翁の徒然なる日々

日々思ったことを勝手気ままに書いています?!

欲望という名の神頼み・・・

2022-12-15 11:30:00 | 四方山話
 八百万の神がいるというこの日本、多くの人は無宗教という割には、目の前の現世利益や和らぎを求め、不安、悩み、願い事があると、神さまに祈願します。もちろん翁もその一人、いやはやなんとも。

 昔から「鰯の頭も信心から」とか「叶わぬ時の神頼み」、「困った時の神頼み」と言われるくらいですから、本当は神さま仏さまを信じているとも言えます。

 家を建てるときにも鬼門を避けるなどと気にします。方角を見てこの間取りはとか、そして、着工前には地鎮祭として神主さんにお祓いしてもらいます。

 暮れになると地元でもそうですが、「酉の市」が開催され、商売繁盛と大きな熊手を担いで帰る参拝客の姿を見かけます。

 日本のクリスマスはあまり宗教色がありませんが、大晦日の夜、紅白歌合戦が終わり、除夜の鐘を聞きながら年を越し、元日には、初詣で神社に並び参拝、一年の家内安全と家族の健康を祈願します。自分を始め多くの日本人の普通の年末年始ですね。



 初詣では、「おみくじ」を引き、その年の運勢を占います。吉だ大吉だぁ、ああ〜凶だったぁ、などと、誰も分からない未来を知りたがります。でも吉や大吉は覚えていますが、おみくじの中身はすぐ忘れてしまいます(苦笑)。

 年が明け、七草粥を頂き、受験生の親は湯島天満宮(湯島天神)などに合格祈願、そして節分ともなれば、「恵方巻」などと言われ、再び運を引き寄せようと太巻き寿司を大きな口へ。何だかんだ言っても、何でも神頼み、宗教団体の悪口は言えませんね。

 野球では、大魔神と言われた選手、サッカーではゴールキーパーは守護神と言われていますし、その昔、「神の手」を持ったディエゴ・マラドーナという選手もいました。そう言えば、そのアルゼンチンがその時以来のW杯の決勝に進出しました。

 戦争中の神風云々や貧乏神はごめんですが、「福の神」は大歓迎、自分で言うのも何ですが、翁は結構欲の塊です(笑)。

 でもね~、小さい頃からそうやって今まできていますので、今さらね~、本当に結構欲の塊と言われても、反論できません。

 お釈迦様は「欲望は危険」と仰ったそうです。

 年収が500万円あればもっと欲しい、800万円、せめて1,000万円、1,000万円になると、いや、2,000万円、3,000万円とバナナの叩き売りと逆に上がっていきます。
  
 お金のある人と我々貧乏の人は、ある意味相対的な関係ですよね。貧乏人がいなければ金持ちはいません。それに全員が金持ちなんてあり得ません。

 悲しいかな、人間の欲には塩水を飲むようにキリがありません。もっともっともっと〜、と、必ず欲しがり、欲が膨らみます。やはり欲望は危険なのかもしれません。



 ところで、先日、『男はつらいよ』シリーズの常連、源公、源ちゃんこと俳優の佐藤蛾次郎さんの訃報が伝えられました。

 いつも柴又帝釈天の境内を箒で掃いていた源公、源ちゃん、貴重な脇役でした。

 彼がいなければ兄貴分の寅さんは頭をた叩けません。一方、頭を叩かれなくては、源公は存在感がなくなります。やはり相対的な関係です。

 主役よりは脇役、源公を演じた佐藤蛾次郎さんは、「主役より、脇役、お寿司で言えばワサビ、そのワサビのような存在になりたい」と仰っていました。けだし名言、もう達人の域ですな。

 源公、源ちゃん、蛾次郎さんのご冥福を謹んでお祈り申し上げます。
 
 合掌

 終わり




備考:カバー画像は「©いらすとや」さんのイラストを使わせて頂きました。感謝!