2021.03.07
「草野マサムネのロック大陸漫遊記」
FM TOKYO
草野「世の中、春めいてきまして、三寒四温が一寒四温くらいになってきているのでしょうか」
(うまい!)
だけど、草野くんの言うとおり、案外、心身のバランスを崩しやすい時期でもあります。
今回は、【2011年の日本のロックで漫遊記】。
この3月で、「東日本大震災から10年。最近も大きな地震がありました」。
草野「あの頃の曲を聴きながら、防災の知識、思いやりの心を少しでも取り戻せたら」
草野くんが個人的に印象に残っている曲で漫遊です!
オンエア曲
01 初恋に捧ぐ(スピッツ)
02 カロン(ねごと)
03 賽の河原(BRAHMAN)
04 圏内の歌(七尾旅人)
05 恋するロデオ(毛皮のマリーズ)
06 バイシクル(NICO Touches the Walls)
07 I love you & I need you ふくしま(猪苗代湖ズ)
08 Make No Systems(BARBARS)
漫遊前の一曲は、スピッツのカバー曲「初恋に捧ぐ」(2012年、スペシャルアルバム『おるたな』/オリジナルは、2002年、初恋の嵐)。
言わずと知れた、初恋の嵐の楽曲。すばらしい!
(彼らのカバー曲の中でも五本に指に入るくらい好きな曲です。前のめり気味なテンポも、演奏も、ボーカルの無防備な感じも、まさしく「初恋」!)
最初の曲は、ねごとで「カロン」(2011年、1stシングル)。
auのCMで印象的だった、と。
LISMO! for Android au
(このCMは記憶にないんだけれど、すごくいいですね)
震災の影響でなのか、「流れていた期間は短かった」。
その後もスピッツのイベントに何度も出演していたが、「残念ながら解散してしまった」。
「かろん」は、「今でもたまに聴きたくなります。10年前の曲とは思えない新鮮さがある。名曲だと思います」。
(﨑ちゃんはこんなイベントで、ドラムの小夜子さんと共演していました(ココ)
おっ、ここでBGMに流れたのが「マルマルモリモリ」。
草野「なぜかこの曲を聴くと涙が出そうになる。とてもいい曲だと思います」
2011年・・・、ロック以外だと、草野くんにとってはこの曲!
芦田愛菜ちゃんと鈴木福君。
今では、大河ドラマで細川ガラシャを演じる大人の役者になった愛菜さん、青年になって「テレビで拝見するとガン見してしまう」福君。「時の流れを感じます」
そして次は、BRAHMANの「賽の河原」(2011年、4thシングル「霹靂」より)。
それまでもかっこいいバンドだと思っていたが、「このころから日本語の歌詞になって、歌がよりスーッと脳内に入ってくるようになった。歌詞自体は難解なんだけど」。
草野「TOSHI-LOWくんの被災地への姿勢もリスペクトしています」
BRAHMAN「賽の河原」
次は、七尾旅人の「圏内の歌」(2012年、6thアルバム『リトルメロディ』)。
デビュー当時から「気になっていた」。草野くんの印象では「初期はアートを感じさせた。シュールなアプローチもあったし」。
(そういう発言をしていたのを覚えている)
「圏内の歌」
草野「今はきれいなメロディーだなと聴けるんだけれど、10年前は、怖いくらい美しい曲だと思った」
テレビで彼が歌っているのを見たとき、「画面にくぎ付けになった」という。
原発事故をモチーフにした楽曲で、「当時、賛否はあったと思うんだけど、あのタイミングでこの曲を歌った七尾くんはスゴイやつだなと思います」。
(このアルバム『リトルメロディ』は、ときどきまじめに聴いています)
FUKUKOU LIVE vol.01 - 七尾旅人『圏内の歌』
(「子どもたちだけでも どこか遠くに逃がしたい 離れられない 小さな街」。遠くにいた私のような人間にも、それなりの切羽詰まった感覚があった)
次は、毛皮のマリーズの「恋するロデオ」(2011年、6thアルバム『ティン・パン・アレイ』)。
それまでは正攻法のグラムロックだったのが、このころ、「いい意味でジャンルにとらわれず、当時メチャメチャ気になった」。
2011年の夏、新木場サンセットに出演(ココで私も参加しましたっけ)。
(SEKAI NO OWARI、高橋優さんは、次の日に出演かな)
この曲は、「アルバム『』のジャケットのパリの俯瞰の写真と合っていて、とても切ないです」。
(左が初回限定盤、右が通常版のジャケットのようです。女性がどこにいるのか、何を見ているのかが通常版で明らかになる・・・)
草野「イベントの打ち上げで、うちの田村が『志磨くんにいつかスピッツのプロデュースをしてほしい』と言っていたけど、それはまだ叶っていないですね」
(あのイベントの直後、衝撃的に解散宣言。志磨遼平さんはソロプロジェクト「ドレスコード」を立ち上げる)
メッセージコーナー。
コロナ禍で道のごみを拾えなくなったリスナーさん。
持ち歩けるトングがあれば(先日の草野発言)私も欲しい・・・と。
この話題には、「ビニール手袋はいかが?」というアドバイスが何件かあったそうで、
草野くん、実はすでに持ち歩きアイテムに入っているそうで(だから荷物が増えるんだな)、「ビニール手袋をすると、なんかおおげさになっちゃうようで」と。
だったらもう、「手で拾って片づけて、そのあと念入りに手を洗う」がいいかも、と思い始めているそうです。
次は、NICO Touches the Wallsの「バイシクル」(2011年、4thアルバム『HUMANIA』)。
2011年の宮藤官九郎脚本のドラマ『11人もいる』のオープニングテーマ。
https://rockinon.com/news/detail/57985
(懐かしい。見ていました!)
草野「メチャメチャおもしろくて、ハートウォーミングなドラマ。ブレークする前の星野源くんや有村架純さんも出ていて」
被災地から引っ越してくる子どものエピソードが心に残っている、と。
(ホント。まさしくそうでした、神木くんの奮闘ぶりも印象的)
この「バイシクル」自体がいい曲で気分も上がるから、「今もたまに聴きたくなる」と。
(NICO Touches the Wallsは2019年に解散。光村くんの草野マサムネ愛はよく耳にしました)
最後は、ふくしま(猪苗代湖ズ)の「I love you & I need you」(2011年)。
猪苗代湖ズは、2010年、裏磐梯高原で開催された「風とロック芋煮会」で、クリエーターの箭内道彦さんを中心に福島県出身のメンバー(サンボマスター/山口隆、TOKYO No.1 SOUL SET/渡辺俊美、THE BACK HORN/松田晋二)で結成されたバンド。
この曲は震災の数日後に名古屋でレコーディングされ、Tower Records限定で販売され、売上金全額を被災地に寄付。
猪苗代湖ズ / I love you & I need you ふくしま (ドキュメント・バージョン)
その年の紅白で猪苗代湖ズのライブを見て盛り上がった草野くんは、そのあと、TFMの年越しの生放送に彼らが出ると知って、今なもうないスペイン坂のサテライトスタジオに駆けつけた! 「で、普通にファンに混ざって山口君の話をきいていた、という思い出がよみがえります」。
(こういうエピソードをきくと、アーティストである前にリスナーでありファンである、と自分のことを語る彼のバックボーンが見えてきますね)
(私自身は、翌年夏のROCK IN JAPAN FES.(ココ)で、この歌を聴いて、忘れられない経験をしました。)
特集の最後に。
草野「今日かけたバンドは、BRAHMAN以外はもう解散してるんですね。それがちょっと寂しいかな」
東日本大震災の被災地には草野くん自身行ってみたいところがあって、チェックしつつ訪れてはいたんだけれど、去年から、それもままならない・・・と。
草野「コロナが落ち着いたら、陸前高田、大船渡、そして友人が住んでいる南相馬にも行ってみたい」
そして、防災グッズのチェック、家族とも連絡方法など、確認しましょう、と。
そして、「ちょっぴりタイムマシン」のコーナー。
(「テレビ」のイントロで)
曲は、BARBARSの「Make No Systems」(2009年、3rdアルバム『OPEN!!!』)。
PVがかわいくて、衣装や使っている楽器もかわいくて注目したバンドだそうです。
Make No Systems/BARBARS
2011年の1~2月頃、このバンドの高円寺風味、サブカル風味にハマったが、震災後ちょっと忘れていた。半年ほどして、この曲を普通に聴ける自分に気づいて、「ああ、オレ、メンタルがもとに戻ってきたな」ということを確認させてもらった、と。
今回の特集。
あの当時の自分を、そして今を、大げさに声高に説明するのではなく、それでも率直にシンプルに具体的に自身の言葉で振り返ってくれて、とても深く刺さる時間だったように思う。
自分自身も、忘れていたことを少しずつ取り戻すために、あのころの写真や書き留めたものを開いてみるのもいいかもしれないと思うようになった。
きっと、それぞれの方法で、それぞれの時間の中で。
そして来週は、お待たせしました! 「好きなドラマー リクエスト その1で漫遊記」。
「ロック大陸漫遊記らしい、ロック大陸漫遊記ならではの企画!」と。
草野「オレの中では、ロックと言えばドラム!という意識なので、ドラムサウンドに集中して楽しんでいただけたら」
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