開館記念特別展
モディリアーニ
愛と創作に捧げた35年
2022年4月9日〜7月18日
大阪中之島美術館(5階展示室)
大阪中之島美術館限り開催のモディリアーニ展。
日本では2008年以来14年ぶりの回顧展となるという。
今般、会期が1ヶ月近く残る時期に訪問することができて嬉しい。
実によかった。
特に第3章。
モディリアーニの油彩画21点が並ぶ様は、素晴らしい。
近くで見るのもよし、離れて遠くから眺めるのもよし、鑑賞の自由度が高い展示室の広さ。
モディリアーニ作品の魅力を再認識する。
【本展の章立て】
プロローグ:20世紀前期のパリ
第1章 芸術家への道
第2章 1910年代パリの美術
特集 モディリアーニと日本
第3章 モディリアーニ芸術の真骨頂 肖像画とヌード
大阪中之島美術館
《髪をほどいた横たわる裸婦》1917年
&
アントワープ王立美術館
《座る裸婦》1917年
1933年から日本にある横長の裸婦像。
1926年からベルギー政府が所蔵する縦長の裸婦像。
同じモデルを描いた2点の裸婦像が競演!
アントワープ王立美術館は2022年9月まで工事休館中のため、借用が実現したとのこと。
デンマーク国立美術館
《ピエロに扮した自画像》1915年
モディリアーニが自分自身を描いた油彩画は僅か2点とされ、そのうちの1点。
もう1点は、1919年制作のサンパウロ大学付属現代美術館所蔵の《自画像》。
(国立国際美術館HPによると、同作は、2008年「モディリアーニ展」出品予定も、作品保護の観点から急遽中止になったとのこと。)
テート
《若い女性の肖像》1917年頃
《小さな農夫》1918年頃
《ズボロフスカ夫人》1918年
テートから3点!
魅力的な女性像《若い女性の肖像》は、2008年の国立新美術館「モディリアーニ展」以来の来日である模様。
バーゼル美術館(永久貸与)
《ドラヴァル夫人の肖像》1916年頃
日本初公開。
フィリップス・コレクション
《エレナ・ボヴォロスキ》1917年
2018-19年の三菱一号館美術館「フィリップス・コレクション展」以来の来日。
個人蔵
《横たわる裸婦(ロロット)》1917-18年
日本初公開。
グルタ・ガルボ・ファミリー・コレクション
《少女の肖像》1915年頃
伝説の映画女優グルタ・ガルボが1944年に購入。本展が世界初公開。
ポーラ美術館
《ルネ》1917年
&
名古屋市美術館
キスリング《キスリング夫人の肖像》1920年
キスリングの妻ルネの肖像画の比較展示も楽しい。
モディリアーニ作品の出品数。
油彩31点と素描9点(期間限定を含む)。
【国内】☆印は、期間限定出品で私の訪問日は展示なしを示す。
大阪中之島美術館
《髪をほどいた横たわる裸婦》1917年
ポーラ美術館
《ルネ》1917年
《婦人像(C.D.夫人)》1916年頃
《ルニア・チェホフスカの肖像》1917年
アーティゾン美術館
《若い農夫》1918年頃
名古屋市美術館
《立てる裸婦(カリアティードのための習作)》1911-12年
《おさげ髪の少女》1918年頃
アサヒビール大山崎山荘美術館
《少女の肖像(ジャンヌ・ユゲット)》1918年
ひろしま美術館
《青いブラウスの婦人像》1910年頃
《男の肖像》1919年
ヤマザキマザック美術館
《ポール・アレクサンドル博士》1909年
東京富士美術館
《ポール・アレクサンドル博士》1909年
愛知県美術館
《カリアティード》1911-13年
大原美術館☆
《ジャンヌ・エビュテルヌの肖像》1919年
北海道立近代美術館
素描1点
東京国立近代美術館☆
素描1点
【個人蔵】一部(○国内、●海外)を除き、国内外は未確認。
《可愛いルイーズ》1915年
《女性の肖像》1919年●
《少年の肖像》1918-19年頃
《大きな帽子をかぶったジャンヌ・エビュテルヌ》1918年
《ハンカ》1916年
《緑の首飾りの女(ムニエ夫人)》1918年○
《横たわる裸婦(ロロット)》1917-18年●
素描5点
【海外】
アントワープ王立美術館
《座る裸婦》1917年
デンマーク国立美術館
《ピエロに扮した自画像》1915年
ボルティモア美術館(貸与)
《ピエール・ルヴェルディの肖像》1916年
テート
《若い女性の肖像》1917年頃
《小さな農夫》1918年頃
《ズボロフスカ夫人》1918年
バーゼル美術館(貸与)
《ドラヴァル夫人の肖像》1916年頃
フィリップス・コレクション
《エレナ・ボヴォロスキ》1917年
パリ市立近代美術館
《耳飾りの女性》1917年頃
グルタ・ガルボ・ファミリー・コレクション
《少女の肖像》1915年頃
クレラー=ミュラー美術館
素描2点
第2章の国内所蔵(1点のみ海外)のエコール・ド・パリの画家たちの作品も、素敵な作品が多数。
国立西洋美術館のスーティン《心を病む女》も、環境が変わり、いつもの常設展示とは違った魅力を見せてくれている。
その規模のモディリアーニ展を開催してくれた大阪中之島美術館に感謝である。