みちのくの仏像
2015年1月14日~4月5日
東京国立博物館 本館 特別5室
特別5室に19点26躯。小規模ながら濃厚。
仏像の魅力を堪能する。
鑿跡の美
No.1 重文≪聖観音菩薩立像≫
平安時代・11世紀
岩手・天台寺
鉈彫像。顔と両腕を除く表面の大半に鑿跡を残す。
この鑿跡が実に美しく、背後を含め、長く眺める。
東日本大震災で傷ついた仏像
No.6 重文≪薬師如来坐像≫
No.7 重文≪二天立像(持国天・増長天)≫
平安時代・9世紀
宮城・双林寺
4/7に発生した東日本大震災の余震で、持国天が倒れ、薬師如来坐像の左腕に衝突、ともに破損。
京都で修復。2年を要したという。
東北地方最初の国宝仏像
No.8 国宝≪薬師如来坐像および両脇侍立像≫
平安時代・9世紀
福島・勝常寺
ボリュームのある豊かな体つき。
平成8年に国宝指定。
貞観地震(869年)を経験した仏像
No.9 重文≪薬師如来坐像≫
平安時代・貞観4年(862)
岩手・黒石寺
肩を張り、体を少し後ろに反らせて、威厳を表わす。
東日本大震災ではもう少しで台座から落ちるところだったらしい。
雪の精 vs 2頭の象
No.11 ≪聖観音菩薩立像≫
平安時代・10世紀
秋田・小沼神社
No.12 重文≪伝吉祥天立像≫
平安時代・9世紀
岩手・成島毘沙門堂
その細身も印象的だが、ここは頭上対決!に注目。
子供はまるで雪ん子のよう、とのキャプション。
東日本大震災の大津波を見た仏像
No.16 重文≪十一面観音菩薩立像≫
鎌倉時代・14世紀
宮城・給分浜観音堂
今回出品の仏像で唯一、海岸沿いの出身。
ひときわ大きい仏像。高さ290cm。そして顔が大きい。
牡鹿半島の先端に近い海岸の高台のお堂に海を臨むように安置されているとのこと。
東日本大震災では、海岸から約100mと近いが高台のために、津波の被害を免れたという。
会期後半は混雑必至。