清水寺から八坂神社まで坂を歩いて降りた。
三年坂、二年坂は正式には「産寧坂」「二寧坂」という。
坂の両側には古風な家屋や土産物屋が並び、目と心にはとても優しいが…
かなり急な石の坂なので、足腰には優しくない。
産寧坂からちょっと寄り道するといきなり五重塔が現れた。
法観寺の五重塔、通称「八坂の塔」。
圧倒的な迫力で現れたのに、雅な情緒も感じさせてくれる。
懐の深い京の坂道。
これもまた真実~清水坂の路地から見える電柱越しの八坂の塔
二寧坂には「竹久夢二寓居跡」がある。
美人画の夢二が愛憎のもつれで京に逃げて来た時の下宿あと。
今は夢二の専門店になっているそうだ。
♪ 待てど暮らせど来ぬ人を 宵待ち草のやるせなさ
京の坂道の目に優しい所は、古風な街並みだけではない。
運が良ければ舞妓さんにも会えるかも。
季節は少し違うけど、与謝野晶子の短歌も頭に浮かぶ。
「清水へ 祇園をよぎる 桜月夜 こよひ逢う人 みなうつくしき」
与謝野晶子と言えばもっと情熱的な歌がサントリーのCMにも使われていたなぁ。
♪ 柔肌の 熱き血潮に 触れもみで 寂しからずや 道を説く君
京の坂道は妖艶でしかも、饒舌なのです。