東京でカラヴァッジョ 日記

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ルーヴル美術館展 2018「肖像芸術」(国立新美術館)

2018年09月02日 | 展覧会(西洋美術)
ルーヴル美術館展
肖像芸術-人は人をどう表現してきたか
2018年5月30日~9月3日
国立新美術館
 

   2018年のルーヴル美術館展。
 
   最大の出会い、フランス中世のトランジ(腐敗屍骸像)彫刻は、既に記事にしている。
 
   本記事では、他の印象に残る作品3選をメモする。
 
 
 
【本展の構成】
プロローグ:マスク-肖像の起源
 
1.記憶のための肖像
   a   自身の像を神に捧げる 
      -  信心の証としての肖像
   b   古代の葬礼肖像
      -  故人の在りし日の面影をとどめる
   c   近代の葬礼肖像
      -   高貴さと英雄性
 
2.権力の顔
   a   男性の権力者  
      -   伝統の力
   b   権威ある女性
   c   精神の権威
      -   詩人、文筆家、哲学者
 
幕間劇   持ち運ばれ、拡散する肖像
1) 古代の硬貨から17世紀ムガル朝インドのミニチュアールまで
2)フランス国王ルイ18世のミニチュアール・コレクション
 
3.コードとモード
   a   男性の肖像  -  伝統と刷新
   b   女性の肖像  -  伝統と刷新
   c   子どもと家族
   d   自己に向き合う芸術家
       -   啓蒙の世紀の3つの例
 
エピローグ:アルチンボルド-肖像の遊びと変容
 
 
 
1)
アルチンボルド
《春》《秋》
 
   ルーヴル所蔵のアルチンボルド「四季」連作4点のうち2点が出品。
 
   「四季」連作については、2017年のアルチンボルド展の際にしつこく記事にしており、今回記載しても、同内容の繰り返しとなるので控えるが、一言だけ。
   2017年のアルチンボルド展に出品されたマドリードの王立サン・フェルディナンド美術アカデミー美術館所蔵の《春》、その凄まじき緊張感。ルーヴル所蔵作品を見て改めて認識する。
 
 
 
2)
フランツ・クサファー・メッサーシュミット
《性格表現の頭像》
1771-1783年の間
 
   制作理由は、芸術的なところではないところにあったのだなあ。確かにそんな作品だなあとの印象。全69体が並ぶと印象が変わるかもしれないけど。



3)
フランスの画家(?)
《パンジーの婦人》
15世紀
 
   本展の目玉作品の一つ、27年ぶりの来日、今回の日本での展覧会でのみ「ガラスで覆われていない状態で」見ることができるという、ヴェロネーゼ《女性の肖像(美しきナーニ)》の隣に展示。
 
   婦人の肖像画の小品。
   背景のみならず、額縁にまで描かれるパンジー。 その花言葉は「思慕」「恋心」。
   スペイン語で書かれているという銘文は「見えなくても、私は憶えている」。
   妻を喪った夫の注文とされる。
 
 
 
   さて、「日本テレビ ルーヴル美術館展 20年プロジェクト」、4年後の2022年の3回目は、どんな企画になるのだろうか。風景画?静物画?歴史画?別の切り口?
 


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