隠れ家-かけらの世界-

今日感じたこと、出会った人のこと、好きなこと、忘れたくないこと…。気ままに残していけたらいい。

スピッツも小さな箱で、お酒を飲むお客さんの前で~パブロックで漫遊記

2022年02月14日 19時33分58秒 | スピッツ

2022.02.13
「草野マサムネのロック大陸漫遊記」
 FM TOKYO



 導入からメッセージ?
 訪れたお店でカッコいい曲や好みの曲がかかったりすると、その店が好きになる,というリスナーさん。
 (わかるわかる。学生の頃、流行りの洋楽をBGMで流している店が多かったんだけど、好きな曲が連続でかかったりすると、しばらくは授業のあいまに訪れる店になったりしたなあ・・・遠い目)
 ココ壱番屋はフュージョン系のジャズがかかっていてお気に入りだそうだ。
 それに対して、草野くんが語ってくれたラーメン屋さんでのエピソード。
 最近はオシャレなBGMに使っている店もあるけど、「J-POP流している店、多くないですか?」。
 昔よく食べに行っていたラーメン屋さんは、カウンターがコの字型になっていて(よくあるレイアウト)、ある日有線でスピッツの曲が流れたそうだ。
 そうしたら対面のお客さんが草野くんをガン見してきて、「(自分のことを)スピッツのボーカルと気づいたのか、単純にオレのことが好みのタイプだったのか(笑)、わかんないっすけど、自意識異常スイッチが入ってしまって、ラーメンの味がわかんなかった」ことがあったんだと。
 (有名人あるある、なのかな。もし有名人が目の前でラーメン食べてたら・・・どうしよう。オダギリジョーだったら心臓バクバクでこっちもラーメンの味わからなくなりそうだな)
 (そういえば、元フォーリーブスの北公次さんが亡くなる数年くらい前に、京王線の電車内でお見かけしたことあったな。ガラガラの車内で斜め前に座って本を読んでいて。ファンではなかったけど、あまりにステキな佇まいに、まるで見てはいけない絵画を鑑賞するかのように、ドキドキしながら盗み見していたワタシは、たぶん怪しいおばさんだっただろうな)
 だから草野くんは初めて入ったお店の有線でJ-POPが流れたりすると、行くのを避けることになる、と。(好きになるパターンの逆バージョン?)
 「流していただいていること自体はありがたいことなんだけど」と気遣いを忘れぬボーカル。

 そして、今日の特集は、【パブロックで漫遊記】。
 パブロックをいうと、「パブでウイスキーをロックで飲んでるイメージを持つ方もいらっしゃるかもしれないが」・・・。(いやいや)
 「パブロック」は、70年代中期にイギリスで盛り上がったロックのムーブメント。
 当時、レッド・ツェッペリンやピンク・フロイドなどアリーナクラスのステージでライブを行うバンドが増えた中で、あえてパブのような小さな箱でライブを行うバンドたちを盛り上げて、再び身近なところにロックを取り戻そう、という動き。
 おもに労働者階級の支持を受け、ロンドンパンクの源流ともなった「パブロック」の特集。


 オンエア曲
 01 ベビーフェイス(スピッツ)
 02 Roxette(Dr. Feelgood)
 03 (What's so Funny 'Bout)Peace, Love, and Understanding(Brinsley Schwarz)
 04 Dancing the Night Away(The Motors)
 05 White Honey(Graham Parker)
 06 Sex & Drugs & Rock & Roll(Ian Dury)
 07 Motor Boys Motor(The 101ers)
 08 謎はと・か・な・い・で(加藤有紀)
 09 醒めない(スピッツ)


 漫遊前の一曲は、スピッツの「ベビーフェイス」(1994年、8thシングル「空も飛べるはず」のカップリング/5thアルバム『空の飛び方』にアルバムバージョンを収録)。
 「パブロックのジャンルに近いかな?」ということで選曲。
 (幼ささえ感じさせるボーカルの声、時代がぐ~んとさかのぼって、切なくなりますね~)

 最初の曲は、「1971年デビュー、パブロックの代表的バンド」、Dr. Feelgoodの「Roxette」(1975年、デビューアルバム『Down By The Jetty』)。
 オリジナルメンバーは一人も残っていないが、今も活動を続けている。
 このバンドがパブロックの代表だと草野くん自身も思っていて、パブロックはR & Bな音楽だと捉えていたが、必ずしもそうではなかったようだ。
 初期のころはカントリーミュージック寄りだったり、スカやレゲエを取り入れていたり、あるいはビートルズのようにポップなバンドもいたりして、「(パブロックは)パブみたいなところで演奏していれば、音楽ジャンルはとくに重要ではなかったようだ」と。
 パブロックに関しては、「ずっと誤解していた。だから、Dr. Feelgoodも、代表的なバンドではあるけれど、あまたいるパブロックのバンドの一つの方向性にすぎない」と。
 (この曲を、パブで飲みながら聴いたら気持ちいいだろうなあ)

 次は、Brinsley Schwarzの「(What's so Funny 'Bout)Peace, Love, and Understanding」(1974年、6thラストアルバム『The New Favourites of... Brinsley Schwarz』)。
 このバンドもDr. Feelgood同様、パブロックを代表するバンドだが、「メチャメチャ、ポップでカントリーテイストもあり、聴きやすい」。
 のちに、ソロでもプロデューサー(コステロとかね)としても活躍したニック・ロウが中心メンバーだったことでも有名。
Brinsley Schwarz - Ballad Of A Has Been Beauty Queen (1970)

 草野「さっきかけた『ベビーフェイス』は、このバンドの世界に近いかな」
 (心地よいシンプルなメローディーとリズム。結構好きでした。声もいい)
 この曲は彼らの代表曲となり、のちにエルヴィス・コステロらがカバーしている。
 (以下は、コステロのライブで)
Elvis Costello & The Imposters - (What's So Funny 'Bout) Peace, Love and Understanding ls.mp4


 メッセージコーナー。
 SNSでの打ち間違いが増えて困っているリスナーさんから。
 (うーん、わかる)
 先日は「消化器(正しくは「消化器」)の消費期限がきたので、新しくしました」と打ってしまったとか(笑)。
 「マサムネさんもヘンな変換ミスをしたことありますか?」
 草野くんがiPhoneで「オミクロン」と打とうとすると、「おマカロン」というのが変換リストの上のほうに上がってくる、と。
 (私のでは、「おミクロン」はあるけど、「おマカロン」はないなあ)
 愉快な語彙ではないけれど、「おマカロン」を見て、ちょっとニヤッとしてしまった草野くん。「オミクロンが収まっても、『おマカロン』は脳裏に残りそう」と。


 次の曲は、The Motorsの「Dancing the Night Away」(1977年、デビューアルバム『1』)。
 このバンドは、メンバーそれぞれがUKロックの重要人物というわりには「知名度が低い」。
 長い曲だけど、草野くんが個人的に好きな曲なので「フルで聴いてもらいます」。シングルカットされたものは半分くらいの尺らしいけど、今日はアルバムバージョンで。
 パブロックの括りだけれど、「アリーナとかでやっても普通に盛り上がりそう。のちにチープ・トリックもカバーしている」。
 The Motors - Dancing The Night Away (1977)
 (文句なくカッコいいですなあ)
 クロマニオンズの最新のアーティスト写真(ココ)で、「ヒロトさんがThe MotorsのTシャツを着ていて、ヒロトさん、わかってるな。っていうか、どこで買ったのか、知りたいね。オレも買いたい」と。


 スピッツは最近は大きな会場でもライブができるようになったけれど、インタビューなどで「今後出てみたいライブハウスは?」ときかれると、「新宿JAMくらいの大きくないライブハウスで、たまにやりたいな」と答えている。JAMはもうないけれど。
 そういうところで、キャパの半分より少し多めのお客さんがビールでも飲みながら聴いてくれる・・・。
 草野「自分の基本は、そういうところで歌う人だと思っているので、ホールとかアリーナはちょっと広すぎると思うこともあります。これってすごく贅沢なことを言っちゃってる感じで、すいません・・・なんですけど、正直、そういうことを感じることもありますね」
 (そういうスピッツを聴きたい、と思っているファンも多いだろうし、それはもうどうなの?という難しい問題だろう。きいていると、こちらも切なくなる。いつか人気が衰えて小さな箱でやるようになったら、私は離れずにスピッツファンでいるよ、思っているファン、おおぜいいるだろうなあ。何十年か後にそんなスピッツになれますように・・・)


 次は、Graham Parkerの「White Honey」(1976年、デビューアルバム『Howlin' Wind』)。
 この曲は、「今日の中でもとくに聴きやすい・・・。どっちかっていうとシティーポップな感じかな」。
 先ほどかけたバンド、Brinsley Schwarzがバックをつとめることもあったという。
 Graham Parker & The Rumour Don't Ask Me Questions, Live 1977


 メッセージコーナー。 
「レコードの音って、どんな音だった?」というリスナーさん。
 最近はアナログレコードがブームになっているから聴く機会も増えたかもしれないけれど、若い人は知らないかも。
 「温かみのある音だったかな」と。
 草野「オレ、最近あまり聴いてないから、格付けチェックで目隠しされて聴いても、(どっちがアナログレコードか)ちょっとわからないかもしれないけど。針をおとす儀式もあって、特別なエッセンスになって特別な音に聴こえていたかもしれない」
 (息を止めて針を落としていたなあ)
 リスナーさんがあげていた「ミーコとギター」の音は、今度確認してみるそうです。
 草野「アナログレコードは今後また普及してくるかもしれないね。そうなってほしいという気持ちもあります」


 次は、Ian Duryの「Sex & Drugs & Rock & Roll」(1977年、3rdシングル)。
 草野「すごくファンキーな曲。乱暴に言うなら、エアロスミスの『Walk This Way』をちょっとイギリスっぽくした曲調かな」
Aerosmith - Walk This Way (from You Gotta Move - Official Video)
 
 Ian Duryさんは、「芸人のくっきー!さんみたい」で、ワイルドな芸術家というイメージ(これも「乱暴な言い方をすると」らしい)。
 先ほどのGraham Parkerしかり、この方も、草野くんは最近になって初めて聴いたそうで、「イギリスのロックも、まだまだ聴いてない人がたくさんいるんだなあ」と思ったそうだ。
 (ワイルドな外見に似合わぬ優し気な歌い方。だけど、「エアロスミスの『Walk This Way』をイギリスっぽくした曲調」はちょっとわかんない)
 曲終わりに、「Sex & Drugs & Rock & Roll」を「ちゃんと発音」していました。

 最後は、The 101ers(「ザ・ワンオーワナーズ」と読む)の「Motor Boys Motor」(コンピレーションアルバム『Elgin Avenue Breakdown』、2005年のreissueアルバムから)。
 ロンドンパンクの代表The Clashのジョー・ストラマーが70年代にやっていたバンドで、「プレパンクロックとしてのパブロック」という感じ。
 このバンドのサウンドが、草野くんが昔思い描いていたパブロックのイメージに近いそうだ。「パンクの源」という感じ。でも繰り返し言っているように、「この人たちも数あるパブロックのバンドのひとつ」と。
 (音源をいくつか聴いたけど、本当にかっこいい)


 そして、特集の最後に一言。
 今回の漫遊は「オレも勉強という感じ」だったそうです。
 今はコロナの関係で難しいけれど、先々、パブロック的な、小さな飲み屋やレストランでお酒を飲みながら生の音楽を楽しむということがさらに求められていくのではないか、そうなってほしい、という草野くんの願い。
 「今はデジタルな環境で音楽を楽しむのが主流になっているから・・・」と。
 昔、飲んでいたときに訪れた流しのアコーディオン奏者の方に何曲か演奏してもらって楽しかった思い出もあるそうです。


 そして、「ちょっぴりタイムマシン」のコーナー。
 曲は、加藤有紀の「謎はと・か・な・い・で」(1983年、2ndシングル)。
 このシンガーについては、あまり多くの情報があるわけではなく、草野くんが知っているのは、「1983年のデビュー当時は慶應大の学生」「趣味は川のほとりを散歩すること」「趣味で小説を書いている」という程度。
 草野くんが中学生の頃、「深夜のテレビCM(カメリアダイアモンド)でガンガン流れて」いて、「謎はとかないで~♪」が耳から離れなかったそうだ。
 大人になって、「あれはなんの曲だったんだろう」と調べたらサブスクにもあったそうで、「ちょっとEPOさんとかにも通じる、きらきらして、いかにも80年代ポップス」。
 「俺と同世代の人とは懐かしさを共有できるかな?」
 作曲は井上大輔、編曲はムーンライダーズの鈴木慶一さん、という豪華さ。
 (ほかの楽曲も、キラキラ度が高く、優れもの、な感じです)

 来週は【スティーヴ・ハウで漫遊記】。
 イギリスのロックバンド「イエス」のメンバーとして有名なギタリスト。「60年代から2020年代まで、一貫して独特なギタープレイでロックファンを魅了しているすごい方」。
 来週の漫遊では、そのギタープレイを堪能できるそうです。(またまた楽しみ)

 そして、「草野さん、いまさらですが、あの曲「わすれな」(勿忘)って読むんですね」


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