東京でカラヴァッジョ 日記

美術館訪問や書籍など

2017年の展覧会、楽しみな出品作5選

2017年01月02日 | 展覧会情報

 日経おとなのOFFの2017年1月号「2017年絶対に見逃せない美術展」を眺める。


   楽しみな展覧会が多数掲載されている。


   その中から、特に楽しみな出品作5選。
   私の好みから、全て西洋美術である。

 

1:ブリューゲル《バベルの塔》
1568年頃
ボイマンス美術館


   1993年の池袋・セゾン美術館での展覧会以来、24年ぶりの来日となる本作。

   ブリューゲルの《バベルの塔》は本作とウィーン美術史美術館所蔵作の2点が現存しているが、本作のほうが、制作時期が後、サイズが小であり、そして描写がより緻密であるとされる。

   ブリューゲル作品の来日自体が極めて貴重な機会。心して観たい。

 

2:ボス《放浪者》
1500年頃
ボイマンス美術館

3:ボス《聖クリストフォロス》
1500年頃
ボイマンス美術館

  
   ボス作品の来日は、2014年の三菱一号館美術館での「プラド美術館展」に出品された《愚者の石の除去》が第一号だと認識している。非常に魅力的な作品だと思ったが、その後、Bosch Research and Conservation Projectにてボスの真筆ではないと判定されたことを知って、複雑な気持ちでいたところ。

   2点同時来日すると知った時の、嬉しかったこと。しっかり観るぞ!!


以上1〜3の3点は、

ボイマンス美術館所蔵
ブリューゲル「バベルの塔」展
2017年4月18日〜7月2日
東京都美術館

 


4:ティツィアーノ《ダナエ》
1544〜46年頃
カポディモンテ美術館


   ティツィアーノの作品といえば、昔から《聖愛と俗愛》と本作を思い浮かべていた。ローマ・ナポリのカラヴァッジョ紀行を敢行した2006年夏に現地で見たはずなのだが、記憶に全くない。2010年の国立西洋美術館「カポディモンテ美術館展」では来日しなかった。
   観る機会が日本にいながらにしてやってきた。それも後3週間ほどで実現する。


ティツィアーノとヴェネツィア派展
2017年1月21日〜4月2日
東京都美術館

 

5:ミュシャ《スラヴ叙事詩》全20点
1912-26年
プラハ市立美術館


   ミュシャには特段関心なく、日本で開催される回顧展もほぼスルーしていたが、本連作が来日するとなれば、話は別。

   405×480cmとか、610×810cmとか、サン・サルヴァドール聖堂《受胎告知》by ティツィアーノ もびっくりのサイズの作品が全20点。

   ミュシャによる「チェコとスラヴ民族の歴史」に、まずは向き合いたい。


ミュシャ展
2017年3月8日〜6月5日
国立新美術館

 


   上記記載以外の展覧会で、注目しているのが、


天正遣欧少年使節が巡ったイタリア
2017年9月23日〜12月3日
東京富士美術館
(その前に、神戸と青森を巡回)


   天正遣欧少年使節が訪ねたフィレンツェ、ローマ、ボローニャなどの各都市の当時の美術を、訪問順に紹介していくという試みらしい。訪問は1585-86年のこと、バロック前、マニエリスムのピーク過ぎだろうか。出品作は16世紀(の第2Q以降)縛りとなるのだろうか、楽しみである。

 


   なお、首都圏で開催されない展覧会については、既に記事を掲載。→2017年絶対に見逃せない、首都圏では開催されない展覧会



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