The UKIYO-E 2020
日本三大浮世絵コレクション
2020年7月23日〜9月22日
東京都美術館
日本三大浮世絵コレクション
太田記念美術館(東京・原宿)
東邦生命保険の会長を務めた五代太田清藏氏が収集した約12千点以上のコレクションを所蔵する美術館。1980年開館。
日本浮世絵博物館(長野・松本)
松本出身の豪商・酒井家が何代にもわたり、江戸時代から収集したコレクション10万点。1982年、地元・松本市に開館。東京・浅草に分館を開館予定も、このご時世により当初予定2020年4月を延期中。
平木浮世絵財団
リッカーミシン創業者・平木信二氏が、戦後に海外流出の危機にあった優品を買い取り、増補した約6,000点のコレクション。リッカー美術館(1972〜)、平木浮世絵美術館(横浜そごう内、1993〜2001)、平木浮世絵美術館 UKIYO-e TOKYO(ららぽーと豊洲内、2006〜13)で公開していたが、現在は全国の美術館・博物館への作品貸出等を中心として活動中。
本展の構成
菱川師宣から歌川国芳まで、全456点の展示。
前後期制(前期〜8/23、後期8/25〜)。前後期で総展示替え。一部作品は前期の前後半で展示替え。
第1章 初期浮世絵
第2章 錦絵の誕生
第3章 美人画・役者絵の展開
第4章 多様化する表現
第5章 自然描写と物語の世界
日時指定入場制
本展は日時指定入場制。
20分ごとの入場時間帯設定(毎時30分、50分、10分)。
ネットでの事前予約必須。チケット新規購入者は勿論のこと、招待券所有者・無料観覧対象者も(追加費用は不要だが)事前予約要。館での販売・日時指定券配布無し。シルバーデーは休止。
訪問記
一度、週末の当日に予約しようとしたら、全時間帯が既に満杯。今回は数日前に予約。家を出るのが遅れ、時間枠ギリギリの入場となる。
会場内は意外に混んでいる。20分毎の入場者数を70人程度に設定しているように見受けられるが、このご時世でなければもっと混雑していたのだろう。
小サイズの浮世絵だから、1作品を同時に見れるのは1組。鑑賞スピードも人により異なるので、順番に見ていこうとすると、鑑賞待ちの時間が結構出る。展示数も約225点と多く、ひととおり見るにはかなりの鑑賞時間+体力が必要。
個人的には本展はパスすることを考えていたが、2016年の千葉市美術館「初期浮世絵」展で興味を持ち始めた初期浮世絵がまとまった数出品されることを知り、出動した次第。期待の第1章「初期浮世絵」は28点の出品。楽しむが、ボリュームの違いもあって、4年前ほどの興奮には及ばなかったかな。
最初のB1フロア、第1章と第2章を順にひととおり観るのに1時間を要し、閉館まで残り1時間となる。
1階〜2階フロアの第3〜5章は、列後方からの飛ばし飛ばしの駆け足鑑賞、気になる歌麿の美人画とか北斎の幽霊画とかをしっかり観る。そして、B1フロアに戻り、殆ど人はおらず、自分のペースで鑑賞。
気になったB1フロア浮世絵5選。
菱川師宣
《よしはらの躰 台所の図》
1681〜84年頃、平木浮世絵財団
奥村政信
《「七夕のと渡る舟」》
1716年頃、日本浮世絵博物館
石川豊信
《湯あがり》
1760〜63年頃、平木浮世絵財団
鈴木春信
《機織》
1766年頃、平木浮世絵財団
もう1点は見たかった作品。
石川豊信
《花下美人》
1744〜48年頃、平木浮世絵財団
(8/10まで展示)
会場内の作品解説は、最小限に抑えられている。 出品リストの配布は無し。
後期も行きたいが、できれば平日がいいな。
「ハマスホイ」展以来半年ぶりの東京都美術館訪問。
「ハマスホイ」展の会期途中での中止や「ボストン美術館展」の開催中止などを経て、7/1に再開した東京都美術館。
この浮世絵展は予定どおり(+1週間強の会期延長)開催されているが、次の10〜12月予定の「イサム・ノグチ」展は会期変更(変更後会期は未定)。
最近では、業務に従事する受託事業者の職員1名の感染(8/12発表)とか、2021年1〜4月予定の「世界遺産ローマ展(仮称)」の開催中止(8/14発表)とか、イレギュラーな状況はまだまだ続く。