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ミケランジェロの大型の大理石彫刻作品を見る。 - レオナルド×ミケランジェロ展(三菱一号館美術館)

2017年07月12日 | 展覧会(西洋美術)

レオナルド×ミケランジェロ展
2017月6月17日〜9月24日
三菱一号館美術館

 

   7/11開催の「レオナルド×ミケランジェロ展」“ブロガー・特別内覧会”に参加させていただく。

 

   で、ロンドン・ナショナル・ギャラリーでの企画展「Michelangelo & Sebastiano」終了(6/25)後に日本に移送され、内覧会その日から展示が開始された、ミケランジェロの大型の大理石彫刻作品を見る。

 

 大きさは2500mm(キリスト像だけで2010mm)と、「我が国で、これほどまでに大型のミケランジェロの手による大理石彫刻を展示するのは初めて」という作品。

 

「余分なものを取り除くことによって荒々しく硬い石から生命ある像が得られ、石が減るに従って像が大きくなるように…」by ミケランジェロ

 

ミケランジェロ(未完作品、17世紀の彫刻家の手で完成)
《十字架を持つキリスト(ジュスティニアーニのキリスト)》
1514-1516年
バッサーノ・ロマーノ、サン・ヴィンチェンツォ修道院付属聖堂

 

 

 

   以下、キャプションを参照して記載。


   2000年に新たにミケランジェロ作として認められた作品。
   1514年、ミケランジェロは《キリスト》の大理石彫刻の制作に着手するが、彫像の顔の部分の大理石から黒い疵が現れたために、一度は制作を放棄する。その後、注文主からの督促を受けて、新たな大理石を用いて再制作する。再制作された作品が、ローマのサンタ・マリア・ソプラ・ミネルヴァ聖堂にある《キリスト》。第二バージョン。
   そして、制作を放棄した第一バージョンが、本展出品作とされる。ローマの像との類似性および顔面を縦に走る黒い疵がその証だという。

 

 

 

   以下、内覧会における展覧会説明より(誤認識があればご容赦ください)。

 

   ミケランジェロが未完で残した彫像は、17世紀の彫刻家の手で完成された。その彫刻家が誰か不明だが、ベルニーニ説もあるとのこと。


   じゃあ、本作品のうち何処がミケランジェロの手によるのか?


   2000年に本作品をミケランジェロ作と認めた学者によると、足、左手、体の前面?がミケランジェロの手による。右手、背中、そして黒い疵が目立たないよう整えた顔などは17世紀の彫刻家の手による。


   特筆すべきは、キリストが完全に裸体であること。これはミケランジェロだからこそできたこと。
   なお、第二バージョンも裸体であったが、後年、布が付け加えられた。

 

   本作品を1階に展示したのは、極力移動距離を小さくするため。
   1階のこの部屋は、通常の展覧会ではミュージアム・ショップとして使用しているが、展示室仕様となっている。
   自然光のなかで作品を観ていただけるよう、窓を塞いでいない。今度、日中帯に観てください。


   本作品に限り、通常観覧時においても、写真撮影が可能。360度写真撮影が可能。

 


   なお、参考掲示の第二バージョンの写真パネルについては、撮影不可とのお話だったのでご留意を。

 

   本展図録の宣伝あり。なんでも、エッセー1本以外は全て日本側で執筆した、勿論内容も最新の研究レベルを踏まえたものとのこと。
   確かにこの手の海外から来る西洋美術の企画展ではあまり無いことなのだろう。購入を検討したい。

 

   ブロガー・特別内覧会の関係者の皆様にはこのような機会を設けていただいて感謝いたします。



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