東京でカラヴァッジョ 日記

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預言者ヨナを表した石棺-大英博物館展(東京都美術館)

2015年05月23日 | 展覧会(その他)

大英博物館展-100のモノが語る世界の歴史
2015年4月18日~6月28日
東京都美術館


041≪預言者ヨナを表した石棺≫260-300年頃、おそらくイタリア、大英博物館蔵
『宗教を超えて語り継がれる物語』
※この画像は、主催者の許可を得て撮影したものです。


 ローマ帝国の初期のキリスト教者の石棺。
 制作地が「おそらくイタリア」とあるのは、発見場所がイギリスのパースにほど近い庭園のなかであった、という背景からであるようだ。
 庭園では、噴水として使用されていたらしい。

 「宗教」とは、ユダヤ教、キリスト教、イスラームである。

【物語-Wikipedia「ヨナ書」より】

 ヨナは、神から、イスラエルの敵国であるアッシリアの首都ニネヴェに行って「(ニネヴェの人々が犯す悪のために)40日後に滅ぼされる」という予言を伝えるよう命令される。
 しかし、ヨナは敵国アッシリアに行くのが嫌で、船に乗って反対の方向のタルシシュに逃げ出す。
 このため、神は船を嵐に遭遇させた。
 船乗りたちは誰の責任で嵐が起こったかくじを引く。そのくじはヨナにあたったので船乗りたちは彼を問い詰めると、彼は自分がヘブル人で海と陸を造られた天の神、主を畏れていることを告白する。ヨナは自分を海に投げれば嵐はおさまると船乗りたちに言う。
 最初、船乗りたちは陸にたどり着こうと努力したが、激しい嵐のためできず、ヨナの言うとおり彼の手足をつかんで海に投げ込んだ。
 ヨナは神が用意した大きな魚に飲み込まれ3日3晩魚の腹の中にいたが、神の命令によって海岸に吐き出された。
※この画像(部分図)は、主催者の許可を得て撮影したものです。


→神から逃れようと船に乗っているヨナ。
 既に、魚(海獣ケートス)が右下でヨナを呑み込むべく待ち構える。
 なお、左上の子羊は、物語とは関係なく、本品がキリスト教徒の棺であることを示す。

 ヨナは悔い改め、ニネヴェにいって神のことばを告げると、意外なことに人々はすぐに悔い改めた。指導者はニネヴェの人々に悔い改めと断食を呼びかけ、人々が実行したため、神はニネヴェの破壊を考え直して、中止した。ヨナは、1度滅ぼすと言ったがそれを中止し、イスラエルの敵であるニネヴェの人々をゆるした神の寛大さに激怒する。
 ヨナがその後庵を建ててニネヴェがどうなるか見るためにそこに住んでいると、その横にひょうたん(トウゴマとも)が生えた。ヨナはひょうたんが影を作り日よけになったので喜ぶが、神は虫を送ってひょうたんを枯らしてしまう。ヨナが激怒して、怒りのあまり死にそうだと訴えると、神はヨナに向かい、ヨナがたった1本のひょうたんを惜しんだのだから、神が12万人以上の人間と無数の家畜がいるニネヴェを惜しまないことがあろうかと諭す。
※この画像(部分図)は、主催者の許可を得て撮影したものです。

→トウゴマの木の下で横になるヨナ。
 その下には、海獣に吐き出されるヨナ。


石棺の側面の写真。
※この画像(部分図)は、主催者の許可を得て撮影したものです。



【参考:システィーナ礼拝堂天井画のヨナ】



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