東京でカラヴァッジョ 日記

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2021年4月緊急事態宣言(東京都)下の首都圏の美術館・博物館の開館状況

2021年04月26日 | 展覧会(日記)
   2021年4月23日、東京都・大阪府・兵庫県・京都府に対して緊急事態宣言が発出された。期間は4月25日(日)〜5月11日(火)。大型連休における人流を抑制する対策を打つとしている。
   また、首都圏では、神奈川県・埼玉県・千葉県にまん延防止等重点措置が実施されているところ。
 
   これを受けた首都圏の美術館・博物館の開館状況を確認する。
(4/274/25時点、私の行動範囲内の確認)
 
 
   東京都内の美術館・博物館は、ほぼ全面的に臨時休館の模様。
 
   昨年(2020年)の2月末から3月にかけては、多くの美術館は政府からの要請に応じて臨時休館するなか、一部の美術館が様子を見ながら開館を続ける状況もあったが、4月になって1回目の緊急事態宣言が発出されて、ほぼ全面的に休館となり、5月一杯まで続いた。
   今回(2021年)は、ある意味では突然の緊急事態宣言発出であり、突然の全面的な臨時休館となっている。
 
   臨時休館の開始日について。
   多くが緊急事態宣言期間にあわせた4/25(日)。
   4/26(月)〜29日(木)として、それまでは開館する美術館も見られる(その場合、駆け込み抑止対策のためか、前日営業終了後にサイト掲載する美術館もある感じ)。
 
   臨時休館の終了日について。
   緊急事態宣言期間にあわせ5/11(火)の美術館等が多い。
   当面の間、あるいは、宣言解除まで、とする美術館等もある。
   いずれにせよ5/11に解除されるとは思えず、5月一杯を覚悟せざるを得ないのだろう。
 
   一方、次の美術館は、現時点では開館を継続する模様。
・ワタリウム美術館(4/25から事前予約制を導入)
・日本民藝館
 
 
   今回の臨時休館により、この期間に開催予定の展覧会はどうなるのか。
 
   いきなり無念の閉幕となってしまったのが、府中市美「与謝蕪村」展。
   後期2週目までは開催したものの、まだ会期2週間を残して4/24をもって閉幕。お気に入りなので、もう1回行くつもりでいたのに残念。
 
   5月末までを会期とする展覧会については、再開の可能性は残している。
   とはいえ、緊急事態宣言の再延長により再開できない可能性大と考えざるを得ないだろう。
   東近美「あやしい絵展」、東京藝大美「渡辺省亭」展、東博「国宝鳥獣戯画のすべて」展、三菱一号館美「コンスタブル展」などである。
   私的には、大型連休中に東博「国宝鳥獣戯画のすべて」展を観るつもりで、アソビューでのオンライン予約を済ませていたが、チケットキャンセル手続き完了の連絡を早くも4/24にアソビューから受領した。
   「コンスタブル展」も、少し会期延長してもらえないだろうか。次回展覧会予定(6/30〜)や所蔵者テート(5/17から再開目途)の都合から無理かなあ。
 
   開幕して、わずか1日〜1週間開館しただけで臨時休館入りする展覧会も多い。
 
   6月中までを会期とする展覧会について、何とかそれより前には事態が落ち着き、再開できることを祈る。
 
 
   緊急事態宣言の対象ではない神奈川・埼玉・千葉の県立美術館・博物館は、今のところ臨時休館予定は発表されていない模様。
   だからといって、東京都民がこれら3県やそれ以外の県の美術館に行くのは、やっぱり自粛ですよね。
 
 
 
1   国立博物館、美術館など
 
東京国立博物館
臨時休館:4/25〜当面の間
「国宝鳥獣戯画のすべて」展
   4月13日〜5月30日
 
東京国立近代美術館
臨時休館:4/25〜5/11
「あやしい絵」展
   3月23日〜5月16日
 
国立新美術館
臨時休館:4/25〜5/11
「佐藤可士和」展
   2月3日〜5月10日
   →4/24をもって閉幕。
 
国立西洋美術館
・修繕工事のため長期休館中。
 
国立公文書館
臨時休館:4/25〜当面の間
「1964 高度成長と東京オリンピックの時代」展
   4月10日〜5月23日
 
 
2   都立美術館・博物館
   全て、4/25〜5/11まで臨時休館。
 
東京都美術館
臨時休館:4/25〜5/11
「イサム・ノグチ  発見の道」展
   4月24日〜8月29日
 
江戸東京博物館
臨時休館:4/25〜5/11
「富嶽三十六景への挑戦   北斎と広重」展
   4月24日〜6月20日
 
東京都現代美術館
臨時休館:4/25〜5/11
「ライゾマティクス_マルティプレックス」展
「マーク・マンダース —マーク・マンダースの不在」展
   3月20日〜6月20日
 
東京都庭園美術館
臨時休館:4/25〜5/11
「建物公開2021 艶つやめくアール・デコの色彩」
   4月24日〜6月13日
 
東京都写真美術館
臨時休館:4/25〜5/11
「澤田知子 狐の嫁いり」展ほか
   3月2日~5月9日
   →4/24をもって閉幕。
 
 
3   都内の公立美術館
 
府中市美術館
臨時休館:4/25〜5/11
「与謝蕪村」展
   3月13日〜5月9日
   →4/24をもって閉幕
「映えるNIPPON   江戸~昭和   名所を描く」展
   5月22日〜7月11日
 
板橋区立美術館
臨時休館:4/26〜5/11
「さまよえる絵筆ー東京・京都 戦時下の前衛画家たち」展 
   3月27日〜5月23日
 
渋谷区立松濤美術館
臨時休館:4/27〜5/11
「フランシス・ベーコン」展
   4月20日〜6月13日
 
すみだ北斎美術館
臨時休館:4/25〜5/11
「しりあがりサン北斎サン」展
   4月20日〜6月27日
 
目黒区美術館
臨時休館:4/25〜5/11
「マニュエル・ブルケール 20世紀パリの麗しき版画本の世界」展
   4月22日〜6月6日
 
世田谷美術館
臨時休館:4/25〜5/11
「アイノとアルヴァ 二人のアアルト」展
   3月20日〜6月20日
 
練馬区立美術館
臨時休館:4/25〜5/11
「8つの意表~絵を描く、絵に描く、画家たちのキセキ~」展  
   4月30日〜6月20日
   →開幕延期。
 
 
4   都内のその他美術館等
 
三菱一号館美術館
臨時休館:4/25〜当面の間
「コンスタブル展」
   2月20日〜5月30日
 
アーティゾン美術館
臨時休館:4/29〜5/9
展示替休館:5/10〜14
「STEPS AHEAD展」
   2月13日〜9月5日
 
東京ステーションギャラリー
臨時休館:4/27〜5/11
「コレクター福富太郎の眼」展
   4月24日〜6月27日
 
三井記念美術館
臨時休館:5/1〜5/11
(〜4/30は展示替え休館)
「茶箱と茶籠」展
   5月1日~6月27日
 
出光美術館  
臨時休館:4/27〜
「茶の湯の美」展
   4月13日〜5月30日
 
東京藝術大学大学美術館
臨時休館:4/25〜未定 
「渡辺省亭」展
   3月27日〜5月23日
 
パナソニック汐留美術館  
臨時休館:4/28〜当面の間
「クールベと海」展
   4月10日〜6月13日
 
サントリー美術館
臨時休館:4/25〜5/11
「ミネアポリス美術館   日本美術の名品」展
   4月14日〜6月27日
 
森美術館
臨時休館:4/25〜5/11
「アナザーエナジー展」
   4月22日〜9月26日
 
山種美術館
臨時休館:4/27〜5/11
「百花繚乱」展
   4月10日〜6月27日
 
根津美術館
臨時休館:4/25〜5/11
「国宝燕子花図屏風」展
   4月17日〜5月16日
 
太田記念美術館
臨時休館:4/25〜宣言解除まで
「江戸の敗者たち」展
   4月15日〜5月16日
「鏑木清方と鰭崎英朋」✳︎
   5月21日〜6月20日
✳︎2020年2月開催も、会期を3週間以上残して中止となった展覧会の再開催。
 
Bunkamuraザ・ミュージアム
臨時休館:4/25〜5/11
「古代エジプト展」
   4月16日〜6月27日
 
SOMPO美術館
臨時休館:4/25〜5/11
「モンドリアン展」
   3月23日〜6月6日
 
東京オペラシティアートギャラリー
臨時休館:4/25〜5/11
「ライアン・ガンダーが選ぶ収蔵品展」
   4月17日〜6月20日
 
ワタリウム美術館
→4/25より事前予約制(1時間10名以内に限定)を導入したうえで開館継続の模様。
「町へ出よう展   それは水の波紋から始まった」
   2月6日〜6月6日
 
大倉集古館
臨時休館:4/27〜5/11
「彩られた紙―料紙装飾の世界」展
   4月6日〜6月6日
 
印刷博物館  
臨時休館:4/28〜当面の間
「和書ルネサンス 江戸・明治初期の本にみる伝統と革新」展
   4月17日〜7月18日
 
日本民藝館
現時点では開館継続の模様
「日本民藝館改修記念 名品展1―朝鮮陶磁・木喰仏・沖縄染織などを一堂に」展
   4月4日~6月27日

五島美術館
臨時休館:4/25〜5/14
「館蔵   春の優品展   古筆を知る」
   4月3日〜5月9日
→4/24をもって閉幕
「館蔵   近代の日本画展」
   5月15日〜6月20日
 
静嘉堂文庫美術館
臨時休館:4/25〜宣言の解除まで
「旅立ちの美術」展
   4月10日~6月6日 

 



2 コメント

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東京ステーションギャラリー (むろさん)
2021-04-26 16:38:31
芸術新潮5月号の福富太郎コレクション特集を読んで、鏑木清方の「妖魚」と北野恒富の「道行」を見たくなり、東京国立近代美術館のあやしい絵展には行かなかったので、東京ステーションギャラリーに行こうと思ったところで、明日27日から臨時休館となってしまいました。緊急事態宣言が延長されたとしても、会期末の6/27までには再開すると思うし、展示替えはないとのことなので、それまでに心中天網島(現代語訳やマンガ版)とかラファエル前派の絵からの影響関係などを読んで、予習をしておこうと思っています。この2点の絵については、ネットで読める論文がありますので、ご興味があればお読みください。
https://www.kasei-gakuin.ac.jp/wp-tkg-u/wp-content/uploads/2019/03/45H8.pdf
https://ir.library.osaka-u.ac.jp/repo/ouka/all/48189/mra_034_023.pdf

東博の鳥獣戯画展は開催直後に行ってきました。第一目的は初めて明恵上人の彫像を見ること。従来運慶の長男湛慶の作ではないかとする研究者がいましたが、今回の図録ではもう少し後に同じ慶派の肥後定慶の系統の仏師が作ったのではないか、とする説が出ていました(明恵と湛慶は同い年。高山寺の善妙神・白光神、鹿、子犬なども湛慶作と推定されている)。右耳の切った部分や顔のシミもリアルに表現され、これは同じく出品作である宮内庁の春日権現験記絵巻の明恵関連の部分(春日の神が憑依した女性からインド行きをやめるようお告げがある場面)にも同様の耳・シミの表現があることが確認できました。鳥獣戯画甲巻の動く歩道は私の印象では、通常見る時間の倍ぐらいのスピードで移動してしまい、落ち着いて見ていられないと思ったので、空いている時間帯(12時頃)を見計らって、3~4回繰り返して乗り、やっと満足できたという感じです。
会期末になるまでに再開されるといいですね。
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Unknown ()
2021-04-27 07:10:47
むろさん様
コメントありがとうございます。

鳥獣戯画展について。お話を伺って、明恵上人の彫像を見たくなりました。鳥獣戯画甲巻の動く歩道は、むろさんさん的には倍くらいのスピードでしたか。速いですね。スピード以外は違和感なかったでしょうか。体験したかったですね。会期内の再開は厳しいだろうと思いますが、東博・京博が保管管理している鳥獣戯画4巻だけでも、館の再開後、今の展示状況を維持したうえで、臨時休館による展覧会休止日数分、総合文化展料金で公開してくれないかなあと思っています。

福富太郎コレクション展は、会期初日に行きました(当面の最後の展覧会鑑賞)。「あやしい絵展」出品の福富太郎コレクション5点全てが展示されていました。展示替えはありません。芸術新潮の特集も読みたいと思っています。論文の紹介ありがとうございます。6月早々までには再開していることを願っています。
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