2018.08.29(水)
新木場サンセット
at STUDIO COAST
http://www.vintage-rock.com/shinkiba-sunset/
雨が降る?という気がかりもあったけれど、何もなく、行きも帰りも順調に。
蒸し暑い中、ちょっとだけ海風を感じて、今年も新木場サンセットに参加できたことに感謝。
最初の頃は、2days、軽くチケットとれた記憶もあるんだけれど(「ロックロックこんにちは」も然り。新木場サンセットがなかったころは深夜バスを利用して仙台から帰ったっけ・・・と遠い目)、最近はなかなか難しい。
若い人を巻き込んでのスピッツおじさん人気もさることながら、若いバンドやアーティストを応援する人の熱い思いもあるのかな。
とりあえず、夏のイベントは今年はこれのみなので、貴重な夜になりました。
先に申し上げます。セットリスト、思いっきり明かしています!
知りたくない方は、これ以上進まないでください。
◆ THE COLEECTORS「忖度じゃなく・・・ごますり?」
セットリスト
☆ MILLION CROSSROADS ROCK
☆ ミノホドシラズ
☆ ドルフィン・ラブ(スピッツ)
☆ 25歳のヘンリエッタへ
☆ 悪の天使と正義の悪魔
☆ 希望の舟
☆ ノビシロマックス
加藤ひさしさんの声は相変わらず、高い声も低い声も体の奥のほうから出ていて、でもちょっとかわいくて艶めかしくて・・・。
そんなボーカリストは、なぜか銀ラメの派手な派手な宇宙服(「宇宙戦艦ヤマト」なの?)。
会場を見渡して、うーん、やっぱ普通のTシャツが多いね・・・って。そりゃそうでしょ。あなたみたいな人を探しても無駄ってもんです。
「ベテランバンド」の枠に変わりはないんでしょうけど(笑)、セトリは今までの新木場サンセット登場のときより「攻めてた?」。勝手にそう評価します。
一昨年の最新アルバム『Roll Up The Collectors』からの「悪の天使と正義の悪魔」「希望の舟」「ノビシロマックス」以外は2000年代の楽曲。どれもこちらの背中を押してくれるものばかり。
コータローさんのぶっといギターにも支えられて、心地よい時間。
スピッツのカバーは驚きの「ドルフィン・ラブ」!! あの印象的なイントロのリズムもきれいにカバーして、「ロビンソン」のときには感じなかったベテランの緊張も初々しく・・・。
「みんなのほうがよく知ってる?」などと言って、いざとなったら・・・わかってるね、などと助けを求めたり。でも57歳の「ドルフィン・ラブ」、とても鮮やかだった。
あとでテツヤくんが「オレたちも20年以上やってない」と。
「20年たつと細胞もすべて入れ替わるから、もう『新曲』?」なんて。
マサムネくんの「スピッツより良くない?」発言もあり。あなたたちのも、そろそろ聴いてみたいけど。
MCもさすが。こちらの気持ちを適度に受け止めて笑わせてくれる。
加藤「ケーキ屋さんがクリスマスがいちばんの稼ぎ時なのと同じで、オレたちはここが稼ぎ時だから。今日の稼ぎで1年食ってるからな。スピッツさん、羽振り?がいいから。なくなったらやばいね」
コータロー「・・・やばいね」
カバーの前には「スピッツの場合は、忖度じゃなくて・・・ごますり?」なんて。
11月公開のドキュメンタリー映画『さらば青春の新宿JAM THE COLLECTORS』についても、
「『カメラを止めるな』より500倍すごいゾンビ映画」
「コータローさんとオレがゾンビに襲われて、どうやって新宿JAMから逃げ出すか、という内容」
「リリー・フランキーさんや峯田くんなど、今売れてる人たちを引っ張りこんだ映画」
とか(笑)。
ゾンビとは裏腹の、モッズ文化を追求した、ときにキュンとなる、コレクターズ全開の映画ときいていますけど。
http://thecollectors-film.com/
http://thecollectors.jp/archives/3594
「マサムネくんがラジオで『コレクターズ、好き』って言ってくれて」(「ロック大陸漫遊記」で特集ですものね。ココ)
「ラジオでかけてくれた曲をやろうかと思ったんだけど・・・。マサムネくん、へそ曲がりだから(違う言い方してたかな?)、選んだコレクターズの初期の曲はキーが高くてむずかしくてできない」
すかさずコータローさんが「いや、オレたちはできるよ(演奏できるよ)」
加藤さん、体力をつけて練習して、「いつかみんなの前で歌ってあげるね!」と言っていました。おじさんのかわいい約束・・・。
◆カネコアヤノ(バンドセット) 「畳のじゅうたん?」
セットリスト(教えていただきました。makiさん、ありがとう)
☆ スーパーカー
☆ カウボーイ
☆ スイミング
☆ ごあいさつ
☆ 祝日
☆ とがる
☆ 恋しい日々
☆ アーケード
マサムネくんが「魔法のじゅうたんじゃなく・・・、畳にじゅうたんに乗って浮遊している感じ」とあとで言ってましたっけ。
やさしい曲調と始まりは穏やかな声。それがいつまでも続くと思いきや、激しく歌い上げるなかで、歌詞も一筋縄ではいかない女の子を連想させて、なんとも穏やかではいられなくなる曲たち。
『やさしい生活』のMVを見て、ちょっと惹かれて、心の中に残っていたけれど、この夜は弾き語りではなくバンドセットによるライブ。
カネコアヤノ『やさしい生活』
張り上げたときの声と、言葉のつながりが印象的。必死なようで、暮らしも恋も、どこか醒めて眺めているような、そんな感じ。とてもおもしろい。
◆キュウソネコカミ「嫌われたって・・・」
セットリスト
☆ タマホーム
☆ TOSHI-LOWさん
☆ KMTR645
☆ ハッピーポンコツ
☆ DQNになりたい、40代で死にたい
☆ ブルース
☆ The band
ワンマンではどうなのかわからないけれど、フェスやイベントでこれをやったら絶対に盛り上がる!というのをたっぷりもってきてくれた、さすがサービス精神旺盛のバンド。
最初が、「唯一のヒットソングです!」で「タマホーム」。
続いて、まさかここでやるとは、という「TOSHI-LOWさん」。
あとでテツヤくんが「『TOSHI-LOWさん』もあるんだから、そのうち『マサムネさん』も作ってくれるかもよ」と言ったら、本人は言下に、
「それを作ったら、キュウソはもう新木場サンセットに出られません。人からどう思われてるか、突きつけられるのは怖いです」
と。笑いながらだけど、たぶん本当にイヤなんだろう(笑)。
人の波の上を歩く、「筋斗雲」に乗る! レキシとのコラボ「KMTR645」を披露、ねずみくん登場(かわいかった~)。
そうそう「DQNになりたい、40代で死にたい」では「ヤンキー こわい」をコール&レスポンス。
それをほんとうに真面目に全力でやっているところに、どこかで感動している私がいましたよ。
「ここまでやるか?・・・嫌われても・・・やる」というセイヤくんの声に、汗まじりの健康的な(笑)悲壮感さえ感じました。
「スピッツのお気に入りのバンドです!」とも言ってたかな?
私は眺めていただけですけど、あのモッシュ、スピッツファンのお姉さんたちは大丈夫だったのでしょうか?
ヨコタくん「スピッツ大好きなんです!(知っていますよ) スピッツみたいなバンドにはなれなかったけど、同じステージに立ってます!」と叫んでいたよ。
最後の「The band」に自分たちの思いをすべてこめて(若いから余裕はたっぷりあったんだろうな)、去っていきました。
◆ ズーカラデル「将来性のあるバンドです」
セットリスト
☆ 誰も知らない
☆ 夜に
☆ 夢の恋人
☆ 友達のうた
☆ 漂流劇団
☆ ビューティ
☆ アニー
札幌を中心に活動している3ピースのロックバンド。
遠目にはアジカンゴッチのような風貌のボーカル吉田さん。
「キュウソネコカミがかっこよくて~」から始まったMCも、言葉を大事にしている感じが伝わってきて、そう、ミュージシャンというより若き文筆家の雰囲気。
このイベントを称して、「今日の出演者とお客さんとで、こんなにも美しい関係性をつくっている」というようなことを言っていたかな。
ライブハウスのお客さんを「愛している・・・とは言えないけど」とか、いちいちこだわるのがなぜか心地よい。
歌詞を全部調べてみたくなる。
そして、軽やかなドラムやギター、ベースの気持ちよいバランス。
私としては最後の「アニー」にやられました。サビのメロディーも秀逸。
ズーカラデル 「アニー」Music Video
次はいよいよスピッツ!とわさわさしていたであろうスピッツファンの心もしっかりとつかんだのではないか?と。
ロフトではじめてスピッツをみたときをちょっと思い出した。いえいえ、ズーカラデルのほうがずっとしっかり音楽していて、確実な要素たっぷりですけど。
先の見えない、でもなんか惹かれる存在に出会うって、奇跡に近いかもなあと。
2018年8月29日の夜、新木場STUDIO COASTでそういう奇跡にぶつかっちゃった人、いたかもしれないな、と思うと、ちょっとうれしくなる。
11月のツアーとミニアルバムのお知らせ。
https://twitter.com/gooutzoo/status/1034772704186916864
「こんなところで宣伝をして」と恐縮する様子にも好感をもってしまったではないか。
「ボクたちみたいなしょうもないバンドにとって、ワンマンってものすごいことで・・・」
というフロントマンの自虐的な、でもおもいきり真摯な思いに、エールを!
ミニアルバム、楽しみにしていよう。
スピッツのMCで、
草野「将来性のあるバンドです!」
テツヤ「いいバンドだよね」
と。
◆ スピッツ「・・・あの曲!」
セットリスト
☆ シロクマ
☆ ハニーハニー
☆ 涙がキラリ☆
☆ 夏の魔物
☆ さらばユニヴァース
☆ がらくた
☆ 甘ったれクリチャー
☆ 8823
☆ こんにちは
encore
☆ シャングリラ(チャットモンチー カバー)
☆ 夢追い虫
このセットリスト、イベントでの限りある曲数の中で、今の「これ」は私には奇跡に近い組み合わせ。
いい夢をみました。
夏のイベントで聴く「シロクマ」の優しいひんやり感。
「ハニーハニー」では、小刻みに腰を振って演奏するボーカルの姿を遠景に拝み(笑)。例の不思議にズレるリズムではなく、ちゃんと曲に合っていたんですけどね。
この曲だったと思うけれど、ギターソロのとき、テツヤ側でボーカルがちょっと前に出ていて、「あ、こういうとき、ソロなのにみんなマサムネを見てるじゃん・・・って思うのかな」なんて、ちょっと笑えました。
そして夏曲「涙がキラリ☆」~「夏の魔物」が続く。とくに「夏の魔物」は当時から好きだった楽曲。今年も聴けて幸せだ。
「殺してしまえばいいとも思ったけれど」ときれいな声で残酷なことを歌うギャップが好きで。
そしてそして、まさかのイントロ・・・、アコギで歌うあのフレーズに、心の中で意味不明は歓喜の言葉! 「さらばユニヴァース」!
「何だって俺にくれ!」は新たなシーンの幕開け?と感じた記憶が。リサイクル事件のあとようやくリリースされた『ハヤブサ』だったし。
リリース当時は、実はこの曲より「甘い手」のほうが何十倍も好きだったのだが(「甘い手」は、今でもゴースカ3曲にあげるくらいに好きですけど)、今はこちらもかなり気になる楽曲になった。テーマというより言葉選びが壮大で、「デコボコの宇宙」だもの。
アルバムと異なって、最後はマサムネくんのアコギとボーカルで、「君はどう思ってる?」で終わるアレンジもなかなかだ。
『ハヤブサ』の曲たち、全曲ライブで聴きたい。
そして、アルバム『醒めない』から、ライブでやっていなかったという「ガラクタ」。言葉遊びの中、メロディーのポップな感じで、ライブでの中等度の盛り上がりが心地いい。効果音?の楽しさも倍増。「楽しい曲」。
そして、ロックな最終に向けて、「甘ったれクリーチャー」~「8823」と進む。
大好きな「甘ったれクリーチャー」。3年前の前回のゴースカで復権した名曲!です(ココです)。しばらくライブでやっていなかった理由が「(存在を)忘れていたから」って・・・。ココでも「ショック度」をしつこく(笑)。
きっと思い出して「ああ、ライブで映えるじゃん」とか認識してくれたんだろうか。それ以来、2年前のミスチルとの対バンで話題になった「ロックロックこんにちは」20周年、新木場サンセットで聴くことができている。
歌詞、演奏・・・すべてにおいてカッコいい曲!
ラストは『醒めない』から「こんにちは」。聴くほどに魅力がわかってくる曲の1つで、「適度に」力をくれる。ここがスピッツらしい?
アンコール1曲目は、チャットモンチーのカバーで「シャングリラ」。いい曲だし、まるで我が曲のように歌うボーカル。
曲終わりで、
「残念だけど、チャットモンチーは解散して・・・。曲、もらっちゃう?」
って。そこから、ラストモンチー﨑ちゃんの話題に進んでいたっけ。
二人の背中を見ながら演奏して湧き上がるものを感じたという﨑ちゃんに、
「年取ると涙もろくなって。子犬が歩くのも見ても涙が出る」なんて。
「新宝島」のカバーは、またどこかで聴けたらいいな。
そして大ラスは「夢追い虫」。よかったー!
ライブでのこの曲は、曲のすばらしさ、演奏、ボーカルに加えて、完成された妖しくも美しい世界が確かにあって、ライブ会場に変化が起こる感じ。私にはそこまでの曲です。
いつものように、スピッツらしく、ある意味淡々と(笑)ピックを投げ込み「ありがとう!」と伝えて、そして終わりました。
ずっと昔なら、イベントですごいパフォーマンスを見たあとでスピッツが登場すると、「大丈夫かな」なんて不安になったりもしたけれど、この頃はさすがにそういう気持ちは薄れたかもしれない。
大丈夫、彼らなら大丈夫って。それも少し寂しいかな?
最後に、覚えているMCをちょこっと。
草野「新木場サンセットって(不思議な空間で)、なんか客観的にスピッツを見られるというか、自分の魂が客席にいるみたい」
テツヤ「また怖いこと言ってるぞ」
田村「オレは客席でスピッツを見たい」
テツヤ「それを言うなら、マサムネのハットから鳩を出してほしい」
そのとき、どう反応していいかとお客さんたちが微妙な雰囲気になったのですが、田村くんが「盛り上がってあげてよ!」的なジェスチャーをしていて、そっちに笑えました。
ハットといえば、マサムネくん、アンコールで出てきたときハットをとってあいさつしたんだけれど、髪ずいぶん伸びてたな(笑)。
コレクターズの「ドルフィン・ラブ」を語っているとき、
マサムネ「オレらのよりよかったよね。スピッツのメンバーには申し訳ないけど」
にすかさず、「ま、キミもメンバーなんだけどね」とツッコんだテツヤくんでした。
キュウソネコカミのお立ち台について。
「真ん中にお立ち台があって」という説明を聞いて、テツヤくん「マサムネも立てばいいじゃん!」と。「お立ち台ないのに、どうやってやるんだよ!」になぜか笑い。
「ま、スピッツにお立ち台があったら、ほぼ田村が乗ってる」というテツヤ発言に、会場にいただれもが納得したのでは?
90年代終わりころ、結構熱心に?巨大ネットサイトをエゴサしていたマサムネ氏(「今はやってないけどね」)、
「マサムネの指輪が不思議」という書き込みを見て、「さらばユニヴァース」の「それは 謎の指輪~♪」という歌詞を思いついたとか。
そして、こんなツイートも。
● キュウソネコカミ ヨコタ
https://twitter.com/shinnosukeykt/status/1034623005165477888?s=11
https://twitter.com/shinnosukeykt/status/1034795325540655104?s=11
● カネコ商店
https://twitter.com/kanekoayanoinfo/status/1034840529433849856?s=11
● 本村拓磨さん(アヤノカネコのバンドセットのベーシスト)
https://twitter.com/yumega_mori2/status/1034641623538266117
https://twitter.com/yumega_mori2/status/1034832814603030528?s=11
● THE COLLECTORS
https://twitter.com/info_collectors/status/1034800429547180032?s=11
● ズーカラデル
https://twitter.com/gooutzoo/status/1034809873018408961?s=11
● 鹿野淳さん
https://twitter.com/sikappe/status/1034799408267710464?s=11
長々とお付き合い、ありがとうございました!