生誕200年ミレー展 -愛しきものたちへのまなざし-
2014年7月19日~8月31日
山梨県立美術館
山梨県立博物館での鑑賞終了後、徒歩(約30分)で石和温泉駅、JRで甲府駅、そこからバス(約15分)で、「生誕200年ミレー展」開催中の山梨県立美術館へ。
「生誕200年ミレー展」は、山梨の後、府中市美術館に巡回する(9/10~10/23)。
通常なら、東京に巡回する展覧会を事前に追っかけないが、山梨に行くのだし、「生誕200年ミレー展」に参加しない山梨県立美術館所蔵のミレー作品も見れるし、と、プチ山梨美術旅行を敢行。
ただ、帰りの都合上、山梨県立美術館に滞在できる時間は1時間しか残っていない。
その1時間で、「生誕200年ミレー展」と常設展「ミレー館」を見る。
「生誕200年ミレー展」鑑賞時間は約45分。
【構成】
第1章 プロローグ 形成期
第2章 自画像・肖像画
第3章 家族・生活
第4章 大地・自然
【印象に残った作品】
2点だけ挙げる。
1)ポーリーヌ・V・オノの肖像画3点
ポーリーヌ・V・オノは、ミレーの最初の妻。1841年に結婚するが、彼女は体が弱く、1844年に結核により病死する。
彼女の肖像画は4点あるらしいが、そのうち3点も並ぶ。
1:ポーリーヌ・V・オノの肖像
山梨県立美術館蔵。1841-42頃作。新婚当初。
2:青い服を着たポーリーヌ・オノ
トマ・アンリ美術館蔵。1841-42作。これも新婚当初。衣装は1と同じか。首を傾け、身体の向きも異なる。
3:部屋着姿のポーリーヌ・オノ
トマ・アンリ美術館蔵。1843-44作。死の直前。確かに顔は青白く眼の周りも窪んでいる。
本作は「シェルブールのモナリザ」と言われているらしい。なお、シェルブールは、トマ・アンリ美術館の所在地で、ミレーの故郷の近く、ミレーが絵の修業を始めた街である。
2)農民の家族
ウェールズ国立美術館蔵。1871-72年作。
若い農民夫婦とその息子が、記念写真撮影であるかのように正面を向いて立つ。
背景は、おそらく自分の家、戸口には犬や鶏。堂々と生活している。
【出品元】
トマ・アンリ美術館(シェルブール=オクトヴィル)→25点!
ミネソタ大学ツィード美術館(ダルース)→5点
アンドレ・マルロー美術館(ル・アーブル)
リール美術館
ネルソン・アトキンズ美術館(カンザスシティ)
セントルイス美術館
ブル王立修道院付属美術館(ブール=ガン=ブレス)
ウェールズ国立美術館(カーディフ)→3点
ランス美術館→2点
山梨県立美術館ほか国内所蔵をあわせ、全80点。
常設展「ミレー館」には、10分の滞在。
ミレー展に参加しない5点のミレー作品を見る。正確には、≪種まく人≫だけを見る。
その他、バルビゾン派やヨーロッパの風景画が並ぶ。最後にジュール・ブルトン≪朝≫。オルセー美術館展に出品中の≪落穂拾いの女たちの招集≫の作者だが、それ以外の作品を見たのは初めてかも。
予定時間に鑑賞終了、バスで甲府駅に戻る。
ミレーといえば、
子供の頃、≪晩鐘≫や≪落ち穂拾い≫を提示され、それもダ・ヴィンチの≪モナリザ≫などと同格扱いでこういうのが名画だといわんばかりに提示され、ミレーの売れない時代の話も何かで聞き、西洋美術の誇る画家中の画家とされていたという印象がある。社会がそんな感じだった印象。
大人になって美術鑑賞に関心を持ち、いろんな西洋美術を知り、素晴らしいと感じる作品も多数出会うなか、ミレーについては、いろんな展覧会で代表作を含めその作品を見る機会(今、オルセー美術館展で≪晩鐘≫が展示されているように)があったし、ミレー展と題する展覧会も何回か鑑賞しているけれども、すっかり霞んでいる。あれだけ奉られていた印象(?)の反作用だろうか。
今年はミレー生誕200年、本展が山梨、府中、宮城(11/1~12/24)を巡回するほか、もう一つ、「ボストン美術館 ミレー展-数々の傑作と画家の真実」が三菱一号館美術館で開催される(10/17~1/12)。
これを機に、少し親しもうと思う。
<補>山梨県立美術館Facebookより。
「ミレーの家」 本杉 琉展
本日(7/15)から、本館1階ギャラリー・エコーで「ミレーの家」本杉 琉展が始まりました。
ミレーのフランス、グリュシーの生家の写真を見ながら本杉 琉さんとボランティアスタッフで制作。
内装は、この時代の一般的なアトリエの様子を想像して作りました。
なんと!素材は、段ボール!!
とても楽しい雰囲気で出来ていますので、
どうぞ皆さんミレー展とともにお越しください♪
◆◇「ミレーの家」 本杉琉展◇◆
会場 : ギャラリー・エコー(美術館エントランス)
会期 : 2014年7月15日(火)~8月31日(日)
休館日 : 7月22、28、 8月4、25日
開館時間 : 9:00~17:00 観覧無料
撮影可なので、外観と内部の写真を。
館の外観を写しつつ、バス停へ。