東京でカラヴァッジョ 日記

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深大寺、元三大師胎内仏「鬼大師」205年ぶり特別公開

2021年11月22日 | 寺社・城郭めぐり
東京国立博物館「出開帳」記念
元三大師胎内仏「鬼大師」205年ぶり特別公開
2021年11月3日~11月23日
深大寺(東京都調布市)
 
 
 初詣は蕎麦目当てに深大寺、が近年の我が家の定番。
 しかし、今年(2021年)は初詣自体を自粛。
 で、1年11ヶ月ぶりの深大寺、まずは定番の深大寺そば「湧水」へ。
 
 開店直後の到着だが、初詣時にも経験したことのないほどの長い待ち行列。開店直後なのですぐには回転しないし、このご時世で相席はないだろうから、長く待つことを覚悟して並ぶ。周りの人からテレビ番組で取り上げていたとの話が聞こえてくる。ネット検索すると、なんと!つい2日前!にフジテレビのゴールデンタイムの番組で俳優の鈴木亮平氏が紹介していたらしい。その分、列が長くなったのか。結局、1時間待っての入店。
 
 私は、湧水もりそば大盛と山菜炊き込みご飯。連れは、湧水天もり。満足する。
 
 
 次に本堂参拝。おみくじ。
 
 
 そして、今回のメインの目的である特別公開へ。
 
 
 これまた長〜〜い列。
 当初11月21日までの公開予定を「大変な反響のため、急遽」11月23日までと、2日間延長したほど。
 東京国立博物館の特別展「最澄と天台宗のすべて」に「秘仏 元三大師像」(坐像なのに2メートル近くの高さで、頭がでかい像)が205年ぶりに出開帳となったことを記念して、その元三大師像の胎内仏である「秘仏 鬼大師像」を、これまた205年ぶりに開帳するもの。
 
 僧形の元三大師が鬼のような風貌に変化したお姿を「鬼大師」といいます。 
 今から205年前(文化13年)、深大寺から江戸両国(回向院)に、「元三大師像」と「鬼大師像」が出開帳されました。 
 当時の紀行文『遊歴雑記』には、出開帳時の様子がありありと記されています。特に「鬼大師」については、わずか15cmほどの小さなお像ながら恐ろしき異様なお姿で、元三大師の胎内仏であったことが特記されています。
 この時の出開帳以来、「鬼大師像」は秘仏として厳重に二重の厨子に納まり、今日まで一切その扉は開けられずに来ました。 
 時あたかも、コロナ禍に苦しむ世情にあって、疫病退散のご利益で知られる元三大師さまが国立博物館に出開帳されました。深大寺では205年前の記録を重んじこの出開帳のまたとない機会に「鬼大師像」の二重の扉を開ける決断を致しました。ぜひ出開帳の巨大な元三大師像と見比べお参りください。
 
 
 1時間半!!並んで、受付に到着、少し待ってから、堂内へ。
 「鬼大師像」がいらっしゃる。
 像高15cmなので確かに小さい。全身が黒い。やや前かがみ。長い角が2本。金色の丸い目が光っている。口を大きく開けている。
 列が進んで正面に立つ。手を合わせる。
 
 
 この日は、合計2時間半、列に並ぶこととなった。
 列に長時間並ぶのは、コロナ禍になってからは、マスク購入のため並んだ1回くらいだ。
 寒くなく天気も崩れることなく、久しぶりの列並びも楽しく過ごす。


2 コメント

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深大寺鬼大師像の過去の開扉 (むろさん)
2021-11-23 15:58:36
上記本文及び写真引用の東京新聞記事に
<この時(文化13年1816)の出開帳以来、「鬼大師像」は秘仏として厳重に二重の厨子に納まり、今日まで一切その扉は開けられずに来ました。
<鬼大師像はこの時を最後に二重扉の厨子(ずし)に納められ、一度も開扉されたことはなかったという。
とありますが、厳密にはこれは正確ではなくて、昭和60年代の学術調査の時に開扉されています。

深大寺学術総合調査報告書(昭和62年11月23日発行、水野敬三郎元芸大教授監修)という本があり、この中で鬼大師像も写真付きで紹介されています。この本は2冊組で、第1分冊の第2節各論に深大寺の彫刻全てが詳細に記載され、国宝の釈迦(当時は重文)から始まり、平安時代の宝冠阿弥陀、最澄と天台展に出た巨大な元三大師像、深大寺の名前の元となった秘仏の深沙大将像(鎌倉時代か)などが紹介されていて、宝冠阿弥陀、元三大師、深沙大将の3件については、他にほとんど紹介されている本もなくて、貴重な報告書となっています。釈迦像についても、表面や内部の型持痕・埋金の位置、伝来等詳細な報告が書かれているので、数年前に国宝に指定され東博の新指定文化財陳列に出た時には、この本のコピーを持参して参考にしました。巨大な元三大師像についても、首枘内や体部内の木枠などの写真が掲載されています。

鬼大師像についての解説では、
「慈恵大師像 一躯 木造 彩色 像高12.3cm 鬼形の慈恵大師像で、目を大きく見開いていからし、口を大きく開いて上下の歯牙をあらわす。……一材製で肉身部を群青彩とする。……二重の厨子内に納められ、秘仏とされる。台座及び厨子は後補である。……本像の制作年代は明らかにしがたいが近世の作か。……」
とあります。

この本は専門書なので、大きな公立図書館でないと置いていないかもしれません。私は東博の資料室で閲覧しています。
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Unknown ()
2021-11-23 20:11:10
むろさん様
コメントありがとうございます。

 「この時の出開帳以来、「鬼大師像」は秘仏として厳重に二重の厨子に納まり、今日まで一切その扉は開けられずに来ました 」(深大寺HP)との説明は、厳密には正確ではなく、昭和に学術調査のために開扉したことがあるということですね。情報ありがとうございます。
 近隣市の図書館に、ご紹介の『深大寺学術総合調査報告書』があることを確認できました。次に行く機会に、閲覧してみたいと思います。
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