バレーブランシュ大滑降
素晴らしい景色もまだまだ続くけどいよいよ
滑走開始!
今回の凄腕メンバーでは
「脱・クラッシクルート」をやりたかったんだけど、そんなことを言ってられる状況じゃなくなってしまった。
其の一、雪崩の恐れがありすぎ。
其の二、メンバーに体調不良者有。
其の三、ツアーは安全が最優先(当たり前)。
ケイゾーじいちゃんが
99歳で滑ったクラッシックルートでは面白味に欠けるので、滑っては面白いルートを探し、滑っては面白いルートを探す、超ハードな
「カオル企画版バレーブランシュ大滑降」を思い描いていたのだけれどやっぱヨーロッパのスケールはでかい、でかいよ。
おれが想像していた以上にでかかった、そして危険もついてまわってきていた。
ヨーロッパなめんなよ! by P氏
ジャン(仮名)はいつも的確に
おれ達の技量とコンデションを見ている。
おれ達の中で雪のコンディションと滑りの技量がマッチしてガンガン滑れる者は
2人だけだった、数人は技量に問題があり、数人は身体のコンディションに問題があった。
おれが知っているみんなだけど、おれがイメージしているみんなは
最高に調子の良いみんな、気持ち良く滑れてて楽しんでいる時のみんな。
そのイメージでみんなを連れまわすと過去3回のツアーのように
事件・事故が興りえてしまう。
ジャン(仮名)が
再三再四ノートラックのオフピステを滑らずにセイフティーを選んだのは全て同じ理由だろう。

<Karlとジェダイマスター・ジャン(仮名)>
滑りたい人、滑ってみたい人がどうしても表に出やすいけれど滑ることに躊躇してる人、滑ることに
自信がない人も確実にいる。無理をすれば怪我をする、怪我無く
無事に帰ることが旅の最大の目的である。このことをジャン(仮名)は無言で強く教えてくれた。
シャモニーを始めとするヨーロッパで
山岳ガイドをしているジャン(仮名)にとって無事にクライアントを帰すという
ミッションは最大であり最低限なのだろう。そして
人命が掛かった修羅場を幾度となく経験していることも伺える。
ジャン(仮名)は
33年間のガイド人生のなかで一体何を失い、どれほどの経験をしてきたのだろう。ジャン(仮名)と過ごした6日間おれは
何度この問いを自分自身にしたのだろう。。。
「安全第一」。当り前すぎるこの言葉が一番難しいことはおれ自身もわかっていたはずなのに、、、ノートラックを見せてもなお滑らせないジャン(仮名)の姿勢にプロを感じた。
何度も言うが
先週は大変な大雪であった。
今週はこうやって氷河滑降もできているがメインルートをはずれるとクレバスやセラックなどが隠れている、もちろん大事故に繋がるような大きなものは無いだろうが怪我に結びつくようなものはそこら辺に
ゴロゴロしている。
とにかく
素晴らしい天気である。
この景色、この天気、この雪、超サイコー。
こんなバレーブランシュを滑れるなんて
おれ達はなんて幸せなんだろう。