メトロポリタン美術館展
西洋絵画の500年
2021年11月13日~2022年1月16日
大阪市立美術館
ディーリック・バウツ(不詳-1475)
《聖母子》
1455-60年頃、21.6×16.5cm
メトロポリタン美術館
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/06/69/3fc099bdcea461b2e93b25d513982c7e.jpg)
本展最小クラスのサイズだが、素晴らしい。
いかにもバウツ風(と言うことができるほどバウツのことは知らないので言い直して、北方風)の聖母の容貌も好ましいし、イエスが可愛いすぎる。また、聖母もイエスもその手がちょっとゴツいのが面白い。
そして何よりも、肌の質感、輝く色彩。これぞ北方ルネサンス絵画。
このレベルの北方絵画が国立西洋美術館にも欲しい。
ペトルス・クリストゥス(不詳-1475/76)
《キリストの哀悼》
1450年頃、25.7×35.6cm
メトロポリタン美術館
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/62/e0/0040fcb3893127df46c2a14717459480.jpg)
十字架から降ろされて横たわるキリスト。
卒倒する聖母マリア。
聖母マリアを支える聖ヨハネ。
香油壷を持つマグダラのマリア。
白い布でキリストを運ぶアリマタヤのヨセフとニコデモ。
妙に存在感があって気になるのが、画面右下の地面に置かれた、棒のようなものの3つの固まり。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/38/0f/3a44a3f1ad888802703ec91205582fe3.jpg)
十字架から取り外された釘と、その作業に用いられたハンマーとやっとこなのだが、並べ様が意味深。何らかのサインではないかと気になるが、そんな解説は見つけることはできていない。
クリストゥスが描く人物は人形のようで手足が短く、目鼻立ちが小ぶりで、輪郭に動きがないと指摘されます。彩飾写本とファン・アイクの初期作品からの影響と考えられ、このような特徴は向かって左側でキリストを支えるアリマタヤのヨセフ、右側のニコデモ、聖ヨハネに顕著。対照的に細長いキリストの体躯や、駆け寄るマグダラのマリアの愛らしさを引き立てているともいえるでしょう。