を作る必要がない→循環が早くなる。

 

   17:40、本来なら入場できない時刻である。一体何時まで鑑賞できるのだろう?


   会場内は混在しているが、本来の閉館時刻に近いためだろうか、会期初日午前中の混在度合いとそんなに変わりはない。撮影可能エリアも、大画面の威力だろう、撮影制限されることもない。

 

18:20、18:45の閉館時刻が告げられる。80分並んで、65分の鑑賞かあ。

 

   今回も《スラヴ叙事詩》限定鑑賞としたが、初回鑑賞では気づかなかった気づき点がいくつかあって、楽しめた。


   《スラヴ叙事詩》。スラヴ民族の国々で起きた歴史上の重要な出来事の一場面を描いた大歴史絵巻、馴染みのないテーマばかり。舞台もミュシャの故郷チェコのみならず、ウクライナだ、現ドイツだ、ブルガリアだ、セルビアだ、ポーランドだ、オランダだ、ギリシャだ、ロシアだ、と拡がりがある。「本来は言語学的な分類に過ぎない」とされるスラヴ。汎スラヴ主義が背景にある。絵が描かれて以降のスラヴの歴史も複雑だ。私を含む一般の日本人にとって、ハードルが高い。

 

   それでも、この大盛況。

 

   もともと日本人に人気の高いミュシャの畢生の大画面シリーズ全20点が、チェコ以外では世界初の一挙公開、その貴重性がポイントなのだろう。

 

   先の担当者インタビュー記事より。

「8mの高さの作品が20点となると、ほかの美術館では難しく、当館のみでの開催となりました」

「ようやく2012年になって、プラハでスラヴ叙事詩全20点が大々的に展示されました。それまでは、ミュシャが存命だった1928年に1点未完の作品を除いた19点が公開され、1960年以降に田舎の地方でひっそり人知れず展示されたことがあったくらい(注:南モラヴィア州のモラフスキー・クルムロフの城館。ミュシャの生まれ故郷に近いが、交通アクセスの悪いところらしい。)で、ほとんど見る機会がなかったんです。実は、今回の公開が終わって《スラヴ叙事詩》がプラハに帰ったあとに、20点展示されるかどうかはわかりません。またしまい込まれてしまう可能性もある。おそらく、この先、私たちが生きている間に日本で見られることはないでしょうし、ではプラハに行ったら見られるかというと、それもわからない。そんな幻の作品が見られる機会は、奇跡に近いと思います。」

http://liverary.tokyo/entry/detail.php?id=24343

 

この作品は、素直にいいなあと思う。

 



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