歓喜!!!
2016年の国立西洋美術館「日伊国交樹立150周年記念 カラヴァッジョ展」から僅か3年、3度目のカラヴァッジョ回顧展が開催される!!!
開催地は、札幌、名古屋、そして大阪の3箇所。何故か東京/首都圏がない。
あまり情報がないので、以下の記載は美術手帖サイトによる。
札幌展
2019年8月10日〜10月14日
北海道立近代美術館 (札幌市)
名古屋展
2019年10月26日〜12月15日
名古屋市美術館
大阪展
2019年12月26日〜20年2月16日
あべのハルカス美術館(大阪市)
日本初公開3点を含む約10点のカラヴァッジョ作品が出品されるらしい。2016年の回顧展並みの出品数。
既に名前が出ている作品は4点。
札幌展限り・初来日
《病めるバッカス》
1594年
ボルゲーゼ美術館
✳︎画家の初期作品。ミラノからローマに出てきたばかりの頃、病み上がりの自己の姿を描いたとも言われている。
名古屋展限り・初来日
《ゴリアテの首を持つダヴィデ》
1610年
ボルゲーゼ美術館
*画家の最晩年作品。殺人を犯して逃亡中に制作。斬られたゴリアテの首は画家の自画像と考えられている。
大阪展限り・初来日
《ホロフェルネスの首を斬るユディト》
1599年
バルベリーニ宮国立古典美術館蔵
✳︎画家のローマ画壇でのブレイク前後の作品。若い女性の「あら嫌だわ、気味が悪い」的な表情が印象的。
3会場共通
《マグダラのマリア》
1606年
個人蔵
*美術手帖の記事には「《マグダラのマリア》など、東京でも話題を呼んだ作品の数々」とあるので、2001年来日の「ローマ個人蔵」作品ではなく、2016年来日の「真筆判明後、世界初の一般公開」作品のようである。
そのほかにも、「東京でも話題を呼んだ作品の数々や、カラヴァッジョに影響を受けた「カラヴァジェスキ」たちの作品も展示」とある。
2021年はカラヴァッジョ生誕450年の年。欧米ではまたいろいろとカラヴァッジョ展が開催されるのだろうなあと思っていたところ。
その前に、日本で、画家の代表作を観る機会がやってくるとは。前回カラヴァッジョ展から僅か3年、こんなに早く回顧展が開催されるとは。想像できなかった。
楽しみ!!!
名古屋と大阪への各2回の遠征は確定!!
札幌へは、出品内容を確認してから遠征するかどうか考えたい。
【追記】公式サイトが開設!
神か。怪物か。- 天才画家の闇と光。
超絶画力!- 何者なのか?カラヴァッジョ
【追記 2019.7】
公式サイトが更新。「みどころ」「展示作品紹介」が公開。
【章構成】
第1章 1600年前後のローマにおけるカラヴァッジョと同時代の画家たち
第2章 カラヴァッジョと17世紀のナポリ画壇
第3章 カラヴァッジョ様式の拡がり
【出品作】
〈公式サイト「展示作品紹介」掲載7点〉
カラヴァッジョ
《法悦のマグダラのマリア》
1606年
個人蔵
札幌◯、名古屋◯、大阪◯
カラヴァッジョ
《メドゥーサ》
1596~1598年頃
個人蔵
札幌◯、名古屋◯、大阪×
カラヴァッジョ
《執筆する聖ヒエロニムス》
1605~1606年
ボルゲーゼ美術館蔵
札幌×、名古屋×、大阪◯
カラヴァッジョ
《リュート弾き》
1596年~1597年頃
個人蔵
札幌◯、名古屋◯、大阪◯
カラヴァッジョ
《病めるバッカス》
1594年頃
ボルゲーゼ美術館蔵
札幌◯、名古屋×、大阪×
カラヴァッジョ
《ゴリアテの首を持つダヴィデ》
1609~1610年頃
ボルゲーゼ美術館蔵
札幌×、名古屋◯、大阪×
カラヴァッジョ
《ホロフェルネスの首を斬るユディト》
1602年頃
バルベリーニ宮国立古典美術館蔵
札幌×、名古屋×、大阪◯
〈札幌展のチラシ掲載作品(上記以外)4点〉
カラヴァッジョ
《女占い師》
1596〜97年頃
カピトリーノ絵画館蔵
札幌◯、名古屋×、大阪×
カラヴァッジョ
《瞑想するアッシジの聖フランチェスコ》
1605〜06年頃
バルベリーニ宮国立古典美術館寄託(サン・ピエトロ聖堂、カルピネート・ロマーノ蔵)
札幌◯、名古屋△、大阪△
カラヴァッジョ
《歯を抜く人》
1608〜10年頃
ピッティ宮パラティーナ美術館蔵
札幌◯、名古屋△、大阪△
カラヴァッジョ
《洗礼者聖ヨハネ》
1609〜10年頃
ボルゲーゼ美術館蔵
札幌◯、名古屋△、大阪△
でも、どうするか悩むところです。バルベリーニのユディトは4年前にローマへ行った時にしっかりと目に焼き付けてきたので、大阪へ行く必要はないのですが、ボルゲーゼへ行ったのは40年近く前で、その頃はカラヴァッジョのことをよく知らなかったので、病めるバッカスもダヴィデも全く記憶がありません。名古屋へは行くとして、バッカス1枚のために札幌へ行くかどうか。観光と美味いものを目当てに家族と旅行ということも考えます。(3都市全部行くならローマへ旅行した方が安上がりかも。でもボルゲーゼは長時間見ていられませんが。)
残り6点が分かるのはいつになるのでしょうね。2016年6月8日付けの貴ブログ記事「日本におけるカラヴァッジョの50年」を見ると、私個人としてはデトロイトの「マグダラのマリアの回心」に来てほしいと思います。
コメントありがとうございます。
3度目のカラヴァッジョ展、今から楽しみです。
残り6点が気になるところですね。
むろさんさんが期待するデトロイト美術館《マグダラのマリアの回心》、見たことがないので私も期待したいです。
個人的には、初来日3点の顔ぶれから、過去2回のカラヴァッジョ展と同様にイタリアからの出品が主となると思われること、また、美術手帖の記事に「そのほかにも本展では《マグダラのマリア》など、東京でも話題を呼んだ作品の数々(中略)も展示」とあることから、新たな初来日作品はあってもあと1点かなと予想しています。
あと1点のイタリアで期待したいのは、
カピトリーノ美術館《洗礼者ヨハネ(解放されたイサク)》
ドーリア・パンフィーリ美術館《エジプト逃避途上の休息》《改悛のマグダラのマリア》
あたりでしょうか。
サンタゴスティーノ聖堂《ロレートの聖母》
だったら歓喜なのですけど。
今後の発表を待ちます。
また、2016年の西美の時は日伊国交樹立150周年だったことを考えると、今回の目玉の初公開3点がイタリア国内所蔵品なので、2016年と同様で何かイタリアとの記念日がらみという気がします。そうなるとイタリアにある作品しか出ないのではないかと思います(デトロイトやルーブル、ウィーンは無理か)。
カピトリーノのヨハネは私も見ていません。4年前に行った時は女占い師だけでした。(ベルニーニのメデューサの彫刻も貸出し中で見られず。なお、このメデューサと今西美ルーベンス展に出ているラオコーン頭部―ベルニーニと推定?―がよく似ていると感じています。)2016年の西美の時はヨハネを期待していたのに、女占い師の方だったのでがっかりしたことをよく覚えています。
サンタゴスティーノのロレートの聖母は最近のミラノの展覧会に出たようですが、国外(少なくとも欧州以外)への貸出しは多分無理でしょう。また、この絵は絶対現地の教会で見るべきと思います。30数年前に初めて行った時はラファエロの絵を見るのが目的で、ロレートの聖母はついでに見たという程度だったのですが、4年前は興味が逆転し、ロレートの聖母をじっくり見るのが目的でした。昔は近くにあるSMデラ・パーチェとサンタゴスティーノの2箇所でラファエロを見たのですが、4年前はサンタゴスティーノ近くのフランチエージでカラヴァッジョのマタイ連作を見てからでした。ベルニーニの聖テレジアの法悦でも同様ですが、光の方向なども考えて祭壇に置かれているものは教会の中で見るというのがベストです。(思い切ってローマに行ってしまえば、ドーリア・パンフィーリの絵も見られるし、札幌へも行かなくて済みますが、海外旅行は私にとっても数年に一度というのがやっとです。)
コメントありがとうございます。
初来日作品は既発表の3作品以外はないだろうこと、イタリア国内所蔵品のみの出品となるだろうこと、は私の予想と同じです。今回の開催地から東京が外れていることも、この予想の根拠の一つです。
とはいえ今まで交渉してきた経緯もあるでしょうから、あと1点初来日作品があるかも、あるならばやはりローマかなということで、先の希望作品を挙げました。《ロレートの聖母》は、前に宮下規久朗氏が講演会にて「いい線まで行った」ようなニュアンスの発言をなされたことを思い出しての無謀な希望です。
こうして出品作を予想するのも楽しみの一つですね。まだ先ですが、《ゴリアテの首を持つダヴィデ》や《ホロフェルネスの首を斬るユディト》との対面を楽しみにしています。