開館120周年記念特別展覧会 海北友松(かいほうゆうしょう)
2017年4月11日~5月21日
京都国立博物館
2017年春の関西プチ美術旅行。
東京駅から早朝の新幹線で京都駅へ、市バス(H26.12からPASMO・Suicaが利用可能となっていたようだ)で京都国立博物館に開館時刻前に到着。
南門前には既に開館待ちの行列。その人数を数えながら列の最後尾に向かう。約100人!と、8:50に最後尾につく。
9:15、開門。会場の平成知新館内で、また列を作って9:30の開場まで待つ。
本展の鑑賞ルートは、3階→2階→1階となるが、開館直後で混雑するだろう3階は後回しとする作戦。
9:30、階段で2階へ、展示室を急ぎ足で遡り、第4章《雲龍図》から鑑賞を開始し、1階の最終章まで順に見る。この間、展示室あたりの観客は数人で、各展示室とも全体を見渡すことができる。
そして2階に戻り第3章を見る。2階の代表作らしい作品や気になる作品を再度見る。
最後に3階に上って第1〜2章を見て、以降は章の順番に従い再度最終章まで見る。
海北友松(かいほうゆうしょう)の名前は、2014年春の東博「栄西と建仁寺」展にて初めて知る。
重文《雲龍図》京都・建仁寺蔵の全8幅展示が印象に残る。
他にも9点ほど展示されたようだが、きちんと見ていない。俵屋宗達の国宝《風神雷神図屏風》を熱心に観た記憶がある。
今回が、《雲龍図》を除けば実質初めての海北友松鑑賞である。
特に惹かれたのは障壁画。
第3章「飛躍の第一歩―建仁寺の塔頭に描く―」最後に展示の友松65歳の作《松竹梅図襖(松に叭々鳥図)》は良い。
第4章「友松の晴れ舞台―建仁寺大方丈障壁画」の最初の展示室、友松67歳の作《雲龍図》4幅×2と、孔雀の《花鳥図》、三方を囲まれるのも良い。
あと、第6章「八条宮智仁親王との出会い―大和絵金碧屏風を描く―」の金碧画《網干図屏風》。
第8章「画龍の名手・友松―海を渡った名声―」の「龍づくしの部屋」〜闇の展示室、龍の絵に光のスポット、の趣向も面白い。
本展トップバッターを担う最初期の作とされる《菊慈童図屏風》、菊慈童のなんとも困った表情も印象的。
周の穆王に寵愛された菊慈童は,人々のそねみから罪に問われ,都を追われて山に入ります。渓流のほとりに咲く菊の葉に経文を書きつけたところ,その葉におちた露がしたたって霊薬水となりました。それを飲んだ彼はいつまでも美少年の姿で長命を保ったということです。
http://www.city.kurashiki.okayama.jp/5428.htm
海北友松(1533~1615)は狩野永徳や長谷川等伯と並び称される桃山画壇の巨匠らしいが、この時代の日本美術に馴染んでいないので、記載はこの程度で。
会期最終日の前日になったが、評判の展覧会になんとか滑り込み訪問できて良かった。
東京開催だったら、友松に少しでも馴染むべく何度か通っていたと思う。
退館時。入場待ち時間はゼロ。
いつも楽しく拝読しております。
当日の鑑賞順序ですが、良く練られた内容で感心しました。
記事中にも言及されていらっしゃる通り、海北友松は、狩野永徳・長谷川等伯・狩野山楽とならぶ「桃山の四傑」というべき絵師の一人です(狩野山楽ではなく雲谷等顔とする見解もあるようです)。
桃山時代という日本史上でも最も絢爛豪華な芸術が花ひらいた時代を代表する絵師の一人である海北友松に光を充てる展覧会で、私としては待望の展覧会でした。
京都国立博物館では、2007年の狩野永徳展、2010年の長谷川等伯展(東博と共催)、2013年の狩野山楽・山雪展、2015年の桃山時代の狩野派展、と続いてきた桃山絵画シリーズの完結編となりました。10年ほど前から本格的に美術展鑑賞を始めたため、偶然にも一通り見ることができて幸せでした。
最近で海北友松の代表作が最初に紹介された展覧会としては「花卉図屏風」が出品された2009年の妙心寺展(東博・京博)だったと思います。
この展覧会も、如拙「瓢鮎図」、長谷川等伯「枯木猿猴図」、狩野山楽「龍虎図屏風」、狩野探幽「春日局像」、白隠「達磨図」などが出品される豪華な内容でした。
何を書いているのか良く分からない内容となってしまいましたが、次にこの時代に焦点を当てる展覧会としてどんなものがあるのか、期待したいと思います(数十年先までないという可能性もありますが)。
コメントありがとうございます。
今回の訪問先は、快慶展が確定、あと一先をどこにするか、複数候補のなかで最後まで悩みましたが、友松展は良かったです。
左京区さんが挙げられた5展のうち、等伯展と山楽・山雪展に訪問しています。京博の桃山絵画シリーズに限ると、友松展を加えて3/5展の訪問率、結構な比率、でもその場での個々の作品の面白さは別として、各画家そしてこの時代の日本美術は全く見えていません、受け身姿勢なので。次にこの時代に焦点をあてた展覧会、早い時期の開催を希望いたしますが、その時には今より歩みがある状態にいたいなあ、と思います。