生誕150年記念
モンドリアン展 純粋な絵画をもとめて
2021年3月23日〜6月6日
SOMPO美術館
2020年7月に新美術館がオープンしてから初めての訪問。
高層42階(都心展望付き)のワンフロア展示室から、6階建て美術館専用棟の5〜3階の3フロア展示室へ。白い。一見会議室風。入口から室全体が見通せる広さ。天井高4m、可変性は高そう。ゴッホ《ひまわり》は貴賓室扱いではなくなった(特注ガラスで守られてこそいるが)。5階展示室から4・3階展示室、2階(ショップ/カフェ)、1階出口への通常ルートは階段(エレベーターも可)。エレベーターホール前の椅子や廊下あたりの造作は、前の美術館を彷彿させる。
さて、日本では23年ぶりというモンドリアン展、新型コロナ禍にもかかわらずオランダから作品がやってきてくれた。
モンドリアンが、如何にして、晩年の水平垂直線と原色平面からなる「コンポジション」という「ザ・モンドリアン」作風を確立していくのか、作品を通じて語られる。
モンドリアン作品が、デン・ハーグ美術館から50点+国内美術館から4点。
周辺画家作品が、アムステルダム市立美術館から2点、ファン・アッべ美術館から2点、国内美術館から2点。
加えて、ヘリット・トーマス・リートフェルトの椅子作品が豊田市美術館から5点。
モンドリアンの画業をザクッと初期・中期・後期に分けると、初期(ハーグ派様式、表現主義)が39点、中期(キュビスム、抽象期初期)が11点、後期(ザ・モンドリアン)が4点の出品。
画家50歳目前の1921年の「ザ・モンドリアン」誕生!!に至るまでの初期・中期作品のボリュームを通じて、苦闘の画業が伺える。
「ザ・モンドリアン」作品の展示は、1921年制作が2点、1929年制作が1点(国内美術館蔵)、1937年制作が1点。
1921年以降も立ち止まることなく「ザ・モンドリアン」を制作し、戦火を避けて1938年にロンドンへ移り、さらに1940年にニューヨークに移り、NYで新たな刺激をうけてさらなる進化を目指し、1944年に71歳で亡くなる。その辺りは本展の対象ではない。
私的に興味深く見たのが、ヘリット・トーマス・リートフェルトの椅子作品。リートフェルトは、モンドリアンとともに芸術活動「デ・スタイル」に参加した建築家・デザイナーで、ゴッホ美術館本館の設計者であるらしい。本展では、リートフェルトが手がけた、世界遺産である「シュレーダー邸」がおまけのような雰囲気の3階展示室で紹介されている。
リートフェルトの椅子(複製)に座って撮影できます。
ただし木の椅子は80kg、赤色の背の小さな椅子は40kgの荷重制限あり。