東京でカラヴァッジョ 日記

美術館訪問や書籍など

ベルナール・ビュフェ回顧展(Bunkamura ザ・ミュージアム)

2020年11月26日 | 展覧会(西洋美術)
ベルナール・ビュフェ回顧展
私が生きた時代
2020年11月21日〜2021年1月24日
Bunkamura ザ・ミュージアム
 
   ベルナール・ビュフェ(1928〜99)の作品に対しては、先入観にとらわれている。食わず嫌いでいる。招待券を入手したので、果たしてどんなものなのだろうかと会期初日にいってみる。
 
   ベルナール・ビュフェ美術館のコレクション展、このご時世に海外からやってきたのかと思ったら、静岡県にある銀行経営者の個人コレクションからなる美術館である。
 
   1948年にデビューした画家。その頃の、えらく細くてえらく縦に長い人物を黒い線で描いた作品群。
   「刺すような黒く鋭い描線によるクールな描写」、「第二次世界大戦直後の不安と虚無感を原点とし、サルトルの実存主義やカミュの不条理の思想と呼応」、「人々が戦後の喪失感から立ち直ろうとしていたその時代に、まさに時代を切り取り描いたものとして人々の共感を呼び、瞬く間に時代のアイコンとなる」。
   そういう時代において、一世を風靡した画家だったのか。意外といいかも。
 
   作品は時系列に並ぶ。時代が進むに連れて、次第に・・・。せいぜい1960年くらいまで。1970年以降の作品は・・・。駆け足でひととおり見て、次に時代を遡って見ていって、初期作品に戻る。初期作品も、本質的には後期作品と同じかなあ、意外といいかもとの当初感想は留保する。
 
   頑な先入観が邪魔をしているのは確か。フランスの画家を、日本にある1個人のコレクションの、それも一部の作品だけで判断するのも尚早であろう。けれど。
 
   時代が過剰に反応し、過分に評価してしまった感。
   その分、逆風が激しかったかも。
 
   一種の歴史資料として初期作品を見るのは一興かも。


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