鎌倉震災史~歴史地震と大正関東地震~
2015年10月24日~12月6日
鎌倉国宝館
「一遍と歩こう」スタンプラリー途中の「TAKE A BREAK」ではないが、鎌倉国宝館を訪問する。
目当ては、鎌倉を襲った大地震を描く2点の絵巻。
一つが、正嘉元年(1257年)8月の鎌倉付近を震源域とする地震(M7.0~7.5)。
《日蓮聖人註画讃》窪田統泰筆(巻第一)室町時代、1536年、本圀寺蔵
全5巻からなる日蓮の伝記絵巻。第1巻の1場面に、鎌倉大地震が登場する。
大災害が頻発した時代だったらしい。上記画像は鎌倉大地震による揺れ/建物崩壊、その前には暴風大洪水、後には大干魃・飢饉・疫病の様子が描かれる。その次場面は打って変わり静の場面、静かに立つ僧たち(当時鎌倉布教中の日蓮たち?)。
もう1点《日蓮聖人註画讃》安國論寺蔵が出品されているが、こちらには詞には鎌倉大地震が登場するが、絵には登場しないとのこと。
ちなみに、同時代人である一遍は、鎌倉大地震当時は10代後半で、福岡・太宰府で念仏を深めている最中(一遍聖絵第1巻)。
鎌倉においては、1195年以降、地震に関する記録が諸資料に散見され、室町時代にはその記録は一時数を減じるが、その後、江戸時代にかけては大規模な地震がたびたび発生する。そして、大正。
もう一つの作品は、1923年9月の神奈川県相模湾北西沖を震源とする関東大震災(M7.9)。
《鎌倉大震災図巻》6巻、藤原草丘筆、昭和2年、鎌倉国宝館蔵
その他、関東大震災で破損し、修復された文化財など全85点が展示される。