東西美人画の名作
《序の舞》への系譜
2018年3月31日〜5月6日
東京藝術大学大学美術館
本展の章立て
1:美人画の源流
2:東の美人
3:西の美人
4:美人画の頂点
本展の展示会場は地下2階のワンフロア。3階展示室は使用していない。音声ガイドが無料。
1:美人画の源流
江戸時代の浮世絵美人画。
近世初期風俗画のサントリー美術館蔵《舞踏図》。《寛永美人図》。西川祐信、鈴木春信、勝川春草、鳥居清長、喜多川歌麿、三畠上龍の肉筆画または版画。
2:東の美人
菱田春草《水鏡》、松岡映丘《伊香保の沼》、鏑木清方《一葉》など。
金子孝信《季節の客》は、1940年の卒業制作。銀座の洋装店で雑誌Vogueを見ながらオーダーを考える二人の女性客と店員。画家は卒業ほどなくして出征し、1942年、26歳で戦死したとのこと。
3:西の美人
菊池契月《散策》、北野恒富《いとさんこいさん》、松本華羊《殉教(伴天連お春)》、甲斐庄楠音《秋心》《幻覚》など。
4:美人画の頂点
上村松園の章
・重文《母子》1934年
・《虹を見る》1932年
・重文《序の舞》1936年
・《草紙洗小町》1937年
・《鼓の音》1940年
・《わか葉頃》1939年頃
本展の主役《序の舞》は、2年間の修復作業後、初の一般公開。修復作業は「今の状態をいかに保つか」に基づき、絵具の剥落止めやクリーニング、表と裏の両面から膠の塗布による絵具層の接着を行ったという。また、作品保存の見地から掛軸装から額装に仕立て直したが、その際、額の大きさやマットの色も検討に検討を重ね決定したという。
横浜美術館「ヌード」展と本展「東西美人画の名作」は相互割引を実施というので、どういう関連性があるのか期待していたが、想像どおり、会期と主催の新聞社以外には共通項は見つけられず。