クリスチャン・ボルタンスキー
アニミタス-さざめく亡霊たち
2016年9月22日〜12月25日
東京都庭園美術館
クリスチャン・ボルタンスキーは、ユダヤ系フランス人を父親として、1944年にパリで生まれたフランスの現代美術家。
初期から現在まで一貫して、歴史の中で濾過される記憶の蘇生、匿名の個人/集団の生(存在)と死(消滅)を表現してきたという。
現代アートは守備範囲外であるが、2019年に新国立美術館で回顧展予定とのことなので、勉強と思って訪問する。
出品作品は6点。
写真撮影可(本館は平日のみ、新館は全日)であったので、写真を掲示する。
本館1階(小食堂ほか)
東京都庭園美術館での本展覧会用に制作された、音声インスタレーション《さざめく亡霊たち》
本館1階の各部屋にスピーカーが置かれ、「どこからともなく声が聞こえてくる」「何を言っているのか、断片的にしかわからない」落ち着かない状況を作る。この邸宅に居つく「亡者の声」であるかのように。
小食堂は、入室不可で入口から覗き込む見学形式。
誰もいない暗い部屋に響く声に、「亡者の声」感が一層強くなる。
本館2階 若宮寝室および若宮居間
《影の劇場》
若宮寝室および若宮居間の入口ドアの穴から、あるいは、両部屋の間の部屋「合いの間」内に設けられた穴から、各部屋の中を覗き込む。
本館2階 書庫
《心臓音》
強弱する赤い灯。鳴り続ける心臓音は、結構大きくて他の部屋にいても聞こえる。
入室。室内は余りにも暗く、足元に気を付けながら恐る恐る中へ。障害物はさすがになく、他の鑑賞者にさえ留意すれば良さそうである。
(奥方面)
(入口方面)
新館へ移動。
新館ギャラリー1
《眼差し》
展示室中に、匿名の人々の目が大きくプリントされた薄手のカーテン。
《帰郷》
幾重ものカーテンを乗り越えてたどり着く展示室の真ん中には、なんと排泄物を想起させる、金色の小山。
大量の古着を天井近くまで積んで、金色の布カバーで覆ったものらしい。
新館ギャラリー2
《アニミタス》
《ささやきの森》
ただ鳴り響き続ける風鈴の音。
漂う藁草の匂い。
漠然と見ても分かるものではないなあ、で退館する。
芸術家本人へのインタビュー映像にて、作品解説されているらしい。
本館1階ウエルカムルームで流されているし、Webサイトでも見ることができる。
が、今のところ映像を見ていない。
だから、この記事は、各作品の狙い・意味に関しては殆ど記載していない。