東京でカラヴァッジョ 日記

美術館訪問や書籍など

2016年のカラヴァッジョ展(国立西洋美術館)

2019年08月01日 | カラヴァッジョ
   北海道立近代美術館における「カラヴァッジョ展」開催まで、あと9日間。
 
   以下、前回2016年のカラヴァッジョ展に出品されたカラヴァッジョ作品を振り返る。
 
 
カラヴァッジョ展
2016年3月1日〜6月12日
国立西洋美術館
394,006人
 
全出品作品数:51点
うちカラヴァッジョ作品:11点
 
 
I:風俗画:占い、酒場、音楽
 
《女占い師》
1597年、115×150cm
ローマ、カピトリーノ絵画館
2001年:×
2019年:◎(札幌のみ)
 

II:風俗画:五感

《トカゲに噛まれる少年》
1596-97年頃、65.8×52.3cm
フィレンツェ、ロベルト・ロンギ美術史財団
2001年:×
2019年:
 
《ナルキッソス》
1599年頃、113.3×94cm
ローマ、バルベリーニ宮国立古典美術館
2001年:◎
2019年:
 
 
III:静物  
 
《果物籠を持つ少年》
1593-94年頃、70×67cm
ローマ、ボルゲーゼ美術館
2001年:◎
2019年:
 
《バッカス》
1597-98年頃、95×85cm
ウフィツィ美術館
2001年:×
2019年:来るとは思えない
 
 
IV:肖像 
 
《マッフェオ・バルベリーニの肖像》
1596年頃、122×95cm
個人蔵
2001年:×
2019年:
 
 
V:光  
 
《エマオの晩餐》
1606年、141×175cm
ミラノ、ブレラ美術館
2001年:◎(東京のみ)
2019年:来るとは思えない
 
 
VI:斬首 
 
《メドゥーサ》第1バージョン
1597-98年頃、直径44.68cm
個人蔵
2001年:×
2019年:◎(札幌・名古屋のみ)
 
 
VII:聖母と聖人の新たな図像 
 
《洗礼者聖ヨハネ》
1602年、94×131cm
ローマ、コルシーニ宮国立古典美術館
2001年:×
2019年:
 
《法悦のマグダラのマリア》世界初公開
1606年、107.5×98.0cm
個人蔵
2001年:×
2019年:◎(多分同じと思うが)
 
 
ミニ・セクション:エッケ・ホモ
 
《エッケ・ホモ》
1605年頃、128×103cm
ジェノヴァ、ストラーダ・ヌオーヴァ美術館ビアンコ宮
2001年:×
2019年:
 
 
 
【構成】
I:風俗画:占い、酒場、音楽
II:風俗画:五感  
III:静物  
IV:肖像 
V:光  
VI:斬首 
VII:聖母と聖人の新たな図像 
ミニ・セクション:エッケ・ホモ
 


7 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
カラヴァッジョ展 (むろさん)
2019-08-07 00:56:52
「瞑想するアッシジの聖フランチェスコ」他2枚が札幌展に間に合わないとの報道がありました。どうなるのでしょう?
https://www.kanaloco.jp/article/entry-186885.html

そのカラヴァッジョ展ですが、私は名古屋にだけ行く予定で、日程は奈良興福寺南円堂の開扉(運慶の父康慶作不空羂索観音他、10/17~11/10)に合わせるつもりです。例年は10/17の1日だけの開扉ですが、今年は中金堂落慶や四天王の国宝指定などの関係で長く開けるそうです。東博運慶展に出なかった北円堂の運慶作弥勒仏も同時に公開です。

なお、7/17のイタリア文化会館講演会は私も行きました。「The First Medusa」(Zoffili著2011年)という本の内容をまとめることになった関係で、メデューサの盾に関する論文(イタリア学会誌、後に「カラヴァッジョを読む」に収録)を書かれた木村太郎氏に、ミラノ個人蔵のメデューサの盾について講演会終了後にご意見を伺いました。木村氏はこの絵はウフィッツィ作品に先立つ真筆と考えているそうです。
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むろさん様 ()
2019-08-07 18:30:31
むろさん 様

コメントありがとうございます。

カラヴァッジョ展、出品予定数の約2割が開幕時点で欠けるとは。そんな背景があって、公式サイトでは《女占い師》《瞑想するアッシジの聖フランチェスコ》を紹介していなかったのですね。 《ホロフェルネスの首を斬るユディト》 は予定どおり大阪に来るのでしょうか。今後の動向が気になります。

私は、名古屋と大阪に行くつもりです。奈良興福寺南円堂の開扉については、知らなかったのですが、行ってみたいです。秋の計画を再検討します。

ミラノ個人蔵《メデューサ》について、貴重な情報ありがとうございます。2016年のカラヴァッジョ展でも「ウフィッツィ作品に先立つ真筆」説が紹介されていましたが、現在はその説で固まりつつあるということと理解しました。本作品の展示は札幌・名古屋ということなので、名古屋でしっかり再見したいと思います。

しかし、この先8点が来日できるのでしょうか。
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Re:カラヴァッジョ展 (むろさん)
2019-08-08 23:27:20
秋の京博は佐竹本三十六歌仙、奈良博は正倉院展であり、どちらも行く予定はないため、名古屋のカラヴァッジョ展と合わせて行くのは興福寺南円堂と大津歴博の「大津南部の仏像」(10/1~11/24)になりそうです。大阪限定のユディトは数年前にバルベリーニでしっかり見てきたので、今回はパスします。今回期待しているのは、真筆よりもコピー?作品であり、そのいくつかはこれが一生で一度のチャンスかもしれません。ボルゲーゼは予約制になる前に2回行きましたが、ラファエロやティツィアーノ、ベルニーニに目が向いていたので、カラヴァッジョの記憶は全くありません。次はカラヴァッジョ目的で行きたいと思っています。

個人蔵のメデューサの盾ですが、TASHENの大型図録(シュッツェ著、2010)では「ウフィッツィ作品と比べて真作でないことは一目瞭然」とあります。また、2016西美展の講演会で宮下氏に聞いたところ、「今回初公開のマグダラのマリアの法悦と同じで、話しが出来過ぎなので疑っている。あの署名がなければ良かったのに。」とのことでした。それ以降この作品に関する真贋判定は聞いていません。木村氏の見解はあくまで一研究者としてのご意見であり、私は真筆説で固まりつつあるとは思っていません。上記Zoffiliの著書はこの作品に関する総合的研究(2016西美展図録のX線写真もこの本から取ったもの)なので、名古屋展での再会までに、これをきちんと読んでから考えたいと思っています。
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むろさん様 ()
2019-08-15 22:00:02
むろさん 様

コメントありがとうございます。

2016年のカラヴァッジョ展の図録を改めて確認すると、個人蔵《メデューサ》に関する記述は、出品作品解説の1頁のみ。
で、アマゾンで衝動買いしました。
『The First Medusa: Caravaggio』。
昨日到着。英語・伊語併記ですね。直径45cm弱の小さな作品1点に対して、図版の数が多い。しかもカラー図版。少種を回している感がありますが、図版を眺めるのみの私にとってはありがたいこと。顔全体の拡大図版がないなあ、と思ったらp101にありました、なぜか左に寄っている。

私はウフィツィ美術館の《メデューサ》を見たことがないので、その分第1ヴァージョン(仮)をしっかり再見したいと思います。
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名古屋から津へ (むろさん)
2019-08-25 23:35:32
「The First Medusa」お買いになられたのですね、驚きました。
私は自分の興味のあるテーマは深く追求するタイプですが、そうでないものはあまり見ていません。こちらのブログで扱う美術展情報も関心があるものは2割ぐらいでしょうか。私のコメントで上げる本や論文はごく狭い分野であり、このブログのように広い範囲を扱っておられる方にとっては、私のような見方をしていたのでは時間がいくらあっても足りなくなるのではないかと思ってしまいます。でも私の書いたことが少しでもお役に立っているなら幸いです。今後もボッティチェリを初めとするフィレンツェ派初期ルネサンスとかローマバロック、クリベッリ、クリムト、クノップフ、運慶・快慶、肥後定慶など、私の興味のあるテーマで記事が出た場合は何かコメントや情報を書かせてもらうかもしれません。内容が細か過ぎると思われるかもしれませんが、よろしくお付き合いください。
なお、The First Medusaについては、今辞書を片手に悪戦苦闘しているところです。そちらでも内容のご理解が進むようならアドバイスをお願いします。

ウフィッツィのメデューサの盾をご覧になっていないとのことですが、この絵は類例のない特殊なものなので、カラヴァッジョに特別興味がなかった頃から何度も見て印象に残っています。ほとんどいつも展示されているはずなので、早くフィレンツェに再訪できることをお祈りしています。

さて、仏像に関する細かい情報を一つ。前に名古屋のカラヴァッジョ展に合わせて大津歴博の展覧会に行く予定と書きましたが、それよりも同時期に開催される三重県総合博物館(津市)の仏像展の方が内容が良さそうです。
http://www.bunka.pref.mie.lg.jp/MieMu/84764046737.htm
http://www.bunka.pref.mie.lg.jp/common/content/000825126.pdf
平安・鎌倉時代の国指定重文が10件以上出ます。私の注目は(未指定品ですが)松坂市安楽寺の快慶作阿弥陀如来が初公開されることです。これは2年前の奈良博快慶展に出なかった作品の一つであり、現在認定されている最も新しい快慶作品です。(5/26のNHKテレビでも紹介されていました。あの番組、専門家の間では評判悪いですけど)
https://twitter.com/danrenjaouyo/status/1133491766726758400
私は名古屋→津→奈良(興福寺南円堂・北円堂)→大津歴博 と回る予定です。
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むろさん様 ()
2019-08-26 22:38:32
コメントありがとうございます。

カラヴァッジョ本を集めるのが好きなのです。洋書では、主に展覧会図録ですが、図版を眺めるだけ。ここ数年は購入を控えていましたが、『The First Medusa』には、作品が来日中ということもあって興味を引かれ、値段も許容範囲だったので購入した次第です。

私がウフィツィ美術館を訪問したのは、カラヴァッジョに特に興味がない頃でした。《イサクの犠牲》が展示されていたことは記憶に残っていますが、《メデューサ》は全く記憶にありません。今ネットで展示風景の画像を見ると、何故この作品に気づかなかったのか不思議です。
そのとき、サンタ・マリア・デル・カルミネ教会では、修復が完了したばかりの《洗礼者ヨハネの断首》が特別公開されていました。ただ、私の関心は初めてのブランカッチ礼拝堂にあり。カラヴァッジョについては、大きい茶色の絵、テカテカして見づらい絵、という印象。ヨハネの血で画家の署名がなされていることは何かの書籍で読んだことがあり、そのとおりであることを確認した、という程度です。惜しいことをしました。ちなみに10年以上たってからそのときの図録をネット購入しています。

いろいろと情報ありがとうございます。
今秋は名古屋のカラヴァッジョ展。プラスで、奈良の興福寺か、もしくは京博「佐竹本三十六歌仙絵」展か、他に何があるのか確認していませんので何かあればそれも候補。日本美術については関心の対象を広げようとしている段階です。

今後ともよろしくお願いいたします。
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洗礼者ヨハネの斬首 (むろさん)
2019-08-27 23:21:14
デズモンド・スアード「カラヴァッジョ灼熱の生涯」、訳者の石鍋先生の後書きに「洗礼者ヨハネの斬首」が暴漢に切られてフィレンツェで修復され、展示後に軍艦でマルタまで帰ったという話しの顛末が載っています。私はこれを読んで「イタリア海軍の軍艦で帰った」ということが頭に強く残っていました。

そうですか、その時のカルミネでの展示をご覧になられたのですね。これは貴重な機会に遭遇しましたね。(あまり覚えていないというのは残念ですが)
この展示が1997年か8年、私がカルミネに行ったのは1994年で、その前に行った時はブランカッチ礼拝堂は修復中だったので、出来上がるのを待って1994年にフィレンツェに行きました。私もルネサンス美術を一通り経験してからバロック(カラヴァッジョ&ベルニーニや天井画のだまし絵)に興味を持ったので、仮にそのカルミネでの公開の時に立ち会っていたとしても、多分同じような印象で終わってしまったと思います。そして今ではヴァレッタ訪問がカラヴァッジョ巡りの最終目標の一つです。(ローマのカジノ・ルドビージとかアメリカでも行きにくいキンベルの「いかさま師」、クリーブランドの「聖アンデレ」など一生のうちに行けるか?と思っている場所は他にもいろいろありますが)

ロンドン、パリ、ニューヨーク、サンクト・ペテルブルグ、ダブリン、ルーアン、ナンシーなど世界に散らばっているカラヴァッジョ作品を見て回るのと、ローマ、ナポリ、シチリア、ヴァレッタという実際にカラヴァッジョが行った場所で作品が残っている所のどちらを優先すべきか。今思っているのはロンドン、パリ、ニューヨークとイタリア国内とを交互に行きつつ、他の地域への旅行も検討するということになるかと思います。カラヴァッジョ以外ではトスカーナ、ウンブリアで行ったことのない町(サン・ジミニャーノとかウルビーノなど)やトリノ、ベルガモ、ボローニャなどでのルネサンス美術巡りやアドリア海沿岸でのクリヴェッリ巡り(合わせてアムステルダム国立美術館の「マグダラのマリア」)といった、是非行ってみたい場所もたくさんあるので、優先順位を考えながら今後進めていきたいと思っています。

名古屋のカラヴァッジョ展のついでの旅行ですが、大阪市立美術館の「中国と日本の仏像」も考えています。まだ出品作の全貌が分からないのですが、内容によって大津歴博と両方を一日で見ることも検討しています。
https://www.osaka-art-museum.jp/sp_evt/butsuzo

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