筆魂 線の引力・色の魔力
ー又兵衛から北斎・国芳までー
2021年2月9日〜4月4日
すみだ北斎美術館
開館記念展以来、約4年半ぶり2回目の訪問は、肉筆浮世絵展の鑑賞。
本展は、岩佐又兵衛から葛飾北斎まで、60人の浮世絵師による肉筆浮世絵ばかりの124点が紹介される。新発見、再発見、初公開の作品も多数含まれる。前後期制で、全点が入替(1点のみ頁替)。
前期(〜3/7)の最後の週末と、後期の最初の週末、2週連続で訪問する。
・本館・本展は事前予約制を導入していないが、館内滞在人数100人を目安に入場制限を行っている模様。
前期訪問時は、土曜の午後1時頃到着で、すぐに入館するが、企画展示室内は展示作品数と同数程度の人がいて結構な賑わい。退館時は10人弱ほどの入館待ち列ができていた。
後期訪問時は、同じく土曜の午後1時頃到着だが、大雨予想のためだろう、前週と比べて劇的に人が少ないことが、1階のエントランスフロアを一目見るだけで分かるほど。
・全作品に、絵師と作品の解説が付される。観るポイントを教えてもらえる有益な情報だが、文字が小さい。結構詳細で真面目でボリュームがある。都度都度きちんと読むと滞留の起点となるので、中盤から端折りつつ。文字を大きくしてほしいなあ。
・作品のラインナップは、真面目というか専門的で、専門書を眺めているような感じ。又兵衛から北斎まで、馴染みのない絵師を含めた60人の作品が浮世絵史順に並ぶ。新発見、再発見、初公開、半世紀ぶりの公開とかの作品が多く含まれる。江戸絵画展で最近よく見かける、取っつきやすさを狙ったような仕掛けは見受けられない王道派。主催者の力のこもり度合いが充分伝わってくる。私のような素人には大同小異の美人画が占める割合が高い。
自ら鑑賞ストーリーを作ることができる浮世絵が好きな人、詳しい人向けの展覧会かなあ。
【本展の構成】
1章:浮世絵の黎明から18世紀前期ごろまで
1節:岩佐又兵衛と近世風俗画
2節:師宣・安度・長春とその流派
2章:浮世絵の繁栄
1節:政信・清長・湖龍斎・春草とその流派
2節:上方浮世絵
3節:歌麿・栄之・写楽とその流派
3章:幕末を彩る領袖 葛飾派と歌川派
1節:歌川派と菊川派
2節:葛飾北斎とその一門