福岡市博物館所蔵 幽霊・妖怪画大全集
2014年7月19日~9月8日
山梨県立博物館
盛夏、妖怪・幽霊画巡りを敢行。
本展は、福岡市博物館が所蔵する幽霊・妖怪画の展覧会。
日本画家であり風俗研究家でもあった吉川観方(1894-1979)のコレクションがその中心。
2012年に福岡で開催され、2013年に大阪と横浜、今年は名古屋、そして現在山梨を巡回。
私も昨年の横浜そごうで見ている。
佐脇嵩之≪百怪図巻≫をもう一度見たい、と山梨に遠征する。
子供連れが多くなかなかの盛況。
子供に配慮しているのか、作品もキャプションも、横浜に比べると総じて低い位置にある。
なお、入場料は500円と、他会場に比べ割安。
<展覧会の構成>
全160点は、横浜と全く同じ。64点が前期または後期のみの展示。
プラスで、最後に「やまなしの幽霊・妖怪」コーナー。12点。
プロローグ:笑う骸骨
第1章 幽霊画の世界
1-1 肉筆幽霊画
1-2 歌舞伎の幽霊画
第2章 妖怪画の世界
2-1 百鬼夜行と妖怪図鑑
2-2 鬼
2-3 天狗
2-4 人間
2-5 妖怪動物園
2-6 実録怪物退治
山梨限定 やまなしの幽霊・妖怪
<印象に残った作品>
横浜鑑賞時とほとんど変わらない。
プロローグ
◇2点の≪九相図≫(No3,4)
長沢芦雪筆と、作者不詳・明治時代の作品に見入る。
幽霊画の世界
◇落合芳幾≪幽霊図≫(No27)
後に残る度からは、幽霊が窓の外から覗く「トイレの花子」。我が家のトイレに窓はないけど。
◇河鍋暁斎≪幽霊図≫(No24)
生首の髪の毛をくわえている幽霊。
首を振り回したあとなのだろう、周りに飛行機雲ならぬ、生首雲が残る。
この迫力。
妖怪画の世界
◇佐脇嵩之≪百怪図巻≫(No86)
実に楽しい妖怪図鑑。1737年作。
全30の妖怪たち。
横浜で私が見たのは次の9妖怪。
1 ぬれ女
2 くわっぱ
3 がごぜ
4 ぬらりひょん
5 火車
6 うぶめ
7 ぬっぺっぼう
8 わいら
9 おとろし
今回の山梨では、巻の一番最後に描かれる次の7妖怪。
1 目ひとつぼう(←今回のマイベスト)
2 ゆうれい
3 ふらり火
4 ゆき女
5 野狐
6 猫また
7 かみきり
まだ半分だな。
参照:Wikipedia(百怪図巻)
◇作者不詳≪怪奇談絵詞≫(No87)
土地(九州)のローカルな妖怪、時事ネタ(怪奇譚)から生まれた妖怪など、全32の妖怪が描かれているらしい。
江戸末期-明治時代作。
総じて馴染みの薄い妖怪たち。風刺としての妖怪や、外国人を奇抜な姿の妖怪として描いているものも多い。
横浜では13の妖怪を見ている。
山梨では「くちばし犬と白いばけもの」から始まって「ヲロシヤの人魂」「虎にゃあにゃあ」「ちょうせん一賈婦人」など10強の妖怪を見る。
参照:福岡のばけもの(福岡市博物館)
参照:Wikipedia(怪奇談絵詞)
やまなしコーナーは、神像となった破損した狛犬がメイン。
YKI48総選挙も実施中。
山梨県立博物館は、初訪問。
JR中央線・石和温泉駅からバスで10分弱の位置にある。
ただ、駅前ロータリーから出るバスは、極端に本数が少ない。
停留所「石和温泉駅入口」まで行けば本数が多少増えるが、駅からちょっと離れている。
よって、甲府駅からバスに乗るか(約25分)、石和温泉駅からなら、タクシーが便利。
私の場合、行きは運よく駅前ロータリーから出るバスの時間にぴったり合う。
帰りは、甲府駅に移動したいが、バスは出たばかり。12時台にバスはなく、次は1時間以上先。ならば、石和温泉駅まで徒歩(30分強)、JRで甲府に移動する。結果として、バスを待つより早く到着する。