金沢工業大学所蔵
世界を変えた書物展
2018年9月8日 〜9月24日
上野の森美術館
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入場無料。写真撮影可。会期が約半月と短い。会期中無休。10〜17時。
金沢工業大学の主催であるので、想像どおりではあるが、工学分野の展示が主となる。130点ほどの展示。
2012年の金沢、2013年の名古屋、2015年の大阪に続く東京展となるらしい。
入場して最初の説明パネル、「稀覯書の定義」を学ぶ。
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稀覯書とは、
「極めて稀にしか見ることのない本」のこと。
稀覯書の条件としては、
1 極めて少数しか残っていない書物であること
2 書物の制作が古いものであること
3 その内容が極めて貴重なもので、それが最初に世に出たもの
4 書物のデザイン、レイアウトやタイポグラフィ、装丁、造本が豪華であったり美しく、美術品的価値を持っていること
5 副次的には、原著者の署名があるとか、著名人の蔵書であったことの証拠、蔵書票や署名があることなど
1階最初の展示室「知の壁」
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床から天井近くまで書物がぎっしり + 建築関係の稀覯書、科学者の書簡の展示
1階2番目の展示室「知の森」
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1 古代の知の伝承
2 ニュートン宇宙
3 解析幾何
4 力・強さ
5 光
9 飛行
2階の最初の展示室「知の森」続き
6 物質・元素
7 電気・磁気
8 無線・電話
10 電磁場
11 原子・核
12 非ユークリッド幾何学
13 アインシュタイン宇宙
「知の森」に続く東京展特別出品コーナーには、非工学分野の書物も。
非理系の私には、正直、こういう書物のほうが楽しい。
ガイウス・プリニウス=セクンドウス(c23-79 A.D.)
「博物誌三十七書」
ヴェネツィア、1513年、挿画入初版
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ジョルジョ・ヴァザーリ(1511-1574)
「最も優れた画家、彫刻家、建築家の生涯」
フィレンツェ、1568年、増補改訂版
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ラファエロの章がオープン。
これは有り難いなあ、と思ったのは、
ニコラス・コペルニクス(1473-1543)
「天球の回転について」
ニュールンベルグ、1543年、初版
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「知の森」の章の展示ケースには、底に鏡を仕掛けてあって、展示書物の表紙も見ることができること。
11「原子・核」14点の展示より抜粋。
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ヴィルヘルム・コンラート・レントゲン(1845-1923)
「新種の輻射線について」
ヴュルツブルク、1895-1896年、初版
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最初のレントゲン写真の公表
マリー・スクウォドフスカ・キュリー(1867-1934)
「放射性物質の研究」
パリ、1903年、初版
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オットー・ハーン(1879-1968)、フリッツ・ストラスマン(1902-1980)
「低速中性子によるウランの核分裂」
ベルリン、1939年、初版
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ヘンリー・スマイル(1898-?)
「合衆国政府助成(1940-1945)のもとに行われた原子力の軍事目的利用開発の概要」
ワシントンD.C.、1945年、初版
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合衆国戦略爆撃調査団
「広島、長崎に対する原子爆弾の効果」
ワシントンD.C.、1946年、初版
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2階最後の展示室「知の繋がり」
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インスタレーションのコーナー。
これら展示室、来月にはフェルメール展に変わっているのだなあ、と思いつつ、楽しく見る。
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今回注目すべき書物
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フランチェスコ・コロンナ (1432/33-1527)
「ポリュフィルス狂恋夢」
ヴェネツィア、1499年、初版