The Art Newspaperによる展覧会入場者数ランキングの推移を見る。
把握できたのは、2006年以降。
★日本が上位独占、10位以内に4~5展がランクインしていたのは、2010年まで。
★ブラジル、台湾が2011年から上位に出始め、2014年はついにベスト10をほぼ独占。さらに2015年は台湾が1〜8位を独占するが、2016年以降は何故か台湾の名が消える。そして2018年はブラジルの名も消え(惜しくも11位が最高順位)、その代わり、中国・上海が初登場し5展がベスト10入り(最高は4位)。2019年は中国・上海が消え、ブラジルが復活しベスト3独占。
★欧米は、人気展覧会でも概ね6〜7千人台まで。日本、台湾、ブラジル+中国の4カ国でそれ以上の入場者数の展覧会が多数あると、上位に登場しなくなる。ただ、2018年は米国がベスト3独占と、2006年以降では初めてとなる欧米勢の健闘。2019年はパリ2展、ワシントンDC1展がベスト10入り。
【2006年】
1位: 6,446人/日 プライスコレクション「若冲と江戸絵画」展(東博)
2位: 6,324人/日 藤田嗣治展(東京国立近代美)
3位: 6,297人/日 パリ(グランパレ美)
4位: 6,296人/日 仏像-木にこめられた祈り(東博)
5位: 6,184人/日 MOMA
6位: 6,039人/日 最澄と天台の国宝(東博)
7位: 5,448人/日 パリ(ルーヴル美)
8位: 5,443人/日 米国(NSU Art Museum Fort Lauderdale)
9位: 5,383人/日 書の至宝-日本と中国(東博)
10位: 5,278人/日 ビルバオ(グッケンハイム美)
【2007年】
1位:10,071人/日 レオナルド・ダ・ヴィンチ-天才の実像(東博)
2位: 9,273人/日 モネ展(国立新美)
3位: 9,067人/日 大徳川展(東博)
4位: 8,585人/日 MOMA
5位: 7,268人/日 ヒューストン美
6位: 6,856人/日 フェルメール「牛乳を注ぐ女」とオランダ風俗画展(国立新美)
7位: 6,239人/日 パリ(オルセー美)
8位: 6,115人/日 ベルリン
9位: 5,375人/日 フィラデルフィア美
10位: 5,269人/日 MOMA
【2008年】
1位:17,926人/日 第60回正倉院展(奈良博)
2位:12,762人/日 薬師寺展(東博)
3位:10,357人/日 パリ(グランパレ美)
4位: 9,531人/日 対決-巨匠たちの日本美術(東博)
5位: 8,735人/日 大琳派展(東博)
6位: 7,101人/日 マドリード
7位: 6,725人/日 東山魁夷展(東京国立近代美)
8位: 6,624人/日 MOMA
9位: 6,571人/日 MOMA
10位: 6,535人/日 MOMA
【2009年】
1位:15,960人/日 国宝 阿修羅展(東博)
2位:14,965人/日 第61回正倉院展(奈良博)
3位: 9,473人/日 皇室の名宝(東博)
4位: 9,267人/日 ルーヴル美術館展(国立西洋美)
5位: 7,868人/日 パリ(ケ・ブランリ美)
6位: 7,270人/日 パリ(グランパレ美)
7位: 6,553人/日 パリ(ポンピドゥ)
8位: 6,299人/日 MOMA
9位: 6,186人/日 MOMA
10位: 5,609人/日 ザ・ハプスブルク展(国立新美)
【2010年】
1位:12,116人/日 長谷川等伯(東博)
2位:10,757人/日 オルセー美術館展2010(国立新美)
3位: 9,290人/日 ワシントン・ナショナルギャラリー
4位: 9,098人/日 長谷川等伯(京博)
5位: 8,436人/日 没後120年 ゴッホ展(国立新美)
6位: 8,073人/日 MOMA
7位: 7,873人/日 台湾(国立故宮博物院)
8位: 7,380人/日 メトロポリタン美
9位: 7,120人/日 MOMA
10位: 7,011人/日 ワシントン
【2011年】
1位: 9,677人/日 ブラジル
2位: 9,108人/日 空海と密教美術(東博)
3位: 8,828人/日 台湾(国立故宮博物院)
4位: 8,025人/日 メトロポリタン美
5位: 7,609人/日 パリ(グランパレ美)
6位: 7,304人/日 パリ(ケ・ブランリ美)
7位: 6,909人/日 ブラジル
8位: 6,716人/日 パリ(グランパレ美)
9位: 6,672人/日 ブラジル
10位: 6,498人/日 エルミタージュ美
【2012年】
1位:10,573人/日 マウリッツハイス美術館展(東京都美)
2位: 7,928人/日 ブラジル
3位: 7,747人/日 エルミタージュ美
4位: 7,611人/日 ワシントン・ナショナルギャラリー(若冲展)
5位: 7,512人/日 ロンドン・ロイヤルアカデミー
6位: 7,374人/日 ボストン美術館 日本美術の至宝(東博)
7位: 6,909人/日 ブラジル
8位: 6,716人/日 ロンドン
9位: 6,672人/日 フィレンツェ(ウフィツィ美)
10位: 6,498人/日 パリ(グランパレ美)
【2013年】
1位:10,946人/日 台湾(国立故宮博物院)
2位:10,711人/日 台湾(国立故宮博物院)
3位: 8,099人/日 ブラジル
4位: 7,364人/日 パリ(ポンピドゥ)
5位: 6,615人/日 マドリード(ソフィア王妃芸術センター)
6位: 6,409人/日 ブラジル
7位: 6,172人/日 ラファエロ展(国立西洋美)
8位: 5,967人/日 上海
9位: 5,896人/日 京都-洛中洛外図と障壁画の美(東博)
10位: 5,761人/日 ブラジル
【2014年】
1位:12,861人/日 台湾(国立故宮博物院)
2位:12,727人/日 台湾(国立故宮博物院)
3位:10,622人/日 台湾(国立故宮博物院)
4位: 9,782人/日 ブラジル
5位: 9,470人/日 ブラジル
6位: 8,936人/日 ブラジル
7位: 8,702人/日 ブラジル
8位: 8,617人/日 台湾(国立故宮博物院)
9位: 8,329人/日 日本国宝展(東博)
10位: 8,120人/日 ブラジル
3位:13,731人/日 台湾(国立故宮博物院)
4位:13,245人/日 台湾(国立故宮博物院)
5位:13,243人/日 台湾(国立故宮博物院)
6位:12,643人/日 台湾(国立故宮博物院)
7位:12,435人/日 台湾(国立故宮博物院)
8位:12,059人/日 台湾(国立故宮博物院)
9位:10,338人/日 マルモッタン・モネ美術館所蔵 モネ展(東京都美)
10位: 9,508人/日 ブラジル
3位: 8,288人/日 ブラジル
4位: 6,777人/日 MOMA
7位: 6,073人/日 メトロポリタン美
8位: 6,014人/日 モスクワ
9位: 5,872人/日 MOMA
10位: 5,710人/日 オランダ、デン・ボス(ボス回顧展)
★この間、おそらく、調査対象とした国・美術館・展覧会も変わってきているだろう。★2017年では、京博「国宝展」や、あべのハルカス「北斎展」など、2018年では東博「仁和寺と御室派のみほとけ」展、2019年では東博「正倉院の世界」展がランクインしていない。何らの理由で、集計対象外となったのだろう。同様のことは、各年・各国であると思われる。