丸木美術館は、以前から気になっていた。
神奈川県立近代美術館葉山で≪原爆の図≫第1部と第3部を見たことを機に、初訪問を敢行した。
池袋から東武東上線急行で約1時間弱。
つきのわ駅なら、徒歩約30分。
森林公園駅なら、徒歩約50分、レンタサイクル約20分、タクシー約12分。
東松山駅または高坂駅なら、市内循環バスで約20分。停留所も美術館に近い。料金も100円(均一)とたいへんお得。
ただし、月~土曜日のみ運行(日・祝は運行しない)で、かつ、本数が少ない。
美術館の開館時間に合うバスの本数は、1日あたり東松山駅発が3本、高坂駅発が2本の計5本(帰りも5本)。
バスの時間にあわせての行動が必須。
この辺りの詳細情報は、日・祝はどうするかを含め、美術館HPに記載されている。
私は、行きは東松山駅から市内循環バスで、帰りは市内循環バスで高坂駅へ、とした。
鑑賞開始。
1:原爆の図
当美術館は、≪原爆の図≫第1部から第14部まで所蔵している(第15部は長崎原爆資料館が所蔵)。
私の訪問日は、うち8作品が出張中(葉山、広島、長野)。
第1部と第3部は葉山で見たばかりだが、後期展示の第2部と第4部は当美術館にまだいるだろう、と勝手に想像していたが、展示期間に関係なく一緒に旅立ったらしい。ただ、戻りは別々。前期展示の2作品は先に帰還するらしい。
(展示情報は、見落としていたが、美術館HPに記載されている。)
2階では、第5、8、14部と第1~3部の原寸大複製、第4、12部の縮小複製。
1階では、第9、10、11部。
時間をかけて眺めたのは、第8部(救出)と第3部(水)の複製。
テーマが重すぎて、消化できない。
2:共同制作
1階の一番奥の大きな展示室に、次の大作4点が並ぶ。
≪南京大虐殺の図≫
≪アウシュビッツの図≫
≪水俣の図≫
≪水俣・原発・三里塚≫
3:田中正造没後100年・足尾鉱毒の図(太田市蔵)の特別展示
期間7/13~9/8の企画展。1階。
第1部「足尾銅山」
第2部「押し出し」
第3部「渡良瀬の洪水」
第4~6部は、後期(8/10~)展示。
4:坑夫・山本作兵衛の生きた時代~戦前・戦時の炭坑をめぐる視覚表現
期間7/13~9/8の企画展。1階。
世界記憶遺産の炭鉱絵師、山本作兵衛(1892-1984)の作品が60点。
3/16~5/6に東京タワーで開催の山本作兵衛展の出品点数も約60点。ひょっとすると、同じ作品なのかもしれない。
加えて、同じ筑豊を描いた井上為次郎、島津輝雄、山近剛太郎、常磐を描いた大宮昇の絵画作品などが展示。
井上為次郎、島津輝雄、山近剛太郎は、やはり筑豊の炭鉱で働いていた人たち。
山近剛太郎は、重役として。引退後に、絵の手ほどきを受け、描いたらしい。
島津輝雄(1927-1975)は、作兵衛と同じ一炭鉱夫。ただ、描いた時期を見る限り、作兵衛作品の人気を受けて俺も、という感じかも。
井上為次郎(1898-1970)は、作兵衛と同じ一炭鉱夫で、かつ、作兵衛に先立つ時期に描いていたらしい。
大宮昇(1901-1973)はプロの美術家で、仕事で常磐にかかわったのを機に、ということらしい。
鑑賞は、山本作兵衛は軽くにとどめ、井上為次郎≪明治時代の炭鉱風俗≫全13点(強烈な作品群)や、大正期の各産炭地の主要石炭会社の写真帖が中心となった。
この展覧会に合わせ、平凡社コロナブックスから 『山本作兵衛から遡る炭鉱』 が刊行されるとのこと(現時点では未刊)。
美術館の場所は、確かに自然に恵まれて、画家のアトリエにはいいのだろうが、美術館として運営するには苦労が想像される。
真夏の訪問だったが、館内の冷房は扇風機のみ。
帰りのバスの時間に合わせるため、約2時間滞在したが、普段エアコン漬けの身は、結構消耗する。
もう1本、ペットボトルの水を持参すべきだった。