遊びの流儀 遊楽図の系譜
2019年6月26日~8月18日
サントリー美術館
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/71/e8/53da326ca0b0044f40ced3cbabc7f6e5.jpg)
前期、中期(2)に引き続き、後期(7/31〜)を訪問。
平日、開館とともに入館。まずは後期から登場する5点を求めて一回り、そのまま3階の第3会場(最後の展示室)で鑑賞。他の観客が来ないなあと思いつつ留まり続ける。結局、10時50分頃まで第3会場はほぼ独占状態。11時頃に4階の第1会場に戻る。さすがに結構な人出。
本展の目玉作品の一つ、六曲一双の国宝屏風をほぼ独占状態で鑑賞する。
国宝《婦女遊楽図屏風(松浦屏風)》
江戸時代 17世紀
大和文華館
初見だった1週間ほど前の時よりも一段と魅力的に感じる。
等身大に近い大きさの婦女18人。さまざまな意匠の小袖の鮮やかさ。髪型も確かに変化に富んでいる。右翼第一二扇の髪の手入れ中のお二人の雰囲気が特に良い。
後期から登場した作品では。
《春秋禽狗遊楽図屏風》
江戸時代 17世紀
京都国立博物館
背の低い六曲一隻の屏風。
右方の縁台に鳥籠が並ぶ。鳥の品評会を催しているのかも、との説明。
左方には犬を連れて歩く人々。といえど、数的にはそれほど犬が描かれているわけでもない。「愛玩動物として鳥や犬を飼うという同じ趣味をもつ人々が集まり交流する行為は、今と変わらぬ楽しみごととして位置づけられていたと想像される」との説明。
その他、11時過ぎには人だかりができていて離れた位置からの鑑賞にとどめた静嘉堂文庫美術館所蔵の二曲一双の重文《四条河原遊楽図屏風》、当時の欧風デザインを模した2種の《天正かるた》、カルタ遊びに興じる男女5人の視線の交錯に惹かれる立命館大学アート・リサーチセンター所蔵の一幅の《かるた遊び図》、「制作当初の姿を伝える唯一の作例として貴重」だという京都市所蔵の六曲一隻の重文《舞踏図屏風》、様々な裂地を貼り合わせて衣装の「ミニチュアの見本帖のよう」な背の低い二曲一隻の《押絵輪舞図風炉先屏風》、などを改めて楽しむ。
江戸時代・17世紀の遊楽図の世界、1時代の1テーマの魅惑的な個展。
【本展の構成】
1章 「月次風俗図」の世界ー暮らしの中の遊び
2章 遊戯の源流ー五感で楽しむ雅な遊び
3章 琴棋書画の伝統ー君子のたしなみ
4章 「遊楽図」の系譜1ー「邸内遊楽図」の諸様相
5章 「遊楽図」の系譜2ー野外遊楽と祭礼行事
6章 双六をめぐる文化史ー西洋双六盤・盤双六・絵双六
7章 カルタ遊びの変遷ーうんすんカルタから花札まで
8章 「遊楽図」の系譜3ー舞踊・ファッションを中心に