絵馬提灯特別展示2024
「釜淵双級巴(かまがふちふたつどもえ)」
2024年7月6日〜9月1日
絵金派アートギャラリー
(高知県香南市野市町、創造広場「アクトランド」内展示館)
前記事に続き、絵金派アートギャラリーの鑑賞記録。
高知では、各地で神社の夏祭礼の際に絵金やその弟子たちの描いた芝居絵屏風が飾られます。
絵金派アートギャラリーでは、この夏祭礼の時期にあわせて、特別展示を開催します。
展示するのは、浄瑠璃「釜淵双級巴(かまがぶちふたつどもえ)」を題材とした絵馬提灯。
大盗賊・石川五右衛門の一生を描いた芝居です。
「釜淵双級巴」は、並木宗輔による大盗賊・石川五右衛門が主人公の人形浄瑠璃で、元文2(1737)年7月に大坂・豊竹座で初演、その15年後には歌舞伎化されて上演されたが、明治時代を最後に上演は途絶えているとのこと。
本作品は、「釜淵双級巴」を絵金が絵馬提灯に描いたもので、2018年に高知県内の個人から「アクトランド」が購入し、調査を進め、絵金の真筆と確認、2021年に初公開されたものだという。
絵金が描いた作品としては最多を誇る25枚の連作(うち1枚欠失で、現存は24枚)。
本展では、現存24枚すべてが一挙に展示されている。
絵馬提灯とは?
芝居絵屏風と同じく神社の夏祭りの夜に飾られたもので、箱型の木枠に和紙を貼り、中に入れたろうそくの光で鑑賞します。
10分ごとに照明が暗くなったり、明るくなったり、当時の宵祭りの雰囲気を再現
通常の明るさ
宵祭りを再現した照明
以下、展示24枚の画像を掲載する。
1〜2
3〜5
6〜8
9〜11
12〜14
15〜16
(17は欠失)
18〜19
20
21
22
23
24
25
クライマックスは、釜煎りの刑の場面(23〜24)となるのだろうか。
そのあとの25は、芝居の脚本にはない場面とのことで、五右衛門親子が息絶えたあとの後片付けの場面。
役人たちが油を吸って膨れ上がった父子の体を掻き出したり、釜を磨いたりしている。河原の中洲では犬が休む。
なんとも現実的で、後片付けは、物語として取り上げられることは少ない分、なかなかインパクトのあるドラマになりうるようだ。
涼しい環境で、たまたまだろうか人が少なく、自分のペースで、存分に宵祭りの雰囲気を味わう。