東京でカラヴァッジョ 日記

美術館訪問や書籍など

ブリューゲル「バベルの塔」展(東京都美術館)

2017年04月18日 | ボイマンス美術館展

ボイマンス美術館所蔵
ブリューゲル「バベルの塔」展
16世紀ネーデルラントの至宝-ボスを超えて-
2017年4月18日~7月2日
東京都美術館

 

   開館15分前、9時15分頃、東京都美術館に到着。既に50人ほどの列。


   ブリューゲル「バベルの塔」展の初日である。

 

   B1F、板絵の点数の多さに感心しつつ通過。
(後で数えると、木造彫刻7点に、油彩板絵32点! その殆どが1460年頃から1530年頃の制作!)

   1F、ボス2作品に足が止まり、2分ほど眺めるが、なんとか振り切り。通過。
(他に、ボス関連の油絵板絵4点・版画17点! ブリューゲルの版画22点!)

   2F、「バベルの塔」のためだけのフロアに到着。

 

   既に10人近くが熱心に鑑賞中。
   私も加わる。


   24年ぶりである。

 

ピーテル・ブリューゲル1世
《バベルの塔》
1568年頃

 


   絵の中のバベルの塔が大きい。巨大過ぎる。

   人物は、確かに人には見えるが、やっぱり単なる点。

 

   単眼鏡を忘れた私は、ミクロ鑑賞を諦め、塔の大きさや、窓の形の違い、煉瓦の色彩の違い、広大な後景などのマクロ鑑賞に専念する。


   大きいなあ、バベルの塔。


   描かれた人物の身長が170cmとして試算すると、高さは510mになるという。


   大きいなあ。現代でも、高さ510m以上の超高層ビル(建築中を含む)は、世界でせいぜい10。勿論、日本にはない。

   まだまだ高くなる予定のバベルの塔は、今8〜9層目あたりを建設中のようだが、とすると、1層あたりの高さは60mほど。60mといえばマンションなら20階建ての高さ。大きいなあ。


   高さもそうだが、バベルの塔は、横幅も大きい。細長の塔ではない。縦横とも巨大。
   そんな巨大な塔を建てるには、どれほどの面積の土地が必要となるのだろう。
   そうして建てた巨大な塔の内部は、一体どのように使われているのだろう。

 


   一方、実物のミクロ鑑賞を諦めた私に、ありがたいことに、ミクロ鑑賞補完ツールがいろいろと用意されている。


・拡大部分図パネル。

・超拡大+超ビッグサイズの部分拡大図つき間仕切り壁。

・作品紹介ビデオ上映(約7分30秒)。


   そして一番重宝したのが、

・原画を約300%拡大した拡大複製画。


東京藝術大学COI拠点
《バベルの塔》拡大複製画
162×201cm


   実物は、59.9×74.6cmだから、縦横が約2.7倍のサイズ。実物だとどうしても暗くなる詳細も画質調整により見えやすくしてくれたようだ。


   これはよい。皆様もそうらしく、実物より鑑賞者が多いこともしばしば。


   農作業、多数の煉瓦の窯、船舶運送業、などを拡大複製画にて確認させてもらう。

   特に、単なる小さな黒い固まりにしか見えなかった船。そこに人が乗って働いていることを確認する。なんとも凄い緻密さ。複製画で感じる。

 

   次回訪問時は、単眼鏡を用意して、実物のミクロ鑑賞に励みたい。

 

 

   《バベルの塔》の次は、ボス2作品を観る。日本で2点ものボス。嬉しい。

   そして、他画家の油絵板絵やボス関連の油絵板絵・版画。これも見応えのある作品が多い。(なお、ブリューゲルの版画は鑑賞せずに終わっている。)

   その辺りの感想は、後日記載したい。

 


   《バベルの塔》前は、思ったほどの混雑ではない。会期2日目がシルバーデーであることも要因の一つかも。

    会期が進展するとどうなるのだろう。また、最前列の立ち止まってはいけない組と、後方のじっくり鑑賞組に分離されるのか?

 

 

   この撮影コーナーセットは、大阪会場でも利用予定のようだ。
   会場出口のワンフロア下のエレベーター脇にある。

   スカイツリーにしたら、バベルの塔を上回ってしまうからなあ。その場合、横幅で勝負だ!



コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。