東京でカラヴァッジョ 日記

美術館訪問や書籍など

大阪中之島美術館に初訪問、「みんなのまち 大阪の肖像」第1期

2022年06月27日 | 展覧会(日本美術)
 JR大阪環状線の福島駅から歩く。
 
 
 
 
 目的地が見える。
 背の高い建物に囲まれた、あの黒っぽい建物だ。
 
 
 
 到着。
 
 
 逆からも1枚。
 
 
 黒っぽい建物が、大阪中之島美術館。
 画面左の建物が、大阪市立科学館。
 黒っぽい建物の前の、シルバーのオブジェっぽいのが、国立国際美術館。
 国立国際美術館は、地下に拡がる美術館なので、地上の姿はエントランスのみ、大阪中之島美術館と並ぶことでその特異さが際立つ。この日は展示替え休館中。
 
 
 大阪中之島美術館に入る。
 
 
 画像の下部に写るのは、2階にあるチケットカウンター。
 展示室は、4階と5階にある。
 2階から4階へは、長いエスカレーターで行く(画像は、帰り(下り)のエスカレーターにて撮影)。
 
 
開館記念展
みんなのまち 大阪の肖像 第1期 
「都市」への道標。明治・大正・昭和戦前
2022年4月9日〜7月3日
大阪中之島美術館(4階展示室)
 
 
 都市「大阪」をテーマとする展覧会。
 大阪中之島美術館のコレクションを中心に、大阪府市内外の博物館・美術館や企業などからの出品が加わる。
 時間の関係で駆け足鑑賞となるが、なかなか見応えがある。
 

【章立て】
第1章 おおさか時空散歩 - 中之島からはじめよう
    「ほな、いきまひょ。」
第2章 胎動するランドスケープ 
    「のっけの、ふうけい。」
第3章 パブリックという力場 
    「ほこえる、まちなか。」
第4章 商都のモダニズム
    「せんど、うつやかな。」
第5章 たなびく戦雲
    「ころこぶ、あとさき。」
 
 
第1章「ほな、いきまひょ。」
 
小出楢重
《街景》1925年
 
 1925年の大阪・中之島の風景。
 画面左手の茶色い建物は、現在大阪中之島美術館の隣の区画にある「ダイビル本館」の建替え前(1925年竣工の「大阪ビルヂング」)の姿。
 
 1925年、市域拡張により東京市を抜いて人口日本一・世界第6位となった「大大阪」。
(しかし、1932年には、東京市が市域拡張により人口日本一の座を奪還する。)
 本章では、中之島の風景のほか、「大大阪」の風景を描いた油彩画・版画などが並ぶ。
 
 
第2章「のっけの、ふうけい。」
 
左上《大阪市立電気科学館》1941-43年頃
左下《大阪市立電気科学館》1941年
右上《市電の店 商店照明改善特別奉仕》1935年頃
右下《市電の店》1935年頃
 
 1923年発足の大阪市電気局。
 シェア向上のための活動の一環として、次の二つを展開する。
 大阪市立電気科学館は、電気知識の普及を目的として、1937年に西区新町(最寄駅:地下鉄四つ橋線四ツ橋駅)に開館。1989年に閉館し、同年開館の中之島の大阪市立科学館に引き継がれている。
 市電の店は、電気普及を目的として、1931年に開設。サービスセンターとして、電気製品販売、電気料金や工事などに関する相談対応が行われた。
 
 本章では、地下鉄・鉄道、電気など、近代化へと進む大阪の姿を描く油彩画、版画、印刷物などが並ぶ。
 
 私的には、小磯良平《婦人像-阪急梅田駅構内》1937年、阪急電鉄蔵。
 題名どおり、阪急梅田駅構内に立ち、こちらを見る若い女性の像。
 
 
第3章「ほこえる、まちなか。」
 
前田藤四郎
《デパート装飾》1930年代
 
   前田藤四郎は、昭和初期より大阪で活動した版画家。本格的に版画家を志す前には、堺筋沿いにあった松坂屋の広告部でショーウインドウ・ディスプレーの意匠などを手がけていた。
 
 本章では、百貨店、広告、劇場など、賑いの大阪を描いた作品と、静物画などの作品が並ぶ。
 
 
第4章「せんど、うつやかな。」
 
小石清
《クラブ石鹸》1931年
 
 浪華写真倶楽部のメンバー。本作は1931年の第2回国際広告写真展の1等賞を受賞。
 
 本章では、広告ポスター、写真など、商業と結びついた「モダンな美意識」の作品が並ぶ。
 
 
第5章「ころこぶ、あとさき。」
 
 本章では、戦時下のプロパガンダ・ポスターと、その時代に制作された作品が並ぶ。
 
 私的には、吉原治良《防空演習》1944-45年頃。
 防空演習に参加する庶民たち。銃後の生活。
 
 もう一つ、丹平写真倶楽部の有志メンバーによる《流氓ユダヤ》シリーズ、1941年。
 私の訪問日は、安井仲治と椎原治の5点の展示。
 ナチスの迫害を逃れるため、リトアニアからシベリア経由で神戸にやってきて、第三国に脱出する日を待っているユダヤ難民を被写体とする。
 
 
映像コーナー
 1937年大阪市電気局・大阪市産業部発行の28分ほどの映像《大大阪観光》が流れる。
 昭和12年の大阪の観光スポットほか各地が写される。
 半分ほどを見たが、どの場所にもピンとこない。
 ちなみに、各章サブタイトルの大阪言葉は第1章を除き、意味が分からない。
 完全アウェイな気分に、軽い驚き。
 
 
 
 以上、各章平均1点の撮影可能作品の画像(一部は割愛)とともに概要を記載。
 
 東京の美術館とはまた違った作品が並んでいて、なかなか興味深い。
 
 本展の第2期「「祝祭」との共鳴。 昭和戦後・平成・令和」は、8月6日から10月2日まで、展示室が5階に変わって開催される。
 私的には、その時期に関西美術旅行をする予定は今のところない。
 もう一つ何かないかなあ。


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