カラヴァッジョ展
2019年12月26日〜20年2月16日
あべのハルカス美術館
希望より遅めの日程となったが、大阪・あべのハルカス美術館の「カラヴァッジョ展 2019-20」を見に行く。
あべのハルカス16階、美術館フロア。
フォト・スポット(会場外)は「歯を抜く男」。
会場入口。
会場入口右脇の「法悦のマグダラのマリア」。
会場出口脇にも、大型「法悦のマグダラのマリア」。
大阪会場は、黄色と「法悦のマグダラのマリア」を前面に出している。
今回美術館に滞在できる時間は70分程度。
名古屋会場で大半の作品を見ているので、大阪会場限りの出品作2点を中心に、カラヴァッジョ作とされている作品に限定して鑑賞する。
会場入口左脇、カラヴァッジョ展大阪会場出品作品についての「お知らせ」。
会場内。施設の違い。質素な印象であった名古屋会場に比べ、大阪会場は新しくて金をかけている印象。
他の画家たちの作品の背景は、白色の普通の壁紙であるのに対し、カラヴァッジョ名が付された作品には赤色(第1章)、青色(第2章)、緑色(第3章)のちょっと上質そうな壁紙。
そのこと自体は名古屋会場でも同様であるが、大阪会場では壁紙の色の違いの訴求力が強くて、一目でカラヴァッジョ作品を識別できるという単なる記号にとどまらない。カラヴァッジョ作品は他の同時代の画家たちの作品よりえらく優れているように見える、というか、他の画家の作品は十把一絡げの扱いとされているかのように感じてしまう。
さらに、カラヴァッジョ名の付された作品について、カラヴァッジョ作とした作品には壁紙の左右に柱を配し、帰属作とした作品には柱は無しとする区分がなされているようだ。鑑賞中は、柱の造作があることは認識していたが、その有無で作品を区分けしていることには気付かなかった。
《リュート弾き》
本作の前方にテーブルが置かれ、その上には絵に描かれた楽器や楽譜、花と花瓶、少年の白い上着などの模型が並べられる。テーブル上の赤いボタンを押すと、楽譜に記された音楽が流れる仕掛けも用意されている。
大阪会場限り
《悲嘆に暮れるマグダラのマリア》
部屋の角を挟んだ隣には、カラヴァッジョ作品のコピーに関する解説パネル、そしてウフィツィ美術館所蔵の《聖トマスの不信》が展示される。大阪会場企画者の意図を感じる。
本来であれば、この場所に《ホロフェルネスの首を斬るユディト》が置かれたのだろうか?《ユディト》のいる会場構成を想像する。
大阪会場限り
《執筆する聖ヒエロニムス》
《悲嘆に暮れるマグダラのマリア》の対面に展示。今回入場してまず一番に駆けつけ、じっくり観る。
《法悦のマグダラのマリア》
私の訪問時間帯、一番人気の作品であったような感。次点が《リュート弾き》。本展宣伝どおりの順位。
《聖アガピトゥスの殉教》
《聖セバスティアヌス》
《歯を抜く男》
名古屋会場では3点並んでの展示であったが、大阪会場では《歯を抜く男》を離して展示。大阪会場は名古屋会場と比べて照明が明るい感があり、その分この3点の魅力が減じた印象。
《洗礼者聖ヨハネ》
会場の一番最後の展示コーナー、他の作品とは一歩離れたところで展示される、大阪会場における孤高の作品。すぐ近くには出口が口を開けて待っている。盟友・名古屋会場限りの《ゴリアテの首を持つダヴィデ》を懐かしく思う。
2帰属作品の記載は省略。
こうして、70分が経過し、退出する。
2019-20年冬の関西プチ美術旅行は、本展鑑賞のみで終了。
図録について。
《悲嘆に暮れるマグダラのマリア》を盛り込んで出品番号も再々採番した、大阪会場用の第3版が刊行されている。
第1版を所有する私だが、物好きなことに、第3版も購入する。ただし、大阪会場での購入ではない。大阪会場に行く前、東京で、銀座蔦屋書店で。