東京でカラヴァッジョ 日記

美術館訪問や書籍など

雪村展(前期)に苦戦。

2017年04月10日 | 展覧会(日本美術)

雪村-奇想の誕生
2017年3月28日〜5月21日
東京藝術大学大学美術館

 

   「ゆきむら」ではなく「せっそん」です。

 

 

   雪村展。前期。1回行って歯が立たず、再チャレンジしたけど歯が立たない。楽しめない。苦戦している状態。

 

   重文《風濤図(ふうとうず)》野村美術館蔵、好みなのになあ(←4/25からの出品)。

   代表作が日本各地のみならず海外からも集められた大回顧展、《風濤図》が好みなら、他の作品も楽しめると期待していたのに。

   《列子御風図》公益財団法人アルカンシエール美術財団蔵における風乗りサーファーぶりや、《山水図屏風》栃木県立博物館蔵における奇想の風景ぶりなど、目を凝らして見た作品もないわけではなく、会場冒頭の三幅対《欠伸布袋・紅梅梅図》茨城県立歴史館蔵の展示方法(尾形光琳《紅白梅図屏風》をプリントしたスクリーンを重ねて雪村作品を見る)にも感心したのだが。

   未熟者が変な感じに期待してしまって、よろしくなかったのか。

 

 

   雪村。1489-92年頃、現茨城県で生まれ、現茨城県・福島県・栃木県・神奈川県で活躍し、1573年以降86歳以降に没した画僧。神奈川より西に行ったことはないらしく、東国の画家である。

 

   重文《風濤図》を観たのは一度。
   2008年東博の「対決-巨匠たちの日本美術」展。
   雪村は、雪舟(1420-1506)を対決相手として、計6点の出品。


   《風濤図》は、「暴風に翻弄される帆船が敢然と目的に向かって進む姿」、風の表現、大きくうねる海面の表現、踏ん張っているかのような木の表現に強く惹かれ、長く眺めた。

   なんでも、1939年にドイツで開催された「伯林日本古美術展」に出品されて、同展を公式訪問したヒトラーに傑出の作だと激賞された、という逸話を持つ作品である。また、戦後にアメリカで展観され、トルーマンの賞賛を得た、という逸話も持つらしい。

 

 

   振り返ると、2008年の対決展でも、《風濤図》以外の出品作5点、これらも代表作なのだが、確かに全く印象に残っていない。

 

   15年ぶりの大回顧展をこのまま終わるのは寂しい感があるので、《風濤図》が出品される後期も訪問するつもり。多少とも巻き返せるといいのだが。



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