東京でカラヴァッジョ 日記

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キューピッドの出現- フェルメール《窓辺で手紙を読む女》 ドレスデン美術館

2019年05月10日 | フェルメール
   ドレスデン美術館(アルテ・マイスター絵画館)が所蔵するフェルメール《窓辺で手紙を読む女》 。
 
   現在実施中の修復作業で「キューピッド」が出現。
   言い直すと、従来より「キューピッドの画中画」の存在自体は認識されており、フェルメール自身が塗りつぶしたものと考えられていたが、今回の修復作業により、塗りつぶしは作品制作の数十年後に他者の手によってなされたものだと判明したらしい。
 
 
 
   ザクセン王国のコレクションが基礎となっているドレスデン美術館。フェルメール《窓辺で手紙を読む女》 も、1742年にザクセン王国のコレクション入りしているが、その当時はレンブラント作品と考えられていたらしい。塗りつぶしの狙いどおりである。
 
 
   塗りつぶされた「キューピッド」を復活させる方向の修復は、来年(2020年)半ばまで要する見通しとのことであるが、今般、修復途中の本作が一般公開されるとのこと。 
 
A “new” Vermeer in Dresden
2019年5月8日〜6月16日
アルテ・マイスター絵画館、ドレスデン
 
   キューピッドが大きいなあ。手紙を読む女性より大きそう。
 
 
   本作は、1974年の「ドレスデン国立美術館所蔵ーヨーロッパ絵画名作展」(国立西洋美、京博)と、2005年の「ドレスデン国立美術館展」(兵庫県立美、国立西洋美)と2回来日している。
   3回目の来日が実現するとすれば、過去2回とは違う姿を見せてくれることとなる。
   その日が近い将来やってくることを願いたい。
 
 
 
   ところで、大阪・天王寺公園で開催中のフェルメール展も、この週末5/12で終了する。
   公式ツイッターで混雑状況を見る限り、「当日券売り場の待ち時間」がせいぜい20分、それとは別にあるはずの「入場待ち行列」は発生していないように見える。
   5/8には入場者数50万人突破。1日あたり入場者数については、約6,500人の計算と、日時指定入場制を採用した東京展を大きく上回る。上野の森美術館とのキャパの差だろうか。まあ、中は混んでいる時には激混みなのだろうけど。
 
 
 
 
(追記)
   フェルメール展(大阪)が5/12をもって閉幕。その入場者数は。
 
フェルメール展
2019年2月16日〜5月12日
大阪市立美術館
→入場者数:541,651人
   会期:81日
   1日あたり入場者数:6,687人
 
 
(参考)
フェルメール展
2018年10月5日〜2月3日
上野の森美術館
→(日時指定入場制)
   入場者数:683,435人
   会期:121日
   1日あたり入場者数:5,648人
 
フェルメール展
光の天才画家とデルフトの巨匠たち
2008年8月2日〜12月14日
東京都美術館
→入場者数:934,222人
   会期:118日
   1日あたり入場者数:7,917人
 
フェルメールとその時代
2000年4月4日~7月2日
大阪市立美術館
→入場者数:590,008人 
   会期:78日(仮)
   1日あたり入場者数:7,564人


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