「止於至善」 社外の軍師が語る経営の話 

バックオフィスのDX化支援を得意とする経営特化型税理士です。 
税理士・行政書士 長尾 博 (岐阜県)

偉人から学ぶ心得

2019年01月13日 | 経営
歴史上の人物を、現代風に解釈しなおしてみると、意外にもすんなりと腹落ちすることがよくある。その時代、その背景、取り巻く環境は違えども、人の考え方、人との接し方は、長年変わってはいない気がする。時代を超えた、先人の知恵・経験を現代に照らし合わせてみることで、現代の流動的な経済環境を生き抜く上での、ヒントとなる。今回は、歴史上の人物に、現代的な解釈を付け加え、新たな人物像に変換して現代風にクローズアップしてみようと思う。
ある歴史上の人物を現代版に置き換えるとこんな感じとなる。
① 九州宮崎の出身、年齢は驚きの17歳
② 婿養子として迎えられたのは東北の超名門の老舗企業
③ 本社は山形県米沢市。東京に支社があるが、社員の大半は米沢市在住
④ ここ数年の業績は悪化、100億円あった売上も30億に低下し、今季は15億円に  悪化する見込み
⑤ 資金繰りも悪化、金融機関への信頼も低下し、新規融資が困難な状況
⑥ 地元米沢では、番頭社員や役員を含め古参社員が多い
⑦ 東京では、17歳を始めとした改革派の若い社員が多い
⑧ 青年社長の使命は、財政再建し社員の生活を維持すること。
まあ、これだけのマイナス材料が見え隠れする中で、知識も経験も無い17歳の婿養子がどう会社を建て直して、財政再建に道筋を付けてきたのか、興味はそれだけではない。
本当に興味深いのは、青年社長が貫いた意志、経理理念である。古き慣習に縛られた老舗企業では、質素倹約の改革も、新たな事業への参入も、ましてや、社員を巻き込んでの改革もかなりの難事業であったと予想される。このプロセスを通じて、青年社長は、自分の意思をどう貫いてきたのか、非常に興味深いところだ。この話をして、ジョンFケネディーは、尊敬する日本人として彼の名前を挙げているぐらいの逸材だ。
果たして、婿養子の17歳たる若者が、いかにして会社の組織をぶち壊し、旧抵抗勢力を懐柔しながら、会社の財政を立て直してきたのか、それを支えてきた経営理念とは何だったのか、これこそが、歴史を過去の出来事に留めず、現代にも活きた教科書として脈々と語り継がれてきた最良の処方箋でもあると言える。そう、上杉鷹山公こそ、今の時代の手本となり、会社の財政再建を成し遂げる際の指針ともなり得る人物であろう。鷹山公の手腕、考え方をここでは、詳細には語らないが、興味がある方は、是非、入門書として、童門冬二著「小説 上杉鷹山」をご拝読頂きたい。きっと、経営者の凝り固まった固定概念から解放され、新たな一歩を踏み出せるきっかけとなるはずだ。

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