Piero della Francesca e le corti italiane
2007年3月31日~7月22日
Arezzo, Museo Statale d'Arte Medievale e Moderna
2007年にピエロ展がイタリア・アレッツォで開催された。
当然行けない私は、早々に展覧会図録を注文した。
ピエロ関連作品が相応数集められたが、ピエロ自身の作品は、
1:聖ヒエロニムスと寄進者
ヴェネツィア・アカデミア美
13:聖母子
個人蔵
12:シジスモンド・マラテスタの肖像
ルーブル美
9:ウルビーノ公フェデリーコ・ダ・モンテフェルトロ夫妻の肖像
フィレンツェ・ウフィツィ美
14:聖母子 ※帰属作品
ヴェネツィア・Fondazione Cini
10:セニガッリアの聖母
ウルビーノ・マルケ国立美
6点。
見事に1954年の展覧会の枠内。
1954年の展覧会に出品された16点の中の6点。(上記番号は、別記事「1954年のピエロ・デッラ・フランチェスカ」で振った番号)。
53年間、ピエロ作品は、一歩も広がらなかったということらしい。
美術史上燦然と輝く画家で、これほど帰属の問題が少ない画家は、希有だろう。
6点とはいえ、21世紀にこれだけ集めるのは大変だっただろう。
加えて、本展は、アレッツォ・サンセポルクロ・モンテルキの共同企画。
アレッツォの2教会の壁画は当然として、車で約1時間のサンセポルクロ市立美術館の4点、モンテルキの1点を訪問すれば、計13点、素晴らしいピエロ体験になることは間違いない。
<以下、展覧会に加えて、上記3都市を巡ることにより鑑賞できる作品>
アレッツォ
×:聖十字架物語
×:聖女マグダラのマリア
サンセポルクロ市立美術館
15:トゥールーズの聖ルイ
×:キリストの復活
3:ミセルコルディア祭壇画
×:聖ユリアヌス
モンテルキ
×:出産の聖母
(上記の番号は、別記事「1954年のピエロ・デッラ・フランチェスカ」で振った番号。×印は、1954年展覧会に非出品)
展覧会出品6点のうち、3点が1954年当時から異動があった。
13:聖母子
個人蔵
1954年展覧会では帰属作品、2007年展覧会では「帰属」がとれている。
所蔵も、1954年当時の「フィレンツェ・Coll. Contini Bonacossi」から動きがあったのではないかと思われる。
12:シジスモンド・マラテスタの肖像
ルーブル美
所蔵が、「フィレンツェ・Coll. Contini Bonacossi」からルーブル美に変わった。
以下の経緯は、石鍋真澄『ピエロ・デッラ・フランチェスカ』による。
・1930年にはフィレンツェのコンティーニ・ボナコッシ・コレクションに入る。
・1957年にコンティーニ・ボナコッシ・コレクションがイタリア政府に寄贈されたとき、この肖像画は受入作品に選ばれず。全員一致を原則とする選定委員会で、9人の委員中3人が賛成しなかったため。
・1977年にルーブル美術館が購入。
・その後、洗浄と綿密な調査が行われ、ピエロの真筆と広く認められるようになる。
4:聖母子 ※帰属
ヴェネツィア・Fondazione Cini
所蔵が、「ローマ・Coll. Villamarina」から「ヴェネツィア・Fondazione Cini」に変わった。
これに伴い(?)、本展での絵の題名が、≪Villamarinaの聖母≫となっている。
<2007年ピエロ展のHPより>