隠れ家-かけらの世界-

今日感じたこと、出会った人のこと、好きなこと、忘れたくないこと…。気ままに残していけたらいい。

壊れそうで壊れない声とパフォーマンスとバンドの音!~エレカシ武道館

2025年01月08日 20時58分55秒 | ライブリポート(音楽)

2025.01.04
エレファントカシマシ「新春ライブ 2025」
at 武道館





          


 ようやく、レポが書けそう。
 今日締切の仕事をさっき終えました!


先にセットリストを!
▼第1部
 01 大地のシンフォニー
 02 新しい季節へ君と
 03 悲しみの果て
 04 デーデ
 05 星の砂
 06 珍奇男
 07 月と歩いた
 08 シャララ
 09 今宵の月のように
 10 リッスントゥザミュージック
 11 翳りゆく部屋
 12 RAINBOW
 13 ガストロンジャー

▼第2部
 14 桜の話、舞い上がる道を
 15 ズレてる方がいい
 16 笑顔の未来へ
 17 so many people
 18 友達がいるのさ
 19 俺たちの明日
 20 yes. I. do
 21 Destiny
 22 愛すべき今日
 23 ファイティングマン
 24 男は行く

▼ENCORE
 25 待つ男


 夕方5時開演。
 駅のトイレの行列に恐れをなして武道館までたどり着いたけれど、ここも混んでた! 当たり前だけど。
 前の女性と話しながら焦る気持ちをどうにか封じ込めていたけれど、終えて階段を昇り始めたところで大きな拍手と歓声!
 駆け上がってドアに手をかけたところで、「大地のシンフォニー」
 席に着くか、ここで1曲目を聴くか、迷っているうちに曲は進んで、この壮大なロックナンバーをじっくり味わえなかった後悔・・・。(もっと早めに来よう、これからは)


 2Fの最上段の天井に頭がつきそうな席に駆け上がって、おお、小さいけど、よ~く見えるじゃないか、どうってことないさ、と思って落ち着く間もなく、「新しい季節へ君と」
 この2曲に背中を優しく押されて、私の2025年が始まった・・・かのようだ。
 宮本さんの声が十分に優しく沁みてくる。

 黒いジャケットの中は、いつものように白いシャツ。
 ステージはごくごくシンプルで、金原さんらストリングスの皆さんが左手奥に、右手にバンドメンバー、中央?に奥野さんやコジローさん。
 真上から見下ろす感じなので、アリーナとはきっと異なる景色が見えているんだろう。

 「代表曲です」と言って聴こえてきたのがあの曲! 「悲しみの果て」、イントロだけでやっぱり心が泣けてくる。
 続いて、いつものように「バラード」と紹介されたのが、「デーデ」
 ここから、「星の砂」「珍奇男」「月と歩いた」「シャララ」までのエピック時代の怒涛の流れはよかったなあ。
 昨年は宮本さんのソロ活動で、エレカシのライブは皆無だったし、ここへの熱量はファンだけじゃなくバンドにも?と勝手に思ってしまったけど。
がむしゃらなトミのドラムがガンガン伝わる。
 「珍奇男」の「オットット♪」がいつもより多くなかった? 溜めてたものが湧きだすみたいに、永遠に続きそうだった?「オットット」。曲終わりで鳴りやまない拍手が忘れられない。
 そして、「月を見ると歌っちゃうような・・・そんな歌です。みんなにもそういう経験がある?」で始まったのは、「月と歩いた」。ライブでいつ聴いたか、それとも聴いたことがあったか、記憶にないくらい。すごいね、二十歳そこそこで、こんな心境を枯れた言葉で表現しちゃうなんて。月明かりの下を歩く誰かが見える気がした。声が限りなく優しくて寂しい。
 事件?が起きたのは、次の「シャララ」が始まってしばらくして。
 演奏をとめた宮本さんが、アリーナ席の一点を指して、「リズムが変わるから動かないでくれる? 目障り・・・、目に障るから、前のほうだからさ。ごめんね」と。
 アリーナ席にいた知り合いによると、そのあと彼女の周囲にいた人たち、「お地蔵さんみたいに動かなくなった」(笑)。
 尖ってて真面目な宮本さん健在の事実。
 ひさびさに、思い出してしまった。客がヘンな間合いでおかしな声かけをしたり、手拍子なんてしようものなら、キレて「黙れ!」とか「出てけ!」とか「つまみ出せ!」とか言って、平常心に戻るまでわれわれに説教したりダラダラ話し続けて15分経過、なんてこともあったこと。あれがちょっと気持ちいいスリルだったことも。
 それに比べたら、言い方は冷たかったけどソフトだったし、「目障り」を言い換えたし、最後に「ごめんね」だもんね。それに、「シャララ」、たしかに変則的なリズムで、こっちも実は動きにくいから突っ立って聴いてるしかないか。
 私が言うことではないけど、注意された方、もし初エレカシだったら、これに懲りずに、またぜひ来てください。結構はまりますから。

 そして、もう少し大人になってからの「今宵の月のように」「リッスントゥザミュージック」「翳りゆく部屋」「RAINBOW」「ガストロンジャー」
 特に個人的には、「翳りゆく部屋」「RAINBOW」「ガストロンジャー」の流れが圧巻。
 宮本ソロライブには行ったことなくても、テレビで見た「翳りゆく部屋」と「赤いスイートピー」はもう完全に彼の歌だな、と感動した記憶がある。
 アリーナにいた知り合いは、私の誘いでエレカシライブに行ってファンになって、でもエレカシがライブやらないから宮本ソロライブに通ってすっかりミヤジファンになったという経緯があるんだけど、その彼女が「『翳りゆく部屋』はソロのときと全然違っていた。ソロのときは小林武史さんの美しいピアノをバックにシンガーとして完成された作品になっていたが、バンドでの『翳りゆく部屋』は、なんじゃ、あの破壊力は! びっくりした」と。あくまでも彼女の感想なんだけど。
 「RAINBOW」の最後「嘘じゃないさ♪」のあと、スクリーンには数秒間、宮本さんのフリーズした表情が映って、それからフッと小さくかすかに笑ったところ、そこまでがたしかに「RAINBOW」だった。
 そして、「ガストロンジャー」。驚きの声量、変わらぬ訳わかんない動き、会場を引っ張り込むオーラ、なんだろうね、と思いつつ、さっとはけていくメンバー。


 第2部はそれほど待たせずに、またまたシンプルに登場。
 「桜の話、舞い上がる道を」はピンクの花びらの舞わないシンプルな演出だったけど、これがエレカシ!と思わせる新春のこの曲(花びらが舞っても、きっと、これがエレカシ!って言うであろう私ですが)。

 「ズレてる方がいい」では、バンドサウンドがお腹に響いて、圧倒的なパフォーマンス。
 「笑顔の未来へ」では、スクリーンに涙を流す宮本さんが映って、こっちまで何かが溢れるそうになる。
 「so many people」は素直に自然に安心して?盛り上がれる曲で、今回も明るい会場でたくさんの振り上げたこぶしの波に揺られていた。

 「東京中のあかりを消して♪」の優しい声から、「出かけよう 歩くのはいいぜ」の説得力。「友達がいるのさ」は、私に語りかけてる?と錯覚させるほどの、押しつけがましくない説得力に胸が震える。
 「destiny」「愛すべき今日」は、たまたま聴きたかった曲。
 「愛すべき今日」は声が神がかっていた。強いだけではなく、体温のように温かい。高まる美しいメロディーと力強い言葉を宮本さんの声が包む。


 第2部は「ファイティングマン」の盛り上がりで終えるのかと思っていたら、なんと「男は行く」
 10年前のさいたまアリーナ(ココ)のアンコールが「男は行く」「待つ男」の2曲だったが、私にとっての「男は行く」はそれ以来。
 24歳だった宮本さんは、何に向かって闘っていたんだろう、「男よ 行け 男よ 勝て 男よ 行け 行け♪」。
 あの頃だから書けた歌詞、思い・・・。時代が移り変わって、ひょっとして、今はもう書けない言葉たちかもしれない。私は男じゃないけど、不思議な思いに突き動かされる。「男! 男!」、ジェンダーの議論を飛び越えたところにある思い? それでもあの頃、これを書いておいてくれてよかった、そんな気がする。
 絶叫に近い声を、私たちは不動の姿勢で聴く、おかしな空間。すぐ前の男性はまっすぐ腕を伸ばして直立不動、それもなんだかかわいい(と言ってはいけないか)。
 エレカシ、そしてサポートの奥野さん、コジローさんのグルーヴが最も高く浮遊して見事! 「破綻」という単語がふっと頭をよぎるくらいの緊張感と感動。
 エレカシの闘い、そしてそれを受ける私たち。「私もエレカシに負けない」とか。
 それにしても、この曲、どうやって宮本さんのボーカルにバンドサウンド合わせてるのか・・・。リズムを読むの、不可能じゃないの?などと思う。長年の経験? 勘なわけないか。
 ソロツアーを終えてからの短時間に、バンドとしてここまで高みで完成させて武道館に臨んだんだろう。フロントマンが長い散歩に出ている間、メンバーはちゃんと心も体も技術も備えて待っていたんだろう。バンド!!だよね。

 そしてアンコールは、やっぱり「待つ男」。ド迫力の「待つ男」。どこまでも昇りつめる「待つ男」だな。
 スクリーンに映った赤い照明を浴びた宮本さんの顔、小鬼みたいに見えた。
 「いい1年にしましょう。1年と言わず2年も3年も」と言っていたけど、あの小鬼の顔を見ていたら、ちょっと不気味で、今年も波乱?と怖くなってしまった。
 そして、登場もそうだったけど、退場も静かにはけていく。唯一トミ一人だけ客席に手を軽く振っていたように見えたんだけど。
 50歳前後の作品「yes. I. do」~「Destiny」~「愛すべき今日」のあとに続くエピック時代の「ファイティングマン」「男は行く」「待つ男」。どちらもエレカシで、円熟も未完成も強さも弱さも、いつも彼らを取り巻いているんだろうと思わせてくれる。それがファンにはたまらなくうれしい。

 宮本さんの弦の切れそうな演奏、壊れる寸前みたいだけど絶対に壊れない声。
 石くんのギターも音量たっぷりでちゃんと耳に届く。肩を組まれた姿も見えた。
 宮本さんが手招きして聴けた成ちゃんのベース。ドラムの音も強くて、リズム隊、最高!

 言葉では表せないイライラを感じつつ、それはこっちの能力不足。悔しいけどしかたない。
 とにかく、ライブを見て、初めて良さがわかるバンド、それに尽きるかな。
 ソロもいいけど、バンドの音をたくさん聴かせてほしい、そう言っておこう。



◆金原千恵子さん
  https://x.com/chiekokinbara/status/1875596558231859628
◆奥野真哉さん
  https://x.com/shinyaokuno/status/1654838250262114304
◆佐々木”コジロー”貴之さん
  https://x.com/kojiro_guitar/status/1875814259210481815



 今回はとくにダラダラだな、恥ずかしい。
 でもこう書くしかない。
 最後まで読んでくださって、ありがとうございます。


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