テート美術館の至宝
ラファエル前派展-英国ヴィクトリア朝絵画の夢
2014年1月25日~4月6日
森アーツセンターギャラリー
テート美術館から堂々の72点。
画集で定番の作品も多数含まれる、豪華なラファエル前派展。
ミレイは2008年にBunkamura、バーン・ジョーンズは2012年に三菱一号館美で、回顧展があった。
ただ、ロセッティ、あるいはラファエル前派全体となると、どうか。
大昔には相応に惹かれた時期もあった気がするが、ここずっと、たまに作品を目にする機会があっても、どこに惹かれていたのだっけ、と訝しく思う状態が続いていた。
今回の展覧会で一新。その魅力を存分に味わえる。
以下、お気に入り作品を10点あげる。
第1章 歴史
1:ミレイ≪オフィーリア≫
3回目の鑑賞。東京都美とBunkamuraと今回。前回の第一印象は「小さい」。今回の第一印象は「小さい、前回よりさらに小さくなったのではないか」。
2:ミレイ≪釈放令、1746年≫
黒い背景。画面いっぱいに大きく描かれる登場人物。子を抱く妻、夫、看守。夫にすがりつく犬。カラヴァッジョを思い起こす。
第2章 宗教
3:ミレイ≪画家の家のキリスト(大工の仕事場)≫
Bunkamuraで一番印象に残っているのがこの絵。再見できるとは嬉しいサプライズ。
4:ブラウン≪ペテロの足を洗うキリスト≫
ラファエル前派の画家たちの物語絵は、私にとって馴染みのない物語が多く、とっつきにくい。宗教画の方が素直に向き合える、のは変な感じ。
5:ロセッティ≪見よ、我は主のはしためなり(受胎告知)≫
画集で見て以来、実見を望んでいた。雰囲気が素晴らしい。「ラファエロ以前の素直で誠実な初期ルネサンス絵画」の雰囲気?今回のマイ・ベスト。
第3章 風景
第4章 近代生活
6:ハント≪良心の目覚め≫
この人の画風なのだろう、コテコテ。この絵の雰囲気にはなぜか惹かれる。
第5章 詩的な絵画
第6章 美
7:ロセッティ≪最愛の人(花嫁)≫
8:ロセッティ≪ベアタ・ベアトリクス≫
9:ロセッティ≪プロセルピナ≫
ロセッティ風美女が並ぶ様は、壮観。その魅力にしばし酔う。
第7章 象徴主義
10:バーン・ジョーンズ≪「愛」に導かれる巡礼≫
最後に登場するバーン・ジョーンズ3点から大型作品を。展示スペースが狭く、全体が見づらいけど。
無休かつ夜8時までの開館(1・2月の火曜日を除く)はありがたい。